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【アメリカ製保健室】のお題で、  【どんでん返し】なショートショート

小さいころのわたしは、学校へ行くと口をきくこともできず、すぐ泣くので絶好のいじめの対象になった。傘やノートを隠されたりボールをぶつけられたり。学校を休むことは許されなかったから、保健室だけがほっとできる場所だった。ベッドに横になり白いカーテンの揺れる窓から空を眺めているのが好きだった。

そんなわたしは19歳のとき恋をした。相手はポールというアメリカ人、ふくよかな身体でハグされると、あのころの保健室にいるような安らぎを感じた。
「君は素敵だね、黒い瞳、つややかな肌、もう離さない」
「ポール・・・ずっとこうしていたい・・・」
会うたびにポールはふくよかに、白い腕は柔らかく暖かくなっていくようだった。


たらは動物園は、心温まる話題で大勢のファンを呼んでいた。シロクマランドのシロクマが隣のアシカランドから来たアシカと恋に落ち、抱き合っているのだ。二人の幸せそうなうっとりした瞳は見る人を幸せにした。争うことはなんと愚かなことだ、誰もがそう思った。

        おわり(419字)

たらはかにさんの企画に参加させてください。
たらはかにさんお世話をおかけしますがよろしくお願いいたします。

いやぁ、今回も難しい!
【アメリカ製保健室】のお題で、【どんでん返し】なショートショートって
もうどう書くの?と考えた末のお話です。
わたしがいつアシカに変わったのかわからないって?
この世は謎だらけなのです。悪しからず。😆


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