砂鉄サンプル8種(背景は1ミリ方眼)

画像1 鳴砂で有名な島根県大田市にある琴ヶ浜で採取した砂から砂鉄を磁石で集めました。この浜は石英と長石の細かな砂が殆どで、砂鉄は少いのですが、雨上がりの朝に行くと、砂の上にうっすらと黒い幾何学模様が見えました。日本海で相当揉まれているようで、鳴砂と同様、とても細かい粒になっています。
画像2 神奈川県鎌倉市にある稲村ヶ崎の西側の真っ黒な浜で採取した砂から砂鉄を選別しました。半分以上が砂鉄ですが、磁石を近づけると一斉に勢いよく集まってくるので、磁性のない砂鉄以外の砂粒が混じってしまいます。粒の細かいものが多く、プラ系の容器だと静電気でくっついてしまう場合があります。
画像3 神奈川県大磯町にある北浜の西湘バイパス下で採取しました。海から100メートルくらい離れていますが、直射日光を避けられる場所で磁石を用いて時間をかけて採取しました。黒くないものが目立ち、磁性のない粒も含まれていますが、白っぽくても磁性のある粒も少なくありません。マグマの近くの高熱の中で変性し、磁鉄鉱とそれ以外の鉱物が溶けて一体化したのではないかと思います。
画像4 神奈川県横須賀市の観音崎灯台から南西に行ったたたら浜近く(博物館の海側で人の少いところ)で採取しました。「たたら」と名が付いているので、かつては製鉄のための砂鉄を大量に確保できるほどであったのかもしれません。
画像5 神奈川県横須賀市にあるソレイユの丘から海に下る階段があり、浜からやや離れた草の生え際あたりで採取しました。黒い粒の大きさが不揃いであるところがここの砂鉄の特徴です。ここの地層が海底火山の近くだったのではないかと考えています。小さい粒は遠くまで流れていきますが、大きい粒はあまり遠くに行けないと考えられるからです。他の砂粒の大きさにもばらつきがあります。ここの浜は礫岩の地層になっています。
画像6 新潟県糸魚川市にあるヒスイ海岸で採取した砂です。全般に粒が大きく、純粋な黒い砂鉄が見られず、地下の高温高圧の中で変成作用を受けた鉱物が砕けて砂となったものがほとんどのようです。磁鉄鉱を含む粒が磁性を示しますが、概して磁性は弱い傾向にあります。
画像7 山梨県の甲斐大和駅から川沿いを歩き、砂を採取できるところまで行きました。金色にキラキラ輝く粒が見え、まさか砂金ということはあるまいと思って調べたところ、黄鉄鉱(愚者の金とも言われる)のようでした。画像の中にも金属光沢のあるものが含まれています。強い磁性があり、自らピンセットにくっついていきます。地質図では花崗閃緑岩のとなっています。富士山北側の大規模で複雑な地殻変動にさらされたあたりではないかと思います。
画像8 香川県小豆島の北側にある大部港近くの砂浜で採取した真砂から磁性のあるものを選別しました。大阪城の石垣を作るために切り出された花崗岩がベースとなる砂です。火山の深いところでゆっくりと冷えてできた花崗岩ですから、磁鉄鉱も色々な鉱物と一体化しているのでしょう。

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