「紫猫のギリ」感想

 こんばんは、sioです。
 最初は自己紹介からがいいのではないかしら? と自己紹介を書いていたら、自己紹介が最も苦手な事をすっかり失念していたため、1月からはじめるつもりだったnoteが2月からになってしまいました。
未だ自己紹介は完成しないのですが、今年初めて(ではないのだけれど、気持ち的には初めて)の舞台の感想を矢も盾もたまらず書き連ねていきたいと思います。

2019年1発目の舞台は「紫猫のギリ」

(公式フライヤー)

(あらすじ)
 お江戸の街に、ダークヒーロー見参!!
 化け猫に身をやつし、辻斬り稼業をしながらも探し求めるのは、帰れる胸か、仇の血か。
 一度でも人を斬ったこの身はどんなに望んでも、あの頃にはもう二度と戻れない。憎しみの坂を転げ落ちていくだけ……。
 その哀しみとやり切れなさを一身に一心に背負い、今日もギリは辻に立つ!!
 復讐の相手を探して。
 辻にたつ、紫猫のギリが、お江戸を斬る!!
(公式サイトより)

 江戸もの、そして殺陣という事で全通したいくらい楽しみだったのですが、チケットがなかなか手に入らず……結局観れたのは2回(初日と東京公演千秋楽日)でした。元々同じ舞台を複数回見る気持ちがあまりわからない方だったのですが、これ、すごい。
 舞台はナマモノ。言葉だけはよく聞くけれど全く理解してなかった。この話をしていたらなかなか進まないのでこれはまた今度。

 ではまず初めて訪れた劇場の感想から!
 今回の公演が行われたのは池袋にあるシアターグリーン BOX in BOX THEATER

 シアターグリーンは立地が少しわかりにくいけど、迷うほどでもない場所にあり、
(西武デパートの前の通りをずっと歩き、ジュンク堂へジュンク堂を正面に見て左折しMARUZENの手前の通り≪シアターグリーン通り≫を直進、東進の付近にある)
 席は椅子が硬くパイプ椅子の席もある。トイレの数も少ないため、開場前に済ませておくのが吉!
……とまあ、普段ならお尻が四つに割れてしまうかもと嫌がるのだけれど、このシアターグリーン、綺麗な劇場ではないのだけれどなんとも憎めない。いろんな人々の積み重ねてきた歴史を感じることができる。雰囲気がある劇場。 

 さあ本編!「紫猫のギリ」について話していきたいと思います。まだ大阪での公演が残っているためできるだけネタバレは避けつつ……とはいうものの避けきれないと思うので、自己責任でお願いいたします。
 一度愛を知った子猫が愛を奪われたことにより恨みを募らせていたところを恩蛇に人の骸に魂を入れられ、人斬りの化け猫になってしまった──それが主人公のギリ。ギリの強さに惚れ込んで手助けをしようとする侍嫌いの蔭間 乙。異国の女性を母に持つ紫の瞳の若侍珠ノ新。 珠ノ新の瞳を狙う恩蛇がメインの登場人物として物語が進んでいきます。

 まず紫猫のギリのいいところその1!
 ストーリーがわかりやすい。
 え、え、それってどういうこと? と悩む時間があまり長くないので自然と物語を追いかけることができる。
 このストレスフリーな感じ、私はすごく大事だと思います。
 話がわからないと白けてしまうことが多いです。自分のレベルに合っていなかったな……予習が足りなかったな……と思う場面は仕方ないのですが、コアなファン向けな作品だった時はちょっとがっかりしてしまいます。

 紫猫のギリのいいところその2!
 キャラクターそれぞれに見せ場がある。
 俳優さんを応援していると話がいいのはもちろんなんですが、どの子にも見せ場があると嬉しいのが本音(端役での出演の場合は除きますよ!)
 どの子にもしっかりと見せ場となるシーンと、キャラクター性を引き立たせてくれるシーンがあり、箱推しになってしまいそうな衝動を抑えるのが大変でした。

 紫猫のギリのいいところその3!
キャラクターがあますことなく素敵!
 その2と重複してしまうのですがとにかくキャラクターが素敵で、演者さんを抜きにして紫猫のギリという作品が見てみたい! と思ってしまいます。
 小説版とか、漫画版とか……あってもいいのにな!
 それぞれのキャラクターについて、終演後衝動のままに書いていたので、それを置いておきます。

 まずは主人公のギリから。
 ぶっきらぼうでガサツなギリですが、辻斬りとして侍を殺めていくことにどこか迷いを感じており、根の優しさが透けて見えていて好感度が高い!
 そしてとにかく殺陣がかっこいい! 人間離れした動物っぽい動きから繰り出される太刀筋の重たさったら、一目惚れ必須です!
 初日に比べ、千秋楽では感情があるギリだったな〜というのがあって、平坦で化け猫の要素が強かったギリがなんともやわらかく、いい意味で人間臭くなっていて、初日のギリも好きだったのですが、最終日のギリが一番好きだったかもしれません。
 きっと大阪でも素敵になっていくんだろうなあ。
 相棒である陰間のは無邪気で相手の懐に入るのが上手い人が好きなタイプ……と見せかけて、親に売られたこと、自身に無体を働く侍のことを恨みに思っているところが切ない。生きていくために得た技術であろうに、茶化しながら話す様子にはズシンとくる重たさがある。仕草のしなやかさから女々しいのかと思えば、刀を奪って振り回すお転婆っぷり! お姫様じゃあないなあこいつは。
 愛情深き優しい青年、珠ノ新は清廉潔白というがよく似合う若侍で、人からも物の怪からも追われる苦労人。ギリの憎しみの心に光をさすのはこの人しかいない! という程無償の愛を向けてくる。その実、人に必要とされたい欲求が一番強い気もします。ギリが生きているなら自分も生きていてもいいと思える──意味深ですよね。
 忠義の医師、刀を振るえば滅法強い! 朝倉宗次郎は茉莉花様を守れなかった無念から珠ノ新に過保護気味なお医者様で、頭がいいがゆえに悩み迷うキャラクター。漫画だったら一番人気になるタイプだとおもう。珠ノ新への愛情が本物な分、あの決断は本当に辛かっただろうなあ……と注視してしまいます。
 懐の広さと茶目っ気が天下一品! 梅田妙庵さんは、どんな人でも好きになってしまうこと間違いなしのお坊様! 他のものからはからかわれがちで、少し貧乏くじを引いてしまう所はつい笑ってしまいます。おおらかで、周りをしっかり見ていてくれる大黒柱のような印象です。朝倉や優馬との掛け合いは爆笑必至!
 のんびり屋さんの如月優馬くん。「優馬は?男ですから、これしきのことで……うぇぇえん!」が可愛すぎる!何度見てもコミカルで優馬が出てくるシーンはどんなシーンでもほっこりしてしまうそんな舞台の清涼剤のような少年です。 
 ベストフレンド八咫羽愚利図、悪役なのですがもーーーーーすごーーーくかわいい! 八咫羽と愚利図の仲良しエピソード、いっぱいほしい。おそらく日替わり要素だったのかな? と思うんですが、毎回笑いを誘う二人の仲の良さはシリアスなシーンでも雰囲気を壊すことなく作用していて、ただただすごいな……っと。愚利図は子熊だったのかな?だから片言なのかな?なんて想像をしています。
 登場すると空気が変わる恩蛇様! 恩蛇様! マジ宇宙一! あの不気味さや蛇っぽさ、ネタバレをしないとなるとほとんど話せないのですが恩蛇様がどうして恩蛇様なのか気になります。茉莉花様と会った時のエピソードとかもいつか観れないものかなあ。
 最後にアンサンブルの五人衆
 多種多様な役で劇を盛り上げてくれる縁の下の力持ち! 開演中の注意を歌舞伎帰りの侍として面白おかしく伝えてくれるシーンからはじまり、一番好きなのは関西でのシーン!  かまへんかまへん、なんでやねん! どないやねん!めっちゃ好きやねん! など全く会話になってない台詞を抑揚をつけて話すシーンは面白さだけでなく、今ほど情報が普及してない時代で江戸者からは関西弁って異国の言葉のように聞こえたのだろうな〜だからわざと会話ではなく、このようなガヤになったのかな?と思うと納得!

 ここまで書いてみて、自己紹介だけでなく感想文も苦手だったんだな〜と。でも今年もいっぱい舞台を見ていきたいと思います。

 オススメの舞台があったら是非教えてくださいね!

 それでは。

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