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鹿島アントラーズ戦マッチレビュー?〜Your Song〜



僕はよく「もし僕がこの職業に就いていたら…」なんて、妄想をすることがある。


そんな妄想始めると僕の頭の中には言葉や、情景がどんどん出てきて、頭の中に理想の世界が作り上げられていく。



例えば、ミュージシャン。



ギターは買ったきりだし、ウクレレはまだ買ってないし、ベースは友だちにあげちゃったし。結論全然音楽的な能力は持ち合わせていないのだが、妄想の世界では日本有数のミュージシャンになる。



では、少しだけみなさんを僕の頭の中の世界へご招待しようと思う。それでは、振り落とされないように。




ここはどこだろう。東京ドームだろうか。


単独ツアー、会場は満員だ。


ライブは順調に進み、アンコールも大盛り上がり。遂に、この日最後の一曲を演奏することになった僕。


僕「今日はどうもありがとう。最高の夜だよ。本当に最高だよ。次の曲が、最後の曲になります。」



会場「エ〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!」


僕「(ちょっと笑いながら)ありがとう。そのみんなの想い、この曲にぶつけます!!!!!さぁ行くよ!!!!!(花道へ駆け出す)(音速のスピード)(コーナーで差をつけろ)」





いや〜、やってみたい。めちゃくちゃかっこいい。こんな感じなのに出待ち客に対するファンサとかはめっちゃ素っ気ないタイプ。いや〜、やってみたい。憧れる。




でも、この妄想は少しリアリティに欠ける。何故なら僕は音楽的な才能は持ち合わせておらず、ミュージシャンが実際にどんなルーティンでライブを迎えるのか知らないからである。



もう少し、リアルな妄想の方がイメージが膨らむ。



そう。サッカー選手。




試合が終わる。この試合は、どうやら僕のゴールで勝ったみたいだ。



インタビュアーが僕に問いかける。


インタビュアー「放送席〜。そして、等々力陸上競技場にお越しの皆さん。本日のヒーロー、とぅもねば選手です!!!!!」


僕は、満更でもない表情でニヤニヤとしながら軽く会釈をする。


インタビュアー「本日は2ゴールの大活躍です!まずは1点目、振り返ってみて如何でしたか?」


僕「そうですね。家長選手から素晴らしいボールが来たのでオーバーヘッドで叩きつけるだけでした。家長選手に感謝したいです。」


味方を立てつつ、あくまで俺が凄いんだということを強調していく。



インタビュアー「先制の後、チームが同点に追いつかれてしまう訳ですが、あの時の心境は如何でしたか?」


大体、僕の妄想の世界では一度ピンチが訪れる。


僕「そうですね。僕のヒールキックでのバックパスが失点の起点になってしまいましたが、計算通りでした。もう1点取れる自信があったので、見せ場をつくってやろうと。そういう気持ちでした。イメージ通りに失点してくれた時は、少し笑みがこぼれてしまいました。」



お前戦犯やで。


インタビュアー「なるほど。(困惑)…そして、AT弾。またも決めたのはとぅもねば選手でした!あの時の心境をお聞かせk」


僕「(食い気味に)ありがとうございます。大島選手から素晴らしいボールが来ましたので、あとは落ち着いてジャンピングボレーでニア角をぶち破るだけでした。シュートに集中できたと思います。」



定番手段、味方を立てつつ自分の凄さを強調。


インタビュアー「ありがとうございます。(呆れ顔)最後に、サポーターの皆様に一言お願いします!」



僕「もっと応援してください!!!もっとインスタにコメントください!!!!!もっとチヤホヤされたいです!!!!!!!」



…おっと、欲まみれのインタビューになってしまった。


とまぁ、こんな感じでぼーっと頭の中で妄想をすることがある。


もっとも、願っても考えても僕はミュージシャンにもなれないしサッカー選手にもなれない。


だからこそ、今日もそんな"憧れ"の彼らを追い続けるのである。


スタジアムに行く理由としては、十分すぎるものである。


昨年はアウェイサポーターの来場が叶わなかったカシマスタジアム。2シーズンぶりである。


そしてこの天気。晴天以外の言葉が似合わないくらいには空が青い。いや、碧い。

(なんとなくフロンターレ感を含ませる言い換えをしてみたが、特に深い意味はない。後付けしようとしたけど思いつかなかった。)



カシマスタジアムに着いてまずやることと言えば、そう。食料調達である。





カシマスタジアムのスタグルは本当にどれも美味しく、そして何より安い。めっちゃ安い。

この大量にハラミが投入されているハラミ飯、何と700円。このクオリティなら大手チェーンの牛丼屋でももう少し高値に設定するに違いない。


2年ぶりのハラミ飯、実に美味であった。


さぁ、続いてはモツ煮。カシマスタジアムにはモツ煮がめっちゃ売っている。半径1kmに於けるモツ煮販売率を算出したら、間違いなくカシマスタジアムが日本一であろう。そのくらいモツ煮を売っているお店が多い。


その中で、僕が密かに気に入っているモツ煮が"ゆがふさん"の"トマトモツ煮"である。



競合他社と一線を画す味付け。斜め上の発想。最初に目にした時の感想は「えっ、マジ?であった。」

2019年の鹿島戦だっただろうか。それまで普通のモツ煮一択だった僕は、バックスタンドで異彩を放っているトマトモツ煮と遭遇した。



その瞬間、頭の中ではポケモンのゲームで野生ポケモンと遭遇した時のバトル開始音流れた。



トゥルルルルルルル…



やせい の もつに が あらわれた!



とぅもねば は どうする?



かえんほうしゃ
ハイドロポンプ
そらをとぶ
れつにならぶ←



とぅもねば は れつ に ならんだ!




こうか は ばつぐんだ!


とぅもねば は もつに に ほれた!




と、こんな感じでトマト×チーズ×モツ煮の相性の良さに惚れ込んだ。



カシマスタジアムでオススメしたいスタグルは沢山あるが、個人的にはこのトマトモツ煮をオススメしたい。



そんなこんなで、お腹がいっぱいになったところでゲームがキックオフ。




知念弾!旭弾!!


ミッドウィークのマリノス戦に敗れ、3年ぶりに4失点を喫し、今節負けたら4年ぶりの連敗とメディアに煽られて必要以上に傷付いている世界最高ファンタスティックフットボールクラブ川崎フロンターレのスタメンは


GK ソンリョン


DF 佐々木 谷口 山村 山根


MF 橘田 チャナティップ 脇坂


FW 小林 知念 家長



逆転負けを喫したマリノス戦から3名のスタメン変更。序盤でこれ以上躓きたくない我が軍の戦いが始まった。



試合は、想像以上に早く動く。



前半1分、高い位置で知念がボールを奪うとそのまま左足一閃。早々に先制に成功する。


知念の素晴らしいプレスと、自身でもぎ取り切ったゴール。

昨年の春先にプレスの掛け方で怒られていた知念はもうそこにはいない。


現地で見ている人は鳥肌が立ったであろう。
スタジアムで感じた彼の成長は、いよいよ川崎のエースに名乗りを挙げる。そんな雰囲気すら感じられたはずだ。



なお、キックオフ2時間前にカシマスタジアムに着いていた僕が知念ゴールの瞬間にみていた光景がこれだ。


開始30分くらいまで試合動かんやろ。飯食お飯。


という"気の緩み"からハム焼きの待機列に並んでいた。


僕が自身の経験を持って、皆さんにこう忠告したい。


スタジアムに行ったならば、キックオフ時刻には席についていよう。



という訳で、自席に着いた頃には1-0になっていたため、知念のゴールだと知らせてくれたのはピッチ上のファクトではなく、電光掲示板であった。

ありがとう電光掲示板。ありがとう電気。エジソンマジ半端ねぇ。



得点以降、僕は自席へと着くわけだが川崎の攻勢は弱まる気配がなかった。


6分には敵陣へ押し込んだところから、ボールをグッと持ち出したチャナティップがミドルショット。こぼれ球に知念が反応するも鹿島GKクォン・スンテのスーパーセーブ。

川崎に追加点を与えない。



このシュート以降も川崎が押し込む時間が続く。



14分、鹿島のバックパスが短くなり、ビルドアップを捨てたクォン・スンテが大きく蹴り出して川崎ボールに。


このシーンが象徴しているように、この日のピッチはほとんど水が撒かれておらずボールが転がらない印象であった。


しかし、川崎はピッチコンディションを見ての判断なのか、はたまた今季の狙いなのかは分からないが、長めのパスを意識的に差し込んでいる印象。


ゆっくり最終ラインで回すのではなく、中盤に早めに差し込みサイドでトライをして、ダメならやり直す。そんなシーンが多かった。


昨年のACLで劣悪なピッチ環境、とんでもない過密日程の中、異国でゲームを闘ってきた経験はこういうところにアウトプットされているのかもしれない。ここはゲームを見ていて感じた点である。


贔屓チームではあるものの、正直もう少しこのピッチコンディションに苦戦するシーンが散見されると思っていた。


このマイボールからの流れで、15分に家長の内側を駆け抜けた山根のクロス→ニアで脇坂。


惜しくもゴールとはならなかったものの、直後のCKで山村がすらしたボールを佐々木旭が豪快ショット。



プロ初先発のゴールで、追加リードの奪取に成功する。


リーグ戦初先発のSBと言えば、今や川崎の顔となった谷口キャプテンを彷彿とさせる。鮮烈な嘉人へのアシストはその後の成功を約束しているかのようであった。


見事に得点を奪ってみせた佐々木。30〜40mのパスと、踏ん張れる対人守備が魅力だと思っていたが点まで取れるとは。牛丼大盛り汁だくカレーセットみたいな欲張りっぷり。



知念、佐々木のリードを持って川崎は前半を2-0で折り返す。



躓いても、倒れない。



後半、鹿島は選手を2人替えてピッチイン。


鹿島が攻勢を強めてきた。

46分には後半から投入された三竿を中心にカウンターアタックも、ここを防ぎ切ると逆にカウンター返し。


シュートまで持ち込むことは出来なかったものの「攻め込まれても、跳ね返すよ?なんならこの力使って逆に攻撃しちゃうよ?」といった一体感を感じることが出来た。



しかし、このシーン以降鹿島がジワジワと攻勢を強めていく。


50分に鈴木優磨のクロスを佐々木の前で奪った樋口が至近距離から決め打ちショット。


このボールはクロスバーのわずか上を超えていったが、シュートが入っていてもなんらおかしくないシーンであった。



何としてもゴールが欲しい鹿島はエヴェラウドを投入し、ゴール前に厚みを作っていく。


72分にはクロスにエヴァラウドが飛び込むも、ここは川崎ハイタワー山村和也がセーフティにカット。




前半のイケイケムードとは打って変わって、鹿島の猛攻を凌ぐ後半となったが、ここで崩れないのがこの日の我が軍。



躓いても倒れないといったようなシーンの連続で、全員でゴールを守っていく。



フルタイムまであと10分ちょっとになったところで、「あなたのハートをジョガムイト」でお馴染み、レアンドロ・ダミアンさんが重役出勤。


まるで鹿島のお株を奪うような敵陣ペナ角でのボールキープ、そしてしゃかりきジョガムイトプレスを発動。渾身のガッツポーズ付き。



後半は苦しい展開となったが、前半に奪ったアドバンテージをそのまま生かす形で勝利。



連敗することなく、確かな手応えと勝ち点3を獲得した。








次節に向けて


マリノス戦の大逆転負けから中2日で迎えたこのゲーム。


マリノス戦の閉塞感や、どこか軽い印象を受ける対人守備はどこへやら。ピッチに立っていた選手たちは間違いなく戦っていた。闘っていた。


ゲーム後の山根のコメントに、次のような一言があった。


>横浜FM戦が終わって、オニさんがもう一度自分たちが何を徹底してきたかを思い出して、自分たちのやり方に自信を持とうと話していた。





「自分たちが何を徹底してきたかを思い出す。」




この一言は、言葉以上に鬼さんの覚悟が現れた一言のように感じた。



2017年シーズンから始まった鬼木政権。あのシーズンから、幸せなことに毎試合タイトルを獲得してきた。


ユニフォームの胸に輝く6つの星は、決して美しいフットボールでユニフォームを汚さずに勝ち取ったものではない。


みんなで身体を張り、球際に拘り、プライドを持って掴んだ6つの星なのである。



川崎フロンターレと対戦するチームは、川崎の技術の高さや組織力を警戒する。



でも、我々は知っている。



このチームの"本当に強い"部分を。



2016年まで何一つタイトルを取れなかったチームが突然6つのタイトルを獲得出来たのは、決して偶然ではないということを、1番近くで見てきた我々は知っている。



それは守備の部分であったり、球際の部分であったり、鬼さんがよく口にする「最後のところ」という部分であったり。



そんな"泥臭さ"こそ、このチームの本当の強い部分であり、コアなのである。僕は、そう感じでいる。






話を少し変える。


サポーターをやっていて、1番嬉しい瞬間はいつであろうか。



ゲームに勝った瞬間、タイトルを取った瞬間、応援している選手が活躍した瞬間。



様々であろう。



僕にも、サポーター冥利に尽きるなと思う瞬間がある。


それは、所属している選手が"川崎フロンターレ愛"を語った瞬間である。



僕が大好きな川崎フロンターレを、選手も同様に大好きなんだ。愛してくれているんだ。


そう思うと、大袈裟ではなく涙が出るほど嬉しい。



ふとした瞬間に 同じこと考えていたりして
また時には 同じ歌を口ずさんでいたりして
そんな偶然が 今日の僕には何よりも大きな意味を持ってる 
そう 君じゃなきゃ


Mr.ChildrenのYour Songという歌。


ふとした瞬間に、僕の好きな川崎フロンターレを選手もまた好きでいてくれたり。


また時には、川崎フロンターレのチャントを口ずさんでいたり。


些細なことと言ってしまえば、些細なことだ。


でも、僕にとっては大きな意味を持っていたりする。


それが、僕なりのサポーター論だ。


フロンターレが勝つに越したことはない。


けど、決して表面では見ることのできない、数字や言葉では表すことの出来ないもっともっと深い場所で、僕は川崎フロンターレを必要としている。




そう。君じゃなきゃ。


そう。川崎フロンターレじゃなきゃ。




そんな思いを抱きながら、カシマスタジアムを後にした。


こうやって、スタジアムに足を運べることに感謝をしながら。



川崎フロンターレを間近で見れることに、本当に感謝をしながら。








ちなみに、前半に諦めたハム焼きは試合終了後に無事回収しました。


勝利後のハム焼きもまた、絶品。



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