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【日記】追いつかない

月曜、出社。起き抜けに計測した体重の数値がボ〜ンと跳ね上がっていて下唇噛む。病まない勇気。会社着いてからは淡々と仕事。退勤後に副業先へ。お腹が張っていたので予約あってもなくても嫌だな、と思っていたら、かねてから顧客管理サービスで連絡を取り合っていた新規客から指名が入る。ピンク・フロイドの『狂気』が好きだという話をして食いついてきた人だ。普通の、どこにでもいるリーマンおじさんだった。『狂気』が好きなのにそれ以外のキング・クリムゾンとかマイブラとかは全然無知だったようで、音楽全般好きなわけじゃないんだ、と少し残念だった。でも100均のトートバックいっぱいに差し入れを贈ってくれた。菓子類は事務所に戻ってから写真だけ撮って全部棄て、帰宅してペットボトルの紅茶とカフェラテを冷蔵庫にしまって、サラダチキンとほたてバーを食べてから2時頃に寝た。

火曜、朝から春を根こそぎ蹴散らすほどの暴風雨。最寄り駅につくまでの間に全身がびしょ濡れになりシャワー後の様相だった。こういう時に限って飲みの約束があるの、本当にそういうホシなのかな、とか考えて少し凹む。ビニ傘が大破して職場で棄てた。Teenage Brewingとコラボレートしたビールの納品日。同じチームの社員が誰もオフィスにおらず、午後はほぼ一人で淡々と120本分ぐらいのラベルの貼付作業をした(途中で少しだけエンジニアの社員さんが手伝ってくれた)。飲みの約束に間に合わないと焦ってダッシュで退勤し、友人のヒナちゃんと合流。年上だけど、童顔で接しやすい人柄なのも相俟ってタメ口で喋ってしまう。それくらいチャーミングで、酒へのポテンシャルと気が合う子、ということで。

元々狙っていた老舗の焼き鳥屋に振られ、ヒナちゃんの提案で「祐定」へ行くことに。曰く、「おばあちゃんの家に遊びに来たみたいな感覚の店」らしい。wineshop flowの2階にある引き戸を開けると、確かにおばあちゃんの家、というかおばあちゃんの家の近所にあるローカル居酒屋、といった内観で、ご高齢の奥さんが「あらいらっしゃい、何時ぐらいまでお嬢さんたちいる予定?21時までだったらテーブルでいいわよ〜」と優しく出迎えてくれた。壁一面に貼られた短冊メニューを眺め、あれもこれもおいしそうと言い合って、初手に瓶ビールを注文。満身創痍の火曜日に染み渡るうまさ。気張らないがちゃんと美味しいと確信がもてるようなメニューが豊富で、大きな焼売、塩辛じゃがバター、馬刺し、などを頼みつつ、しれっとヒナちゃんはキンミヤのボトルを入れる方向にシフト。自分はずっとビール。ヒナちゃんとは近隣の店でばったり会う程度で、こうしてサシで腹割って話すことが今までなかったので、恋愛の話や兄妹の話を中心に赤裸々トークとめかしこんだ。FUJI BAGELのベーグル生地がパサパサでおいしくなかったと伝えたら「デザート系メインだからクリームに合うようにわざとそうしてるのかも」と教えてくれた。確かに一理あるなと思った。

ヒナちゃんが、だらだらと昔から続いてしまっている関係を切りたい話をして、自分が以前の会社で上長と関係を持ってしまった話を暴露し、「そういう男はさあ、自分の外的評価わかってんだよね」とうなずく。好きだった人を超える男にこの先出会えないかもと言ったら「わかる。もうだったらそれこそワーホリは正解。海外の男捕まえよう」と背中を押された。ヒナちゃんも一緒にロンドン行こう。話し込んでいたらあっという間に21時をすぎていて、カウンターに移動し、なすととり天の盛り合わせを注文。さっくさくで身がふわふわで、油もさほどきつくなく、本当においしかった。お腹いっぱいになり会計。このエリアには大変めずらしく喫煙可だし、今度は一人で来たい。

道中、「このエリアで一番うまいウフマヨ選手権」の話になって、自分は真っ先にキッチンかねじょうと即答する。ヒナちゃんはwill'o'wispと山田ワインらしく、2軒目に前者へ。しかしあいにくこの日はたまたま早仕舞いでフードはラストオーダー後だったので、ヒナちゃんはスパイシーハイボール、自分はピノグリをゆっくりと味わって、23時頃に家のすぐ近くで解散した。まだ火曜日なのまじか、と思いながら帰宅してすぐさま部屋着になり、シャワーを後回しにして0時半頃に寝た。

水曜、朝起きるとガチンガチンに頭痛。キンミヤ注ぎすぎの罰が降っている。しかし運良く取材の兼ね合いで昼〜夜帯までの稼動になっていたので、とりあえず昼前まで寝ることに。昨夜、仕事の都合で札幌にいる兄②から「遊びにおいでよ、彼女紹介したいし」とLINEが来ていて、酩酊したまま返信していた履歴が残っていた。多分5月の初週に行くことになりそう。生まれて初めての北の大地が兄の彼女との顔合わせを兼ねることになるとは。絶対にこの人たちは結婚なんかしないと信じてやまなかったが、なんだかんだで二人ともきちんとライフステージを着実に踏みしめているらしい。安心なんだか、現状そうではない自分と比較してちょっと靄がかる部分もあり、正直複雑でいる。きちんと祝いたい気持ちはあるのだけど。

そういえば、昨夜ヒナちゃんと「妥協して結婚するぐらいなら恋人自体できなくていい」という話で完全合意した。それは本当に自分にとっての真理だなというか、自分がこれだけの努力で培ってきたものをやすやすと他人に渡せないなと感じていて、その意味で自分は70〜80%の相手とは長く共に過ごしたいと思えない。つい最近別れた子も、結局自分の中では早いうちに答えは出ていて、それに対して外面良く取り繕うためだけに理由をわざわざ立てただけだった。我ながらずるいなと思う。

昼に出社して、夜は取材で移動。手配したスタジオが想像以上のクオリティと広さで安堵した。撮影機材も十分。上司と代表と新卒社員が同行していたのだが、インタビュー中における代表の態度の悪さ(足組んでスマホ)と上司のタイピング音が気になって、内心忙しいでしょうし帰ってください…と願った。ここぞとばかりに都合の良い現場にだけ顔出して挨拶するの、ビジネス的には大事なんだろうけど、だったらちゃんと興味持ってますよ感のある態度示してくれと思う。ソロ撮影の折、だいたいのアイドルの子が「利き顔こっちなんで」と右か左かで要望を出すなか、12万人フォロワーのいる某アイドルの子においては「どっちでもかわいいので大丈夫です!」と堂々たる自信で答えていて、強い………と思った。実際、対面でも自撮りとなんら遜色ないほど顔がちいさくて異次元レベルのかわいさだったので、その言葉は多いに納得できる。同性ながら惚れ惚れとしてしまうぐらい。彼女たちのメディア慣れのおかげもあって、予定より1時間ほど巻いて見送り、自分たちも撤収して帰路へ。

帰宅して、1時間ほど原稿周りの雑務を済ませ、夜は納豆とねぎやほうれん草や生卵をポン酢で和えたもの、それからいつものサラダチキン、ほたてバーと健康にしかなれないようなラインナップで夕飯にした。まあ食べ始めるのが遅いので健康にはなれないかもしれませんが。取材の現場、自分よりも確実にカメラマンやライターの方がカロリーを使っているのはわかるけど、無意識に気を遣いすぎている癖があるのでこちらもなかなかにぐったりしてしまう。1時すぎに寝た。

木曜、出社。昼に上司と代表・副代表との面談があって、改めて来年からのワーホリに向けて退職したい旨を申し出た。齟齬があってはいけないので、あらかじめPCのメモ書きにざっと箇条書きで自分の考えていることを書き出した上で伝えたのだが、「星野さんは自分の思いを正確に伝えてくれてありがたい、結構ドライな人も多いから」と笑って褒められた。とりあえずは自分の希望通り、4末か5末あたりで正社員からアルバイトに切り替え、その後は流動的にチームに関わることに。詳細は明日のチーム定例で。

退勤して夜、副業先へ。うちゅうの新作飲みたいなあ…と後ろ髪を引っ張られたが明日まで我慢。仲の良い本指名客の150分予約が入っていた。空腹でお腹がちぎれそうなほど鳴っていたが堪える。接客中に次の予約を取り付ける。240分のデートコースで谷根千に。言葉数が少なく喋り下手なのがちょっと気になってしまうけど、変わらずデレデレでいてくれてありがたい。見送ってから1時頃にサラダチキン、ゆで卵、パウチのごぼうサラダを食べた。店で寝ると肌が乾燥してしまうし、絶妙に寝心地が悪いので本当は終電で帰りたかったのだが、明日は絶対にうまい酒飲もうと決め込んで2時頃に店の電気マットの上で寝た。

金曜、朝6時起床。やはり店で寝ているとどうしても寝付けない。ので、寝癖のまま服だけ着て自宅に一度帰る。少し仮眠をしてからシャワーと支度を済ませ、出社。歯を磨こうとしたらピキぃと唇の端が割れて、見ると口角炎ができていた。ショック。ビタミン不足だろうか、あと最近まで化粧水を切らしたまま数日新調せずファンデ直塗りをしていたのでそのせいもあると思う。4日目か5日目ぐらいから面白いくらいに肌に粉が吹いてたし。

出社して仕事。定例会でチームメンバーに退職の方向でいることを伝えるつもりが、同僚が病欠していて上司を除く一人にしか打ち明けられず来週に持ち越しになった。どうしてこういう自分にとって大事な報告がある時に限っていないんだ。18時になって、野暮用がありオフィスから徒歩圏内の会社が運営しているレコード・ZINEショップへ。用を済ませたらすぐオフィスに蜻蛉帰りするつもりでいたのに、過去数回一緒に仕事をさせてもらっている「ビッグウェーブさん」ことブッチさんと、ライターであり経営者のタカハシさんがいらっしゃったのでTeenageのコラボビールを一緒に飲むことに。内部の人間でありながら、この日初めて(やっと)ありつけたのだけど、Yuzu Milk、超うまい。4.5%と控えめな度数なのと乳糖を投入しているので、500mlでもするする入っていく。ノンストレスで完飲できちゃうタイプ。穏やかな丸みがあってスムースなのでつまみがなくても飲める。Teenage Brewing、さすがの一言。回し者といえば回し者なんだけどもビール好きな人にはぜひ勧めたい。

19時すぎになってオフィスに戻り、納品用のビール×10をピックアップしてコーヒー屋へ。500mlを10本通勤トートに入れたら当たり前に肩が外れそう。コーヒー屋につくなり、常連の面々と健さんが出迎えてくれて、常連同士でさっそく1缶分け合って飲んでくれた。おいしいねえ、とのこと。自分が作ったわけではないけど、うちの会社から出ているという面で誇らしく嬉しい。自分は1缶だけ飲んで、疲労と睡魔で限界になって帰宅。夕飯は冷凍していたFUJI BAGELのスパイシーウインナーベーグルとカニクリームコロッケと納豆。納豆に卵とほうれん草やねぎたちを焼いてまぜたものが、見た目は餌でしかないけどあまりにおいしくて、酒を飲み始めた頃から毎年暖かい時期になると体が無性に求めている、気がする。健康プラシーボもあるし。夜更かししたかったが、眠気が勝って0時頃に寝た。