見出し画像

【日記】春みたいだった

金曜、午前在宅、午後は半休の日。在宅勤務しながら洗濯。会議の時間を1時間間違えており、(すっぴんなので)顔映せませんと平謝りして出席。オフィス組もカメラの故障で映せなかったそうなので、それをいいことにいつもより口が回る。「ここまでは対応できるが、それ以上はできない」ということはできる限り早いうちに伝えておいた方がいい。

午後、表参道の美容室。グレーが抜けて茶髪になってきたので染め直し。ジクジクとした腹痛に施術時間の1.5時間抗い続けて勝利。いつも店前の通りまで一人ひとり見送ってくれるので、帰りしな、切り納めですねと伝える。17時半に目白駅で彼氏と落ち合う。いつもは変にサラサラにリペアされた髪質が嫌で帰宅したら一度シャワーを浴びるのだけど(美容師からしたら冒涜に近い)、今回は時間がなかったため直行。マイナーチェンジした姿を見るなり、「良いな、すごく良い」ともごもごしながら伝えてくれたのが嬉しかった。

駅から10分ほど歩いてインクホーン・ブルーイングへ。前回の日記にも書いた、この間飲んだばかりのBUNCHOやBaby Raptorがバッジごとに複数繋がれていてテンションが上がる。とりあえず、自分は後者を、彼氏は前者をパイントサイズで注文した。一週間お疲れ様、の給水。ドリンカブルで非常に進む味。

一杯だけを時間をかけながら飲み干して、そのまま都電で大塚駅へ。東京で路面電車に乗るのは人生で二回目。初めて乗った時もブルワリーへ行った記憶がある、カンパイ!ブルーイングだったか。大塚駅、初めてちゃんと降りたが再開発で飲み屋街が一部ながら広がっており、華の金曜日らしく街全体が明るかった。代々木にも店舗がある「う福」を見つけたので入ることに。うなぎ串が安くて美味しい店。クラフトビールからのサントリー、脳が拒否している感覚があるけれど、今日は居酒屋飲みがメインだったからこれで良いの、と自分の脳に伝えて神経を溶かす。

乾杯し直して早々に流しのマジシャンがテーブルに来て、数種類トランプを使ったマジックを見せてくれた。手品師の友人然り、やっぱりこういう人たちって話のスキルや目線の逸らし方が肝だよなと思う。最後の手品で、彼氏と片手ずつ挟んでいたトランプの束が、流しのカウントで一個のクリアケースに変わってしまったのが一番感動した。その後も催眠術専門の流しが来たけれど、そちらは正直プラシーボ…?と思う程度でいまいちわからなかった。飲んでいたせいもある。

時間が来たようで会計して店を出る。反対口に向かって歩いていると、駅からすぐのところにタイタン・ブルーイングのタップルームがあって、とりあえず入る。店内はちょうどDJイベント中で、重低音に声の通らない同士頑張って張る。一杯で会計して(また日を改めて来たい)、大塚から新宿まで出て乗り換え。うちゅうブルーイングのGEISHAが飲みたくて、コーヒー屋に行こうと駄々をこねて帰宅前に意気揚々と連れて行ったが、まさかの入荷しておらず。代わりにバナナちゃんをタップで分け合いながら、常連の女性が浮かない顔で座り込んでいたのでどうしたんですか、と聞くと、ラブラブだった交際相手からいきなりLINEをブロックされたらしい。あんなに自慢げに話していて、一緒にここへ来たこともあるのにショックすぎる。自分たちが店を出た後、別の常連の辛口男性に泣かされていたらしかった。さすがに不憫でならない。彼氏も女性のことをよく知らないながら心配していた。帰り道、コンビニで追加のチューハイを買い、少しだけTverでバラエティを観てから寝た。

土曜、起きると昼の12時で、互いにオフ日ながら軽い失望感を覚える。自分は近くのクリニックへ薬を受け取る必要があったので、急いで支度して彼氏に留守番を任せることに。先客がなく意外とすんなり終わったので、13時すぎからデート再開。パドラーズコーヒーに寄るとそこそこ並んでいる。まあ暇だしいいよね、ということで20分ほど並んで、自分はアイスチャイ、彼氏は本日のコーヒーを買った。そのまま上原まで歩いてAORという名のレコードショップへ行き、軽くディグをした後は駒場東大前方面へ。かなり寒く鼻水が出て辛かったので、暖かい彼氏の手をずっと握ってスノースマイル状態になっていた。しばらく歩いて旧前田邸洋館に着く。16時までの入場で、時計を見ると15時すぎ。靴を脱いで館内を見学。カーテンの色が部屋ごとに異なっていて、ラグ然り完全オーダーメイドのディティールの細やかさに見惚れた。彼氏が撮った写真を見て、それいいね、と呟くと「被写体が良いですから」と言われた。好きな男が撮る自分、誰に撮られるよりもきっと一番素敵だ。

洋館を出ると16時すぎで、井の頭線に乗って吉祥寺へ。この時点でよく歩いたせいか、はたまた外と車内の温度差か、電車の中であくびが止まらず微睡を繰り返す。吉祥寺に着いて、自分の元バイト先のファミマに寄ると、当時とは全く別モノと言いたいぐらいに接客の質が落ちていて悲しかった。当時はあの店舗が関東甲信越エリアで1位で、自分も採用後すぐに店長と屋上でお辞儀の練習をした。温和ながら店の環境作りには人一倍熱心な店長だった。今も本部にはいると思うが、元気にしているだろうか。

彼氏の親友が立っている日とのことで、ハモニカ横丁内の『そとまろ』に入る。自分も吉祥寺に住んでいた頃はバイトと同じくらいの頻度で通っていた。クラマトトマトハイを頼み、彼氏と親友くんの共通のバンド仲間が続々と入店するのを見ながら会話に混ぜてもらう。立ち飲みの良いところが凝縮している。1時間ほどで退店して、18時。二人して1日一食程度しか食べないので、まだ食事はいらない。とりあえず、寒いよねとなり、彼氏のバイト先のビアバーを訪れることに。いつもの女性の社員さんがいらっしゃってて、店内もそこそこ混んでいた。自分はシードルを、彼氏はセゾンを頼み、この先行きたいところなどを話す。彼氏が静岡出身で運転できる人なので、とりあえず北上してうちゅうブルーイングには行きたいとなる。あとは彼の実家からほど近いらしい、WCBのタップルーム併設ホテルに宿泊するのも夢。フジロックにも来年は必ず連れて行く。二人してビールも音楽も好きだと行きたい場所が尽きない。稼がないとな。

一杯だけ飲んで店を出て、じゃあもう帰ろうかなと呟くと、「もう少し一緒にいたい」と言われ、すんなり了承した。このところの彼氏は出会った当初に比べてかなり甘え上手になった。理由を聞けば「安心する」らしい。自分自身もひどく幼いので、そんな自分にもわがままを伝えてくれるのは、しゃんとせな、と思う以上に嬉しいことだ。全面的に信頼されている。彼氏の家で夕食作りをしようとなり、スーパーへ寄り道。アラビアータのパスタソースとベーコン、玉ねぎ、それから缶ビールやチューハイ。同棲したらこれが日常になるんだね、と言うとくすぐったそうに笑っていた。

初めて彼氏の家に着く。10畳の広い部屋だが、機材や服やペットボトルが散乱していて「ちゃんと男の子だ…」と思った。大学生がユンケルを飲むな。しかし掃除はされているようで安心。夕食作り、一緒にやろうと言っていたのに、彼氏がテーブルセッティングをしている間に自分が全部拵えてしまった。まあ料理とも言えないような工程しかしていないけど。麺類よりも断然パン派だから、普段パスタなんて全く選ばないし、ただベーコンと玉ねぎを炒めて塩だけで味付けしてソースをぶっかけたようなものなのに、どんなビストロで食べるそれよりも美味しくて感動した。これが好きな人と食卓を囲む、ということだ。多分。

彼氏の高校時代の卒業制作のDVDを観て爆笑し、時間をかけながら食べ進めていると、23時半になった。顔を見て、愛してるよと言われてむずがゆくなった。仲良く歯を磨いて、同棲するならどの辺にしようかなんて言ったりして、そのまま寝落ちした。自分がこんなフェーズまで来るなんて誰も思っていなかったと思う。当然、自分でも驚いている。残り一年学生の身と共同生活、負担をかけない程度にはしっかり稼ぐなりしたい。二度目のロンドンも捨ててないし。

日曜、日記祭へ行くため自分の方が早く起床する。駅まで送るよ、と言ってくれたので、昼下がりのプチ・お散歩。彼氏の家の近くに豆乳専門店ができていて、持ち帰りで2本購入。黒ごまとあずき。豆乳ラバーにとっては堪らない店だ。これだけで吉祥寺に戻る理由になり得る。

彼氏に見送られて井の頭線に乗車。こんなに長くいたのも、二人で吉祥寺の街を歩くのも、初めての経験で頭がふわふわしている。浮かれてんね。週末働いていないことに少しだけ後ろめたさがあるが、今週と来週で挽回することを自分に誓う。下北沢で降りてボーナストラックへ。11時〜のマンスーンさんらのトークショーを聴きに行きたかったが、もう11時半を過ぎていたので中には入らず、スピーカー越しにちょっとだけ拝聴した。思っていたよりも人が多く、賑わっていて、良すぎるくらいの天候も相俟って文字通りお祭りの様相。うろうろしていたら、遠くに見覚えのある方からの視線を感じる。シクロさんだ。眼鏡を外されていたので一瞬わからなかった。駆け寄って、新刊を購入させてもらい、フリーペーパーも全種類受け取る。といきつくたび。『せめるひび』の語感から来ているのはもちろんだけど、「度」と「旅」の両方の成分がこのタイトルに込められているような気がする。シクロさんの文章はそれくらいに暑苦しくなく、同時に冷たくもない絶妙な温度がある。

Why____?の店前に置いてあるうちゅうブルーイング専用の冷蔵ケースを眺めると、探していたGEISHAが入荷していた!迷わず購入し、テラス席で新刊を読ませていただきながら休憩。ブラックベリーのどろっとした甘味。このところ、バナナちゃん以外のスムージーサワーを飲んでいなかったので非常に嬉しい。バナナも美味しいけれど、バナナ本来の甘味がきつく、タップで飲みながらも結構飽きてしまっていた。

飲み干して席を立つと、今度は日記。さんにお会いした。探していたところだったので良かった!こちらも日記本を購入させていただく。購入特典のカルパスも。このどっしりとした厚みと暖かな装丁のデザインはどこかで見覚えがあるなと思って、記憶を辿ったら自分が人生で最も好きなエッセイ、『眼球で呼吸』だった。元々学生の頃からTumblrをやっていて、その頃に相互フォローになった方のエッセイで、それこそ吉祥寺の『百年』で購入したのだ。日記。さんにお礼を伝えて、年明けに西荻窪会しましょう、と話す。仕事柄繁忙期がないし、東京住まいの身で正月に帰る理由もないので、皆さんぜひに、という気持ち。

最寄りへ戻り、コーヒー屋を一瞬だけ覗く。土曜の件でオーナーの健さんと話していると、「おたくの彼氏は安心できそうだね」と言われ、そりゃもう純度100%なんで、と自信たっぷりに返す。隣のパン屋に寄ろうとしたら珍しく長蛇の列。諦めて14時半に帰宅し、吉祥寺で購入した豆乳を飲む。粘度がものすごく高い黒ごま。ちゃんと飲んでない(スムージーを飲んでしまっている)からアレなんだけど、紀文のそれとは全然違う気がする。ねっとりしているが、全く甘さがない。後日また空きっ腹で飲んでみる。

購入した本を読み、疲労やらで眠気に襲われたが昼寝の誘いから抗って、18時にスーパーへ夕食の買い出し。遠回りしてもいつもより早い時間。飲みに出てもよかったが、翌月曜も親友のすなくじらと飲むので我慢していた。残り物を消費しながら色々作りすぎる。満腹になって、22時半には寝てしまった。