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「トンネルを撮りたくなる」ポイント5選〜トンネル好きドボジョのスマホ画像から

私はトンネルの建設に携わったことがある土木技術者です。

私のスマホには数々のトンネルの写真が保存されています。どちらかというと地味で記録写真のような写真たちですが、「これは撮らなアカン!」と思って撮っています。

私が「トンネルを撮りたくなる!」ポイントをいくつか、ご紹介します.


■「トンネルを撮りたくなる」ポイント1:トンネルの断面形状

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(清水谷戸トンネル(JR東日本,横浜市)保土ヶ谷駅~東戸塚駅間)

例えば、現存する最古の鉄道トンネルである清水谷戸トンネルは、左の上り線(明治20年)と右の下り線(明治31年)で形が違います。

力を分散させるためにできるだけ円に近い形にしたいものの、掘削ボリュームはできるだけ減らしたい、というせめぎあいの結果であり、技術者のロマンを感じます。


■「トンネルを撮りたくなる」ポイント2:ホームとトンネルの境目

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(トンネル名不明(大阪メトロ,大阪市)梅田駅構内)

ホームから見えるトンネルって神秘的。

鉄道トンネルは暗くて中が見えにくいし。普通の人が入れる範囲からはトンネルを正面から見ることができないもどかしさが,神秘性をさらに高めてますよね。


■「トンネルを撮りたくなる」ポイント3:覆工コンクリートの天井部分

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(トンネル名不明(水資源機構,秩父市)滝沢ダム)

トンネルの中から見えるのはほとんどが「化粧巻き」とも呼ばれる,力学的な機能を持たないコンクリートです。

特に天井の部分はアーチになっているし、コンクリート打設孔の位置が限られているしで施工時には苦労するんですが、その苦労の跡がそのまま残っていて、人間味が感じられて一気に親近感が湧きます。


■「トンネルを撮りたくなる」ポイント4:古いトンネルの面構え

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(天城山隧道(国道,河津町~伊豆市))

トンネルの顔のことを「トンネルポータル」「トンネル坑口」と言いますが、現代のトンネルのシャープさも素晴らしいものの。やはり古いトンネルの重厚な面構えは素敵。

さらに石造りの場合、道が不便だからこそのトンネル建設ということ選ばれた石たちにもストーリーがある…と想像すると、わくわくしますよね。


■「トンネルを撮りたくなる」ポイント5:トンネルの近接具合

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(加嘎隧道(拉萨机场高速,拉萨市))

砂遊びで砂山を作ってトンネルを開けた後、隣にもう一本トンネルを掘ろうなんて,普通は思いません。だから2つ以上のトンネルが近い距離にあると,ドキドキします。

吊り橋効果が見込めるので,近接トンネルを望むスポットはきっとここぞという時に使えます。


トンネルを撮りたくなるポイントは,まだまだ他にもたくさんあります。無機質に見えるトンネルに生命を感じたらこれからもシャッターを押したいと思います。


文責:M.H
ゼネコン勤務.どちらかというと地盤屋さん.日常に潜む土木や古い建物を見つけ出すのが好きです.