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【日記】人に会って学ぶ

月曜、少し遅れて出社。四連休を挟んでいるうちに色んな方面から色んな連絡が来ていた。いや、連休中も対応できる限りはレスしていたので分かっていたことだけれど。そういう仕事柄の影響もあって、いまいち休んだ感覚がない。インタビュアーとして稼働してもらっている人と、とある案件を機にLINEを追加してもらったのだが、異常に仕事が早い分少し性格的に疑問を抱くところがあり、若干ではあるもののストレスの元になっている。いつも通りのレギュレーションである認識で進めてくれればいいのに、細かいニュアンスを汲んでくれず、逐一「何卒、ご確認を、お願いいたします」とご丁寧に読点多めで確認をとってくるので、休日の仕事の諸連絡はさっさと手短に終えたい身としてはかなり小面倒。メールやSlackはビジネスツールで、LINEとXはプライベートツール。趣味を仕事にしている分、そういう区分けを明確にしておかないと自分の中でのバランスが保てない。

夜、事務所を少し早く出てWWWXへ。シーシャ屋の親友とSquidの来日公演を観に。昼間、諸事情で自分は今回立ち会えなかったが、三回目となるメディア取材をやらせてもらっていた。昨年観たBC,NRやBig Thiefらと同様にヤングな層が多いのではないかと思っていたら、しっかり耳の肥えていそうなおじさんリスナーばかりで意外だった。本人たち的には、こっちの方が嬉しいんだろうか。ジョイ・ディヴィジョンやニュー・オーダーをリアルタイムで追ってきた世代の人々の前で認めてもらえる実力を持っている、じゃないけれど。

ライブは心底面食らった、ちくしょうと言いたくなるほど素晴らしい鑑賞体験だった。最新作からリード・トラックの「Swing(In A Dream)」で始まり、一瞬で会場全体を緊迫感のある空気に染め上げ、オリー・ジャッジが放つわざと抑揚をつけたドラムボーカルやトランペット、2台のシンセサイザー、カウベルと、オリーをセンターにして横並びにステージに立つ5人がそれぞれ器用に持つ楽器を曲ごと入れ替えながら、MCなしのインタールードのみで空間を一体化させる。それはまるで風邪を引いた時に見る奇妙な夢の中のようだったし、同時に、このある種ドラッギーともいえる浮遊感にどこまでも連れていかれたいと思った。MCほぼなし、アンコールもなく颯爽と立ち去りまでの80分間、本当に度肝を抜かれるばかりで、群雄割拠のサウスロンドン・シーンで秀でた存在として熱狂を生み出すバンドの本質を見たような気になった。

終演後、同行した親友と余韻を分かつため渋谷駅近くの鳥貴族へ。久々にこういう安い居酒屋チェーンに行った。ヴェニューの中でハイネケンを飲んでしまいビールの気分ではなかったので、ゆずチューハイとメガサイズのレモンサワーを頼みながら、感想を言い合ったり、過日の恋人との口喧嘩について、自分の相談に乗ってもらったりして小一時間羽を休めた。異性ではあるが、いやだからこそ、親友歴が長いのでなんでも包み隠さず話せる存在。ありがたい。

23時前に帰宅して、何も食べていなかったのでシャワーを浴びて夕飯作り。といってもキャベツをレンジにかけただけのものとサラダチキン、といういつものウサギ飯。寒い時期は舌をやけどするぐらい熱々にした野菜が結局ちょうどいい。冷蔵庫の発泡酒を飲みながら、恋人が手伝っている卒論の仕上げをチェックしてあげて、インスタを更新し終えるなり早々に眠ってしまった。

火曜、出社。今日からまた深夜まで仕事。件の爆速ライターからインタビュー原稿が上がってきたが、かなり雑に書いてくれたな、と言いたいぐらい校正箇所が多くて気が滅入る。スピードも大事だけど精度も守って出してほしい。夕方、休憩とりがてら原宿のフェンダーカフェへ。ロンドン滞在時に出会った年上の女性(かつ、今も現地で暮らしている親友の彼女)が帰国され、住居のある関西から東京に来ているということなので会うことに。相変わらずチャーミング、だけど博識で、会話していると共感部分と新たな気づきを与えられる部分が半々にある。昨日はSquidと近い会場で行われていたAlex Gを観たとのことで、音楽の話を中心に少しの間談笑した。お気をつけて、と告げて解散。いくらでも会いたいと思わせる、素敵な大人の女性だと思う。深夜まで働き、2時半頃に寝た。絶対翌日眠くなるのは分かっているのに、エネルギーの分配が下手。

水曜、漠然とした不安感で6時半に目が覚める。適当なクラシックのプレイリストを流すとホテルみたいな空間になって嬉しかった。掃除を済ませてから出社。午後に健康診断を控えているので、スタバの新作を飲みたいところをこらえ、キレートレモン1本で済ませる。午後に事務所を出て恵比寿の桜十字クリニックへ。ガーデンプレイスの3階にあるので、すっかりクリスマス仕様になった装飾を横目にエスカレーターを登る。身長は中学生の頃から0.1cmも変わらず、体重は昨年より3kg落ちていた。まあ毎朝計って記録をつけているから知ってるけど。昨年は痛風で要検査のDが出た。年ごと飲酒量が増えているし、改善する気もないまま来てしまって自分の身体が心配。やめないけど。

健診後、週半ばの自分をねぎらう気持ちでスタバの新作フラペチーノを飲む。ピスタチオの味と言われても正直ピンと来ない(経験不足)が、底に溜まったパリパリのホワイトチョコレートが美味しかった。健診は半休扱いになるのに、Slackとメールの通知が鳴り続けるので出先で対応。

夜、Xを眺めていたら皆今年聴いた楽曲の年間ランキングを上げていたので自分もチェック。1位から5位まで見事に今年ライブを観たアーティストで埋め尽くされていて、フィジカルでの体験がフェイバリットに直結する自分らしいと思った。PAS TASTAが首位なのは往々にして自覚がある、リミックス盤もオリジナルも今年の私的ベストに入るし。1975はロンドンに行く前日に来日公演があったし、オウガは5月に立川のクラフトロックフェスで初めて観た(そういえば再来週はついにワンマン公演だ)、コーネリアスは今年は観る機会こそなかったが、昨年のフジロックを思い返すタイミングが多かったり、『夢中夢』のリリースを機に過去作を改めて聴いたりしていた。Poter Robinsonは4月の豊洲PITで観て泣いた。振り返ると、年ごとに自分の聴く幅が広くなっているのを感じるし、昨年より格段に視聴時間が増えている。来年もどんなアーティストに出会えるか楽しみ。深夜3時すぎに寝た。

木曜、アラームを消して二度寝するもまだ余裕のある時間に起床できてセーフ。目が血走っていてかゆい。引き続き色々な連絡を色々な方面へ返しながら編集作業を進める。夜、退勤して、休憩がてらに恵比寿のIBrewへ。川中島の桃ヴァイツェンをパイントサイズで頼んで給水する。ほんのり甘く、少しだけまだ青さのある感じ。もっと飲みたい気持ちを抑えて会計し、再び仕事へ。日付を回った深夜2時頃に黙々とサラダチキンのケイジャン風味を買って食べる。Xで感想を検索すると「しょっぱい」「塩辛い」といった投稿が散見されるが、個人的にはサラダチキンなんて淡白なイメージが先行されるなかでこれだけパンチの効いた辛さを表現できるのは革命だと思う。やったことないけど、パンに挟んでも美味しそう。そんなことを夜半に考えながら、3時すぎに寝た。