見出し画像

【日記】俺の方が俗世じゃ劣等

月曜、7時半ごろ起きる。まだまだ寝ていたくて8:50にアラームをかけたが二度寝せずにのそのそとベッドから出た。引き続き春の気温。春にうつを起こすという感覚が長年わからなかったけど、明らかに先月末からメンタルが乱れていて、感覚が「そちら側」に移行したんだなと思った。行きの電車内は通勤電車に乗り慣れていなさそうな新社会人を何人も見かけた。思えば自分は社会人生活で一度もスーツを着たことがない。これからも着る予定は多分ない。

会社に新卒が4人入った。今まで中途オンリーだったのでフレッシュかつ初々しさ全開。全員部署が違うというのがちょっと面白い。うち1人には早速来週自分の仕事現場に来てもらうことになる。うまいこと引き継がねばと思う。タスク過多で残業。自分の領域ではない仕事の先方への伝達ミスの責任をなぜか自分が負っている。退勤して副業先へ行ったが暇で終電より数本前に帰った。数年ぶりにIvy to fraudulent gameの『行間にて』を聴く。再録盤が月末にリリースされるらしい。

居心地の悪い空間を
流れてる不毛な時間を
終わりをただ待ち侘びてる
俺の方が俗世じゃ劣等

品性の無い会話をして
ヘラヘラと笑う彼奴に
侮蔑の目を向けようとも
恨めしさを孕もうとも
俺の方が俗世じゃ劣等

自分は中でも「劣等」が特に好きで、リリース当時はまだ19歳とかだったけど、その頃の自分は今よりもかなり逆張り型の性格で(専門学校を辞めてフリーターをしていたのもあり、中身が伴っていないにもかかわらず斜に構えた目で人や物事を見ていた)、今思えば死ぬほどダサくて恥ずかしいのだけど、この曲の歌詞を聴いてうわあそれだよそれ、と大共感していた。けれど、そのことを踏まえて27歳になる今改めて聴いてみたら、昨日の花見イベントもあってやっぱり同じ共感を抱いていたので根本は変わらないんだなと思った。他者とは違う自分への陶酔。でも世間一般からして見たら、「俺の方が俗世じゃ劣等」とマイノリティであることを自覚しなくちゃいけない。ださいよねえ、と呟きながら帰った。3時前に寝た。

火曜、出社。睡眠時間は足りていないものの昨日より格段に元気。いやな夢を見て寝汗をかいたが内容は忘れた。活字が恋しくて以前買った現代思想の恋愛特集を通勤用のトートに忍ばせ、満員電車の中で読みながら出社した。

タスク過多で悲鳴上げながら仕事。器用じゃない人間がいち媒体の編集者、ってやることと個人がちぐはぐだよなあと心から思う。同僚の高圧的かつコミュニケーション力や適応力の類を感じられない態度が気に食わず、きっとお互いに相性が良くないことを自覚していて、デスクが隣同士なのにここ数ヶ月会議以外の場で会話をしていないしチャットでのやりとりすらもほとんど送り合っていない。が、もう辞めるのであえて確認事項の連絡に対して「ありがとうございます!」「助かります!」とテンション高めでチャットの返信をしてみた。自分の後任で入る編集者がもしいたら頑張って欲しいと切に思う。

夕方に事務所を出て新大久保。一度、夏に本場のキムチが食べたいなと思って降りたことがあるけど、本当にその一回きりで普段馴染みがなく、若干引き気味でレンタルルームへ。すなくじらと国内ドリームポップの台頭である某バンドマンが監修しているアイドルの取材。SNSでは長年相互フォローの関係でいるけど、某氏と対面で話すのは初めて。とにかくデフォルトで声量の大きい人なのでライブハウスで出会すと一瞬で「あ、いるな」と認識できるのだが。本人たちもバンドマンだから表現者という括りで言えば当たり前なんだけども、事前の打ち合わせでかなりこだわり強い運営だな、と感じていたので緊張した。廃墟みたいな外観のルームだったがなんとかカメラマンの手腕によってなんとか事なきを得られて良かった。あと、運営の一人のMacの画面が指紋だらけになっていたのを見て「自分より画面汚い人いるんだ」と思って安堵した。

祭壇

22時すぎに解散、歩いて新宿駅まで向かい乗車。そこからまた一駅分歩いたので帰宅したのは23時すぎ。ローソンの春雨サラダに余っていたほうれん草と卵。疲労と春風に流されて換気扇の下で紙タバコ。低血糖の症状が収まらずしんどい。

ふっくらすずめクラブの体制変更が本人たちの想像を越して燃えているのを見て、そんなに?と思った。元々本家オモコロの妹分と別要素としての顔とのハイブリッドでやってるわけだし、本人たちの好きなようにやらせてあげればいいのでは。あと過大なお気持ち表明をしてしまう批評家気取りの厄介オタクがつくことをふっくらのメンバーは良いように思っていないと思う。彼らの人となりが示す通り、柔軟なチャンネルであってほしいんだけどな。コミュニティに投稿された連名での謝罪文を読んで不憫だと思うばかりだった。1時すぎに寝た。

水曜、前日遅かったのでその分遅れて出社しますと連絡を入れ、9時半頃にいそいそとベッドから出る。パスモを入れたケースがなかなか通勤バックから出てこなくて苛々。低気圧で情緒が落ち着かない。出社して午後は特にひどく、大あくびを絶え間なく繰り返してほとんど仕事にならなかった。デスクにレッドブルとコーヒー。カフェイン効かない体質なのに。気休めもプラシーボも虚しく、眠気をさますため何度もトイレに立った。

ライターになりたいよお、みたいな独り言じみた投稿を見かけると「なめんな」と思ってしまう。もちろんその人が本気で志願しているなら大いに結構、むしろ応援したいまであるのだけど、というかライターになりたいとテキストに起こす余裕があればどこかしらの媒体に自薦かけるなり企業面接行くなりした方が早いと思うけど。SEOや求人程度なら誰でも三ヶ月あれば覚えられる。ひとえにライター、といえども「どのライターを目指すのか」で辿るべきルートは全く違う。専門知識を活かすのか、リサーチ力を武器にするのか。自分はカルチャーメディアの編集をもう4年ほどやっていて、同じライター職を名乗っていながらも、人によってその差は大きく、また得意分野(筆致)も異なるということを身をもって感じている。編集者なめんな。これは自戒。

今までに感じたことのないくらいの低気圧の諸症状で倒れそうになりながら最寄り駅へ。副業はさすがに深夜まで働ける気力がなく休んでしまった。酒飲んだら覚醒するかもと思い肉麦に寄って、Jouzoのライムが仕込まれたビールを小グラスで飲んだが全く効果がなく、ふらふらしながらスーパーに寄り、何も考えられないまま適当に食材を買って帰った。こういう時は潔く既製品に頼るか寝るかすればいいのに、デフォルトが深夜のサラダチキンなどで過ごしているでせいか、無駄に作りたい欲が湧いてしまう。そうして出来上がった大量の野菜炒め。適当に味付けをしたらやたら濃かった。ビール飲んだら味がしなさすぎてコロナかと疑ったが、多分体が限界なんだろうなと悟った。野菜の総量で明日の体重が増えてしまうのが怖かった。けど残すのも嫌で全部綺麗にたいらげた。23時頃に文字通り気絶した。