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自分まかない#05 鶏ひき肉となめたけ

フリーランスは、自分で働き方を決められる割に忙しない。目の前の仕事を言い訳に、ついついおろそかにしてしまうのが食事だ。けれども食べるは“生きる”の源。簡単でも自分でまかなうことは、己をいたわる行為でもある。フリパラ編集メンバーでライターのジャスミンと、5分でめぐる食の冒険。

お弁当の大定番である鶏そぼろ。実は拍子抜けするほど時短おかずであることを、ご存知だろうか。

必要なのは鶏ひき肉と調味料、以上。いたってシンプルだし、まな板を使わない。まあ鍋を火にかけることにはなるが、ぐつぐつと煮込むわけでもない。ましてやお湯を沸かすでもなく、すぐに調理にとりかかれる。さらには4,5日ほど保存がきく。スケジュールが流動的になりがちなフリーランスには、まさに優秀レシピだ。

とはいえ毎日そぼろご飯は御免だって? 大丈夫。そこはアレンジしやすく仕込んでおく。キーアイテムは、なめたけだ。そう、時折スーパーで大特売している身近なご飯のお供。「これさえあれば、ご飯3杯はいけます」という人も、肉が入れば大喜びではないだろうか。逆に肉々しいのは敬遠しがちな人でも、えのきの繊維質が入ることで食べやすくなる。なめたけのぬめり効果で、冷めてもしっとりなのもうれしい。

ではつくり方。なめたけだけで味がキマれば最高だけど、甘口に仕上げたかったので砂糖を用意しておく。しょうゆ、みりんを使わない分、日本酒を少し多めに。おろししょうがは鶏肉の臭みをマスキングする。今日はチューブを使ったけど、面倒でなければ自分でおろした生しょうがを断然おすすめしたい。

なめたけ以外の材料を鍋に入れたら、中火にかけて菜箸でほぐしていく。そぼろは箸づかいがポイント。2膳の菜箸を、ウルヴァリンよろしく広げて鍋の中をかき混ぜる。最初はねっとりしているが、鶏ひき肉に火が入ると徐々に箸先は軽くなり、ぐつぐつと肉から汁気が出てくる。

そうしたら少し火を強め、汁気を飛ばしつつ半量のなめたけを混ぜ合わせる。焦げやすくなるから、しっかり観察しながら混ぜ続けよう。

汁気がしっかり飛んだところで、火を弱めて残りのなめたけを。加える前に味見して、量を加減しよう。全体に混ざったらできあがり。焦げないよう、すぐ器に移そう。棒に切ったキュウリにかけて、ご飯とインスタントみそ汁を揃えたら立派な一汁一菜の定食になる。

今日はきゅうりに載せたけど、野菜なら何でも。レンジアップしたアスパラやブロッコリー、玉ねぎなどどうだろう。夏野菜ならピーマンやトマトだって。炒めたナスの上にかけても。冬場はレンコンやごぼうもおいしい。ボリュームおかずにしたければ、じゃがいもやかぼちゃと合わせてみる。厚揚げステーキの上にドン!と、パクチーと一緒に山盛りにしたらモリモリ食べられる。

もちろんそぼろご飯もいい。おむすびなら混ぜ込んで、海苔をぐるっと巻いたら風味も増す。うどんやそうめん、焼き餅にもいいだろう。ひと手間かけて、レタスと合わせてチャーハンなんかも。袋にした油揚げにチーズと挟んで焼いたら、おつまみに最高! チーズとの組み合わせは、しいたけに載せて焼くのもアリだ。しいたけを食パンに変えたら、きちんと一食になる。

ああ、書いているだけで涎が出てきた。
昼のうちに仕事を片して、夜はなめたけ鶏そぼろを肴にビールで一杯やると決めた!

〈材料〉

――なめたけ鶏そぼろ(つくりやすい量)
・鶏ひき肉:200g
・日本酒:大さじ3
・おろししょうが(チューブ):5cm程度
・砂糖:小さじ1~2
・なめたけ(市販品):100g程度
※砂糖はお好みで。
※なめたけの量は味を見て加減する。

――きゅうりのなめたけ鶏そぼろがけ(1人前)
・きゅうり:1本
・なめたけ鶏そぼろ:大さじ3
・しょうが(千切り):適量

〈ひとこと栄養メモ〉

鶏肉はビタミンB6を多く含むことで知られています。ビタミンB6はたんぱく質の代謝に関わるほか、神経伝達物質や女性ホルモンのひとつであるエストロゲンの合成を助ける栄養素です。そのためPMS(月経前症候群)の緩和に役立つとも言われています。(管理栄養士・たなべやすこ)

ジャスミン
フリーランスライター/ 『フリパラ』編集メンバー。
話し手・届け手・読み手の「健やかな生きざま」に、ほんの少しでもつながる期待を込め、オウンドメディアや個人出版、Web制作などに携わる。趣味はプチリッチフード探索。

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