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ローランサン展と佐伯祐三展をハシゴした話

前回の「エゴン・シーレを見に行った話」の翌日は早起きできたので、勢いに任せて企画展2つをハシゴしました。

まずは数年ぶりに訪れた渋谷にて。

これはチャンスがあれば見たいと思っていたのです。
(ただしローランサンのことは、「ギヨーム・アポリネールの恋人であった画家」という知識しかありませんでした。)

ところが、彼女の初期作品にはキュビズムが感じる!
プロフィールを見ると…
1903年アカデミー・アンベールに入学
その後、早速ジョルジュ・ブラックに出会っています。
すごいな!本当にみんなキュビズム描いてんだな!!

「日よけ帽をかぶって立つ女」1912年
この頃はまだローランサンの柔らかい輪郭がない
でも私はこの頃の鋭角に曲がる関節も好きです
帽子、すごいですね….

展覧会はローランサンと同い年のこの方もクローズアップされています。
ガブリエル・シャネルです。

「マドモアゼル・シャネルの肖像」1923年
シャネルはこれの書き直しを要求し、マリーは拒否。
結局、シャネルは受け取らなかったらしく…

この肖像画を巡って、二人の関係性は微妙な感じになってしまったようです。
それでも、二人を囲むパリ社交界は、結局繋がっているんですよね。
広いようで狭い社会。
今にも通じるところがあるように思いますが、当時を見て面白いと思えるのは、登場人物がみんなビックネーム。
ピカソもコクトーも、ミシア・セールやマン・レイ、ブルジョア階級もバレエもファションも。
狂乱の20年代のパリに、皆が欠かせないエッセンスだったのですね。
気がつくと夢中になれた企画展でした。

それにもう1点。
Bunkamuraザ・ミュージアムは今回初めてでしたが、開場前から入館まで、流れるような案内と一人一人の丁寧な接客。
脱帽でございました。

マリー・ローランサンで華やかな20年代パリを見た後はこちら。

ぶらぶら美術博物館で紹介されて、「絶対東京会場で見たい!」と思っていた佐伯祐三展です。
こちらも初めて訪れる「東京ステーションギャラリー」。
建物自体が重要文化財で、むき出しの煉瓦造りに歴史と風情を感じます。
ここで佐伯祐三の絵に浸るというのも、雰囲気マシマシの良い経験です。

そして1日で2件ハシゴした感想ですが、
同じ20年代、しかも同じパリ。
こんなに違うもんですか!?!

午前中見ていたローランサンのパステルの世界とまるで違うんですよね。
当たり前のことですが、実際に見ていくとかなりショック。
言葉にし難い感情になりました。

佐伯祐三の生涯は30年。
病弱な体に無理を強いながら、画業に向き合ったのでしょう。
最晩年のフランス滞在の絵からは、病身であると思えないくらいの力強さを感じるとともに、まさに命を削って創作していたのだろうと想像することもできました。

佐伯祐三のことはきちんと知りたいなと思っていたので、今回は図録を購入。
そしてオーディオガイドもアプリで初購入!
ガイド役はご存知、有働由美子さん。さすがの仕事っぷりです。
アプリなので、家に帰ってからも聞き返しています。
ちなみに有働さん、大阪北野高校で佐伯祐三の後輩。
ということは我らが五郎さんの後輩。
やっぱり、最後は先生に戻ってくるのです。笑

一日中美術館にいたので、視力の遠近感がぼーっとしましたが、二日間で3つの展示を見れて、超満足の週末となりました。
帰りの新幹線では、もはや恒例になってきたシウマイとビール。

次のお出かけは桜の時期かなと思いますが、その頃には京都芸術大学へ入学しています!
久しぶりの大学生活(通信課程だけど)。
今からとても楽しみです。
今回の週末の経験も、何かの糧になればいいなと思うのりおなのでした。


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