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ヒマワリへ

ヒマワリへそそぐ陽の光が茜を帯びてきた
すっくと立って陽を浴びていたヒマワリたちは
何か心配事でもあるかのように頭をたれ始めた
沢山の種一つ一つの未来を案じているのだろうか
立ち枯れた身をさらすヒマワリは最後まで誇り高い

やがてセイタカアワダチソウが茂り始め
三角の山の形をした花々が咲きそろうと
土手は金色に輝くアルプス山脈になる
白いススキの穂がおいでと手招きし
ひんやりした風がスイとやって来る

北風の櫛が枯草の葉を梳くように吹くと
さらさらと葉たちは南になびく
ひゅーという笛の音にのりながら

お日様の光がすこ~し暖かになり、空の青が明るくなると
枯草の間からつくしんぼたちが顔を覗かせ
背比べしながらぐんぐん伸る
空の青をちぎって振りまいたような
イヌノフグリたちが小さなおしゃべりを始める

おや ヒマワリの芽が出ている
まだ種の殻をつけたままのも
こうしてまた逞しく育って花を咲かせるんだね

ひっそりと でも確実に繰り返されて
土手ではドラマが続いていくよ

          おわり

ヒマワリの芽


小牧さんの企画に参加させてください。
小牧さんお世話をおかけしますがよろしくお願いいたします。

#シロクマ文芸部

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