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鮮魚部・渡部の「美味しいものについて、話そう」:魚卵編

全国から選りすぐりの“ほんまもん”を集めたスーパーマーケット・フレンドフーズには、食にこだわりを持ち、何より美味しいものが大好きなスタッフがたくさん。

そんなスタッフの中から、北海道出身で、この春からフレンドフーズに仲間入りしてくださった鮮魚部の渡部さんに、美味しいものへの愛をたっぷりと語っていただきます。

今回のテーマは「魚卵」。なんと渡部さん、鮮魚部で日々対面する魚卵を片っ端から「カラスミ化」して美味しくなるよう研究中だそうです。果たしてお味のほどは……!?

なんでもカラスミ化計画

魚のお腹には、いろんなものが入ってますよね~。
小鮎なら、まるのままの天ぷらなんかで、そのほろ苦さを味わうのも大人の楽しみですが、
お腹から出てくるもので、最も美味しい代表は、そう! 魚卵。

数ある魚卵のなかで、日本で最も多く食べられているのは、たらこ、いくらあたりではないかと思いますが、
鮮魚部にいて、日々いろんな「生魚卵」に出会えるなか、ふと浮かんだ思いは、「この魚卵達、カラスミにしちゃったらどう?」というもの。

本来はボラの卵で作るものですが、魚の卵であれば「カラスミのようなもの」にはきっとなるはず。
という根拠のない自信のもと、まずは、ヒラメの卵で試作を開始!

とりあえずネットで、「カラスミ・作り方」で検索すると、わんさか出てきて、
それぞれにやり方は多少異なるようなのですが、共通事項で外せない手順が、表面の血管からの血抜きです。

魚卵を冷水につけながら、まち針を血管に刺して血を抜いていくのですが、
これが、ずーっとやってると、血管注射をする看護師さんの気分になってくるんですなー。

変な方向に突き刺すと、卵の方に血液が混じってしまうので、あくまで血管を突き破らないように慎重に。
この作業を怠ると、生臭い仕上がりになってしまうのだそうです。

で、そこから一晩冷水に漬け完全に血抜きし、その後、塩蔵、塩抜き、乾燥と進みます。
乾燥段階も干しっぱなしではなく、時折、日本酒なんぞを霧吹きし、ビニール袋に入れて、外側だけが乾燥しすぎないよう調整。

「美味くな~れ」の呪文をかけて数週間。こーーーんな感じで仕上がりました。

いかがですか? ホンモノカラスミとは形こそ違いますが、いい感じの色艶。
まずはこれを、周辺の勇気ある方々に試食していただいたのですが、
「カラスミっぽいー!」という嬉しい反応に気を良くし、その後も、魚卵をいただけるたび試作の日々。

天才料理家の小学生・伊佐くんにもお裾分けしたら、
「すごくおいしかった!売らないの? あれで、今日は魚料理に添えるソースを作ってみる」
と嬉しいお言葉をいただいてしまいました。

しかし、元来飽きっぽい性格のため、「ただ、カラスミにしてるだけじゃつまんなくない?」との心の声が。
そういえば、フグの卵巣の糠漬けとかあったし、数の子の酒粕漬けなんてのもあったよなあ、と。

とりあえず一旦「カラスミ化」した魚卵を糠漬けにしたり、麹に漬けたり、あれこれやってみた結果、
酒粕に漬けた後、その魚卵を小さくカットして、漬けた酒粕に新潟の「かんずり」を少し入れたもので和えてみたら、
これが……意外とイケる!

ガラス瓶に入れてラベルを貼ってみたりすると、どうでしょう、なんだか「珍味」っぽい雰囲気を醸し出してませんかー?


お店で売れるほど美味しいものが出来るようになったら、いつの日にかフレンドフーズに登場するかも!?研究は続きます。

まずは、健康的に炊き立て白飯とともに。
そして、そう!もちろん!
日本酒に組み合わせちゃったら、もうエンドレスでーす。

ちなみに今回使った「かんずり」は、ご存知の方も多いかと思いますが、新潟県でよく食べられている醗酵調味料。
友人が新潟に住んでいた時(30年前)遊びに行って物産館で出合ってから、いつの日も共に生きてきました。


お鍋に、冷奴に、炒め物に、ドレッシングに、何にプラスしても、風味が数段UPする地味なのに、使える奴です!

この記事を書いた人

名前:渡部 智子
部門:鮮魚部

この春からフレンドフーズの鮮魚部で勤務を開始しました。生まれも育ちも北海道。20歳から45歳まで札幌で建築関係の仕事をしており、その後和菓子の道へ転職して4年目に京都へ移住。 そして、11年目の春、和菓子だけに止まることができず、たくさんの「美味しい」を提供しているフレンドフーズへと行きつきました。 美味しいものを求めるお客様にお会いできることをとても楽しみにしております。

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