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【日記】清々しいほどに

土曜、朝起きて恵比寿へ。副業先のサブ店を辞めたので新しいサブ在籍が欲しいなと思い面接に。「恵比寿のドトール」って言われても恵比寿駅周辺にはドトールが3店舗あるから困るんだが。一回お手つきをしてああ東口ってここか、とたどり着く。ホットコーヒーをごちそうになりながら2階の踊り場付近の席で面接をした。相手のオーナーは女性で韓国人(だけど日本語ペラペラ)。自分を見るなり「とってもかわいいねえ!いくつなの?20か21かと思ったよ〜」と褒めそやされる。それは言い過ぎでは?

自分はどこに出向いてもファーストで見せる外面がいいので、普通のアルバイトであってもナイトワークであっても面接で落ちることは(シフトの兼ね合いなどやんごとなき事情を除いて)まずない。まあ夜職界隈の仕事で面接落ちるなんてよっぽど態度が悪いか店のランク/コンセプトに見合っていないかだと思うけど。数十分話をして、採用にはなったけれど、バックが今の店より低く条件が厳しいのでやっぱり辞退しようかなという気持ち。ドトールを出て吉祥寺へ。


Aちゃんと駅前のサーティーワンで落ち合ってハモニカ横丁。あいにくの曇天だがレッツ昼飲み。てっちゃんでラム串とジョッキのアサヒ。住んでいた当時はまだ今ほどの十分な収入がなく貧乏だったから、てっちゃんに行っても酒だけ、とか足しても冷奴程度、とかだった。それが今は600円するラム串を意気揚々と。大人になるということだ、多分。

誕生日おめでとうと渡したWHのパイントグラス、大変喜んでくれたみたいで良かった。やっぱりピンクのロゴがフェミニンなAちゃんの雰囲気に似合っていて可愛い。自分も欲しいくらいだ。転職初日を終えたAちゃんの話を聞き、2〜3杯飲んで会計。『プラットスタンド酛』へ。インスタで見かけて気になっていた果実酒を見せてもらい、数種ある中から自分はマンゴー、Aちゃんはラフランスを注文。びっくりするほど癖がなくまろやか。ボトルで欲しいくらいの美味しさだった。せっかくなのでと花陽浴のおりがらみも小さいサイズで追加。数年ぶり、それこそコロナ前ぶりに日本酒を飲んだ気がする。日本酒といえば中野に住んでいた頃足繁く通っていた『ちょい虎』(数年前に閉店)だ。スタンディングでお安いながら利き酒師の若い店長がサーブする日本酒と逸品の数々には心底魅了された。BBQイベントなどにも参加させてもらったが、気づけば店は閉店し、店長は横浜の高級鮨屋で再出発を図っていた。皆どこに行ったんだろうか。

2杯飲んで会計。店長らしき人に「今日はもうべろべろコースですねw」と唆される。これが見事な伏線回収になることをこの時はまだ知らなかった。3軒目、サンロード奥に少し歩いてCBMのペニーレーン店へ。エスニックなフライドポテトやらなんやらをつまみながらゴーゼやヴァイツェンを頼んだ。この時間でこれだけ飲んでいるのは吉祥寺で我々だけだ。生き急いでいるという感じがする。店を出て駅まで戻る道すがら、横丁内の立ち飲みを覗く。彼氏の友人がスタッフとして入っている日で、かつこの日は誕生日イベントということで、なんでも好きなの飲みなよと言ってテキーラをあげた。少し歓談していると後から彼氏が入ってきたが、酒が入った状態では喋る気になれなくてAちゃんを挟んで距離を置いた。日が落ちて寒くなり、1杯だけ飲んで吉祥寺を後に。

京王線に飛び乗り八幡山の『NOVUS』へ。二人ともグーグルマップにピンを刺していたということで意見が合致。駅から徒歩2分もかからない場所だったけれど隠れ家的で薄暗くおしゃれな内装だった。バテレのサワーIPA?(記憶が曖昧)で飲み直し。我ながらよく飲んでいると思う。ウフマヨと名物のハンバーガーを頼んだ。少し早い夕餉。こういうグルメバーガーを食べたのは夏の終わりに西新宿の『BEERBOMB』で食べたっきりだ。あの時は量が多く(というかその前に飲みすぎていてお腹がある程度満たされていた)苦しくてトイレで戻してしまったけど、NOVUSのハンバーガーは前に飲んでいてもするする入って美味しかった。相席したおばさんとオーナーと歓談して会計。タクシーでコーヒー屋へ行き、雪崩れ込むように入店し、スムージーサワーを〆にして解散した。日本酒、国産ビール、クラフトビール、テキーラ。明らかにキャパ超えの量を飲み、久々に羽目を外した。けれどそれができるのは飲食のセンサーが合致する相手といるからだろうなと思う。もう何時だかわからなかったが、家に帰るなり服を脱ぎ散らかして倒れ込むように寝た。

日曜、べこべこに二日酔いで起床する。家の中のあらゆる水(あらゆる水?)を飲み干した。買い置きしていた豆乳も一瞬で飲んだ。無意識に過食スイッチが入っていて空の容器が机に置かれているのを見届け、「昨日の朝は完璧にしようと思っていたのに情けないな」と後悔しながらごみ箱に棄てた。自分の計画通りにならなかった瞬間にとてつもない嫌悪と哀しみが生じる。気を取り直す意味で化粧をして、正午にコーヒー屋へ寄った。二日酔いだけどスムージーサワーはむしろ入る。

着くと、健さんが80個目のナンを焼こうとしている最中だった。トースターの中を凝視して見届ける客とオーナー。すると、ぷく〜と膨らみ風船のような大きさに。「来た!」と歓声が上がり、熱々の生地を服の裾で取り出す。中が若干半ナマっぽく、ポケット部分がくっついてしまい開き切っていなかったが、概ね完成形と言えるナンができた。健さんと二人で大喜び。図らずも奇跡の瞬間に立ち会ってしまった。にしても木曜から作っていて日曜までの3.5日で80作目て。

その後、珍しくぞろぞろと常連が大集合して、皆で試作のナン+お手製のハリッサ、フムスをディップして食べる。もちもち生地が好みの自分にとってはめちゃくちゃ美味しかった。フムスも日本人好みの調合でビールが進む。来週末には提供できるかな、と言っていた。まだファラフェルのコロッケがぼろぼろになってしまっていて未完成らしい。

14時半にいそいそと帰宅。春らしく良い天気だった。イギリスに行くこと、あの店からの景色を観られなくなるのが唯一、何よりも惜しい。中央線沿線しか知らなかった自分にとって、この街と店と人にはずいぶん色々な刺激をもらった。今もまだ痩せ信仰の中から抜け出せないでいるけれど、外に出て沢山の人と交わりながら飲む、という、ある種大人の食育をさせてくれた街だし店だし人だ。特にあの店には、一年後も二年後もなくならないでいてほしい。残りの期間は極力足を運びたい。

15時に彼氏が家に来た。今後の付き合い方について話し合いをした。顔を見ると自分の本心を吐露できない気がして、あやうくあの人のことを喋ってしまいそうで、顔を見ずに話した。まあこの日記が見つかるのも時間の問題かもしれないけれど、本音は変えられないので、その時はその時だなと思うしかない。温かい豆乳を啜っていたら眠くなってしまって、彼氏を巻き添えにして昼寝した。起きると18時。泊まりたそうだったが、今日は一人で過ごしたくて、彼氏をスーパーの前まで見送った。土日のどちらかはアクティブで、どちらかは一人でひっそりと過ごしたい。夜に鶏胸肉をレンジで蒸して塩で食した。まだ何も準備していないのに色々な人に行くよと言っていて急に不安が過ぎる。わけがわからないまま寝た。

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