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NJRPG2版非公式プレイエイド/ストリートニンジャの拡張と【GKK】システムV1,1

更新履歴 
2021/2/3 V1,0公開
2021/2/4 V1,1 誤記修正、「●歴戦の勘」の取得名声の変更、表記場所修正
              【GKK】の取得に戦闘兵器などの条件を追加

ニンジャスレイヤーRPG2版で正式サポートされた、基本的に【カルマ:善】となる組織に所属しないストリート・ニンジャ。この記事はさらにそれを掘り下げ拡張するスタイルやオプションルールを提案する。

参考:拙作1版プレイエイド:フリーランス・ニンジャ

1/オプションルール:【名声(フリーランス)】

一つの組織に所属しないエージェントニンジャや、ストリートニンジャが選べる名声のスタイル、それが【名声(フリーランス)】だ。【名声(フリーランス)】は、エージェントとしてのビズや、信念に沿っての活動をこなす中で培われたニンジャとしての評判、あるいは己の中で積み上げられたカラテの蓄積を表す。そこにあるのは流儀や作法、規則遵守などを廃した抜き身の『実力』だ。

【名声(フリーランス)】:名声(フリーランス)は、傭兵、あるいは独立戦力としてのあなたの価値、評判を表す。
名声ボーナス:フリーランス

【名声】20以上:伝説的な存在。凄腕の傭兵。都市伝説。ネオサイタマ全域で行われるあらゆるニンジャ戦闘において、気に留める必要があるとされる存在。ニンジャスレイヤーもまたこの一人と言えるだろう。もっとも、この域まで達せる者は殆ど居ないが。初到達時に『成長の壁2』を1個、もしくは『成長の壁1』を2個取り除ける。(原作:オメガ)

【名声】15-19:一流のニンジャ。高いミッション成功率、そして帰還率を誇り、戦況をひっくり返す奥の手となる。ストリートニンジャであれば、そのカラテと名声でもって小さな組織を立ち上げ、自治権などを大組織に主張することも可能だ。初到達時に『成長の壁2』を1個、もしくは『成長の壁1』を2個取り除ける。ブラックマーケット2段階目アンロック。『***』系装備アンロック。また、スキル「●歴戦の勘」を得る。(原作:ブラックヘイズ、ネザークイーンなど)

【名声】10-14:名のあるフリーランス・ニンジャ。何度も対ニンジャ戦闘をこなして生き延びており、あらゆる状況で「戦力として期待できる」信頼を得ている。己のスタイルに合わせて「仕事を選ぶ」事も可能になってきたかもしれない。初到達時に『成長の壁1』を1個取り除ける。ブラックマーケット2段階目アンロック。『**』系装備アンロック。(原作:ヘンチマン、バードハンターなど)

【名声】5-9:ある程度の実力が認められているニンジャ。追加の戦力としても、不意に現れる敵としても、1つのコマとして数えられるようになっている。初到達時に『成長の壁1』を1個取り除ける。『*』系装備アンロック。

【名声】4以下:最低限のテッポダマ。ニンジャの数合わせ。便利屋。ヨゴレニンジャ扱い。ストリートニンジャとしても「たまに出てくる邪魔」程度の扱いだろう。

「●歴戦の勘」

使用タイミング:自身が「気絶状態」になる寸前
コスト:シナリオからの脱落
ターゲット:自分自身
効果種別:その他

屍山血河を越えて生き延びた者だけが持つ「生」への本能的な勘。自分が爆発四散しそうになった場合に使用を宣言できる。【カラテ】【ニューロン】【ワザマエ】の内好きな能力値で難易度U-HARD2の判定を行い、成功した場合即座に無事に戦闘から脱出できる。失敗した場合、そのまま爆発四散する。

2/オプションルール:ストリートニンジャのスタイル

一口に大組織に反抗するストリート・ニンジャといっても多くの種類がある。デスドレインやジェノサイドのように単独で放浪を続けるもの、ネザークイーンやフィルギア、サワタリのように小規模組織に属しそれを護るもの、ブラックヘイズやサイサムライのように傭兵として独自のスタイルを貫き続ける者もいる。それらを良くロールプレイするために、ここでは3つのスタイルを紹介する。

このルールを適用する事ができるのは、「ストリート・ニンジャとしてPCを作成した」時、「組織を抜け、ストリート・ニンジャとなった」時、あるいは「名声(フリーランス)が5の倍数に達した時」とする。一度決めたスタイルは変更できない。それは生き様だからだ。
以下の4つのスタイル・スキルから一つを選んで取得すること。これは自動取得スキルとして扱い、枠を圧迫しない。

「○スタイル:ビースト」

使用タイミング:常時発動
ターゲット:自分自身
効果種別:強化、メモリー化不可
無効:他の「●スタイル」とは同時に取得できず、効果は重複しない。

「○スタイル:ビースト」を持つストリート・ニンジャは、良しにせよ悪しにせよ、己の獣性に身を任せる者たちである。無軌道に殺戮や犯罪行為を続ける者、徒党を組んで闇のニンジャ儀式を行わんとする者、ただただ放浪するもの、復讐に身を任せるもの……などだ。(原作例:マスダ兄弟、デスドレイン一味など)

このスタイルを持つニンジャは以下の効果を得る。

・【DKK】を通常通り獲得する(【カルマ:善】ではなくなる)
・【DKK】10につき、「◉ニンジャソウルの闇」に変換可能(余暇を1日消費)
「モータルハント」で取得できる万札の量が1.5倍(端数切り上げ)になる。彼らにはあらゆる箍が存在しないからだ。しかし、結果に関わらず1回ごとのモータルハントで【DKK】を1d3得る。
「◉ニンジャソウルの闇」「◉憎悪」の合計所持個数が3の倍数になるたび、任意の「成長の壁」を突破することができる。(「◉◉憎悪」は2個分として扱う)

「○スタイル:マーセナリー」

使用タイミング:常時発動
ターゲット:自分自身
効果種別:強化、メモリー化不可
無効:他の「○スタイル」とは同時に取得できず、効果は重複しない。

「○スタイル:マーセナリー」を持つストリートニンジャは、思想や主義に縛られずに仕事を受け、それを完遂する事を矜持とするニンジャである。彼らはエージェントニンジャのように大組織とも取引をする……しかし、その思想に染まる事はない。(原作例:ブラックヘイズ、バードハンターなど)

このスタイルを持つニンジャは以下の効果を得る。

・カルマはスタイル取得時に自分で選択する。
・組織への「◉忠誠心」を取得するとき、それを「◉コネクション」と読み替える。コネクションは複数の組織に対して持てるが、重複は不可となる。
・「◉憎悪」系のスキルを取得できない。
3つ以上の「◉コネクション」を所持している場合、ストリートニンジャのサイバネティクス制限を解除できる(等倍価格で取引可能で、▶▶▶や▲▲▲以上のものも装備可能)

「○スタイル:パンク」

使用タイミング:常時発動
ターゲット:自分自身
効果種別:強化、メモリー化不可
無効:他の「●スタイル」とは同時に取得できず、効果は重複しない。

「○スタイル:パンク」を持つストリートニンジャは、反骨心や芸術性を核とし、まさにストリートで自由に生きるニンジャ達である。自由である、という点ではビーストと同じであるが、彼らはそれ以上にこのモータル社会の中で生きる「自分」をコアにしているのだ。(原作例:サークル・シマナガシ、エーリアスら)

このスタイルを持つニンジャは以下の効果を得る。

・基本的に【カルマ・善】として扱う。
余暇開始時に【万札:5】を支払う事で、余暇の日数を1日伸ばす事ができる(1回まで)。彼らは約束事に縛られる気はないのだ。
・「自給自足判定」を行う際、【万札】を入手できる出目が6から4になる。このニンジャはニンジャの暴力に頼った違法行為でなくても生計を立てる術をよく知っているのだ。
・「◉ニンジャソウルの闇」や「◉忠誠心」を取得してしまった場合、その効果は受けられず、逆に1個ごとに【体力】と【精神力】が-1される。

「○スタイル:ガーディアン」

使用タイミング:常時発動
ターゲット:自分自身
効果種別:強化、メモリー化不可
無効:他の「○スタイル」とは同時に取得できず、効果は重複しない。

「○スタイル:ガーディアン」を持つストリートニンジャは、己のニンジャの力で護るべきものがある故に大組織に属さない事を選んだニンジャである。それは家族であったり、故郷であったり、信仰であったりと様々だ。彼らは他人を尊重する奥ゆかしさを未だ保っている。(原作例:ネザークイーン、アコライトなど)

このスタイルを持つニンジャは以下の効果を得る。

・基本的に【カルマ:善】として扱う。
・このスタイルを持つキャラクターは、NPCとの親密度の合計値上限(9)を撤廃し、それ以上の数の親密度を持つ事ができる。
・余暇1日と【万札:5】を消費する事で、任意の繋がりがあるキャラクターとユウジョウ判定を行うことができる。これは各余暇に1回しか選択できない。
・所持している「ユウジョウ」親密度の合計が10に達した場合、即座に「**受け継いだカラテ**」を1個入手する。これは個人からの想いではなく、様々な人との繋がりが与えてくれた力だ。


3/オプションルール:GKK(グッドカラテカルマ)と「KIRISUTE判定」

参考:ニンジャスレイヤーTRPGファンプラグイン「ライトカラテカルマ」

「カルマ:善」のニンジャをプレイする際、【DKK】が貯まらないことによってニンジャスレイヤーが来ず、より巨大な組織を相手取っているというのに緊張感が足りない、というような事があるかもしれない。そのような時、NMは「善き行いをする事のリスクと報酬」として、このシステムを導入する事ができる。

【GKK】ポイント

NMがこのプラグインを導入する場合、全ての【カルマ:善】のPC達は【DKK】の代わりに【GKK】を管理する。これは(大組織に対する反抗たりうる)意味ある善行の数値として加算され、報奨と危険を両方もたらす。

◆GKK取得の目安
クローンではない組織の構成員(ソウカイヤのリアルヤクザやオムラの社員トルーパーなど)を無力化・殺害:【GKK】+1/1人につき
大組織が狙う物資や人物を奪取・保護:【GKK】+1/1人・1個につき
【名声:10】未満の組織構成ニンジャ、あるいは運用する大型戦闘兵器の捕縛・殺害・破壊:【GKK】+1d3/一人につき
【名声:10】以上の組織構成ニンジャの捕縛・殺害:【GKK】+2d3/一人につき

その他基準があればNMが宣言すること。

【GKK】が一定値以上溜まっている場合、余暇開始時にロンダリングを行うことができる。特にNPCは必要ないが、ロールプレイが盛り上がるならドラゴン・ゲンドーソーやナンシー・リーといった人物を介してもいいだろう。

D3(【GKK】3消費)、D3+1(【GKK】5消費)、2D3(【GKK】7消費)、D3+3(【GKK】10消費)のいずれかで判定する。

出目1:『お前がやっている事は自己満足だ。いたずらに連中がつけ込むスキを与えているぞ?』:行ってきた善行が仇となり、組織に付け狙われる。【名声】が-1され、次のシナリオ開始時に【体力】【精神力】が-1される。

出目2:『お前のやった事で、確かに救われた人がいるようだ。誇りに思うといい』:情けは人の為ならず。助けた者から謝礼が届き、このニンジャは【万札】10を得る。

出目3:『お前の勇気は、確かにネオサイタマに波紋を投げ掛けたようだな』:このニンジャの【名声】は+1される。

出目4:『だいぶ覚悟が決まってきたようだな、お前も』:己のカラテをもって、やらねばならない事があるという自覚がキミを強くする。「カラテ」「ニューロン」「ワザマエ」「ジツ」の「成長蓄積」をそれぞれ+1する。

出目5:『ここだけの話だが、”スポンサー”がお前についたようだぞ』:武功の印として、あるいは、「世の中を変えうる力」として、キミの手元にアイテムが舞い込む。このニンジャは【万札】10までのアイテム/装備を1個獲得できる。【名声】5以上の場合は【万札】10ではなく【万札】20まで、【名声】10以上の場合は【万札】30までの中から1個獲得できる。

出目6:『……お前のそのカラテと意志を見込んで、会いたいと思うヤツがいるようだ』:キミの勇敢な行動は、同じように勇敢に立ち向かう者へと引き合わせる。未だコネクションを持っていない【カルマ:善】のキャラクター1名を指名せよ。これをユウジョウ判定の対象に加えられる。(ニンジャスレイヤーを対象とするかどうかは、NMの判断とする)

KIRISUTE判定

大きな流れに抗う意志は誰にでもある。しかし、それを遂行するのは困難だ、激流に抗う力を持つものさえ……より大きな力、殺すために研ぎ澄まされたカタナを跳ね除ける事は難しい。覚悟はできているだろうか?

シナリオで規定された各種タイミング、1ターン中に合計3以上の【GKK】が発生したタイミング、およびNMが適切と考えるタイミングで、ニンジャマスターは2D6を振って『KIRISUTE判定』を行ってもよい。

『KIRISUTE判定』の手順は、参照する数値が【DKK】ではなく【GKK】であること以外は『Wasshoi!判定』と同じであるが、その結果として登場するのはニンジャスレイヤーではなく、PC達に対立する組織の強力なニンジャだ。

敵対組織がソウカイヤであればソニックブームやダークニンジャ、ザイバツであればブラックドラゴンやメンタリスト、アマクダリであればドラゴンベインやスワッシュバックラーなどが現れるだろう。NMは自由に選定・作成していいが、重要なのは彼らは「邪悪ニンジャに対するニンジャスレイヤー」のような、格上の脅威として現れるということだ。

エントリー表はニンジャスレイヤーのものを流用しても良いし、自分で制作しても良い。

例示:「闇刃のエントリー表」(ダークニンジャ)

クリティカル成功:「無慈悲なイアイ・アンブッシュ」:基本ルールの場合、標的ニンジャは直ちに死角からのイアイ攻撃を受ける。これは自動成功する1発の近接攻撃であり、『ダメージ3』『回避難易度:U-HARD』である。この後に「闇刃のエントリー判定表」に向かうこと。

1 : 高所から現れる影。タタミ4枚の距離でイアイを構える。:標的ニンジャから3または4マス離れた任意のマスに、【刃】コマを置くこと。

2:ドアを切り裂いて静かに出現。:標的ニンジャがいる部屋の任意のドアの隣に【刃】コマを置くこと。なお、ドアにあらかじめ鍵をかけるなどの行為は全て無駄である。

3:ふと見れば、割れた窓に影が立っていた。:標的ニンジャがいる部屋の任意の窓の隣に【刃】コマを置くこと。【刃】コマが隣接している間、その窓は脱出用として使用できなくなる。

4:BRRRRRRR…VTOLの音が響く。天井を突き破り、爆発と共に影は降り立った。:標的ニンジャから2マス離れた任意の場所に【刃】コマを置くこと。激しい恐怖や動揺により、次のターンの終了時まで、その場にいる【GKK】1以上のニンジャ全員は『連続側転難易度』が+1される。

5:「ソウカイヤはお前達を逃す気はない」:気がつけば戦場はソウカイヤによって包囲されていた。標的ニンジャがいる部屋の任意のドアの隣に【刃】コマを置くこと。この時、2人までクローンヤクザや他のニンジャを同時に出現させても良い。包囲の影響によって、次のターンの終了時まで、その場にいる【GKK】1以上のニンジャ全員は『連続側転難易度』が+1される。

6:「キリステ・ゴーメン……」:突如としてイアイが一閃され、ダークニンジャが現れる。標的ニンジャに隣接するマスに【刃】コマを置くこと。即座に部屋にいる全ての【GKK】1以上のニンジャは「ダメージ1」「回避難易度UH」の攻撃を受け、次のターンの終了時まで『連続側転難易度』が+1される。


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