SUNDAY, MAY 07, 2023 - 11:30 AM   Brian McGlinchey

バラク・オバマが大統領に選ばれたのは、
米国で奴隷制度が廃止されてから約143年後のことである。
2008年、シカゴのグラントパークで行われたオバマの選挙演説に
涙を浮かべるアフリカ系アメリカ人たちは、アメリカ初の黒人大統領が
アフリカに奴隷制の遺産を残すとは誰も想像していなかっただろう。

しかし、帝国的な傲慢さ、憲法が定める行政の戦争権限の抑制を無視し、
虚偽の手続きをとった結果、まさにその通りになってしまったのである。

2011年、オバマ大統領は、ヒラリー・クリントン国務長官や
他の少数の顧問に後押しされ、数ヶ月に及ぶ一連の空爆を命じ、
NATOが支援する政権交代作戦を促進し、リビアの指導者
ムアンマル・カダフィを失脚させた。

カダフィの追放は、自由民主主義と繁栄をもたらすどころか、
2つの対立する政府とさまざまな民兵が権力を争うという、
この国の分裂をもたらした。
オバマの政権交代は、アフリカの黒人に与えた最大の悪を伴う、
継続的な混沌の時代の幕開けとなった。

人種差別とカダフィによるサハラ以南の黒人傭兵の利用が相まって、
殴打、レイプ、リンチなどさまざまな残虐行為の対象とみなされた
黒人に対して、広範な残虐行為が行われるようになったからです。

トルコ人の建設作業員はBBCに、
「私たちの会社では、チャドから来た70～80人が働いていました」
と語った。彼らは剪定ばさみや斧で切り殺され、
襲撃者は『お前はカダフィに兵力を提供している』と言った」。
スーダン人も虐殺された。私たちはそれを自分の目で見たのです。"

ある反乱軍のグループは、道端の落書きで
「奴隷を粛清する旅団、黒い肌」と美化されていた。
それは、タウェルガの町に住むような、
リビアの奴隷の子孫である黒人のことを指している。
かつて3万人が住んでいたタウェルガは、
民族浄化されたゴーストタウンと化すほど略奪され、
住民に暴行を加えられた。

カダフィの死から6年後の2017年、CNNは、
オバマの政権交代の結果、
黒人に押し付けられている不幸の新たな、想像を絶する局面を捉えた：
CNNは、リビアで開催された2つの野外奴隷オークションの映像を
放映したのです。
リビアで開催された2つの野外奴隷オークションの映像を放映した。
「農作業用の大きな強い男の子」とオークショナーが言った。
黒人3人組が1人400ドルで落札された。

止まっていない。
先月、国連は、3年間の調査で「恣意的な拘束、殺人、レイプ、奴隷化、
性的奴隷、超法規的殺人、強制失踪」がリビアで「広く行われている」
ことが分かったと報告した。

オバマの戦争権力偽善
2007年の候補者時代、オバマは大統領の軍事的権限の限界について、
ボストン・グローブ紙に「大統領は憲法上、国家に対する実際の脅威や
差し迫った脅威を阻止できない状況で、一方的に軍事攻撃を許可する
権限を持っていない」と明言した。

しかし、大統領となったオバマは、議会の承認なしに国防総省に
リビアへの空爆を命じることで、こうした確約を裏切り、
大統領としての宣誓を破った。

オバマ政権は、常識に対する正面からの攻撃として、交戦は爆撃に限られ、リビアの軍隊は報復する立場にないため、米国は「敵対行為」に
従事しておらず、戦争権限法は適用されないと冷淡に主張した。

この介入は、ヒラリー・クリントンや国家安全保障会議の「人道的タカ派」サマンサ・パワーのような人物によって支持されたが、オバマ政権では、
当時のバイデン副大統領、国防長官、合同参謀本部議長、
国家安全保障顧問、副国家安全保障顧問など、多くの人物が反対した。

ロバート・ゲイツ国防長官によれば、リビアでの戦争に突入するという
オバマの決断は、基本的に翻弄されたものだったという。
ゲイツ長官はYahoo Newsに、
「大統領は、51対49という、これまでで最も緊迫した決断だった
と話していました」と語っている。

もちろん、オバマ候補が明確に説明したように、
この決断は彼が下すべきものではありませんでした。

オバマの決断が信念に欠け、
多くの罪のない人々に悲惨な結果をもたらしたことは、
オバマが憲法に忠実であるべき理由を明確に示している。

ジェームズ・マディソンが1798年にトーマス・ジェファーソンに宛てた手紙にあるように、「憲法は、あらゆる政府の歴史が証明しているように、
行政府が戦争に最も関心を持ち、最も戦争に陥りやすい権力部門である
と仮定しています。それゆえ、憲法は細心の注意を払って、
戦争の問題を立法府に委ねてきたのである"

議会がゴーサインを出したかどうかは疑わしい。
オバマが空爆を命じる1週間前に発表されたピュー・リサーチの世論調査では、63％のアメリカ人が、アメリカには
「リビアでの戦闘について何かする責任」がないと感じており、
77％が "リビア防空圏への爆撃 "に反対していた。

オバマ大統領のリビアの決断に対する "51-49 "の特徴は、
別の意味で非難を浴びている。
これは戦争犯罪の告白にほかならない」とスコット・ホートンは
『イナフ・オールレディ』Enough Already: Time to End the War on Terrorism
の中で主張している：
テロとの戦いを終わらせる時だ。
「大統領は、不必要で攻撃的な戦争を始めたことを認めたのであり、
アメリカの法律と同様に...国際法の下でも犯罪である。

虚偽の口実で行われたもう一つの介入
憲法違反に加えて、オバマ大統領のリビアでの惨事は、一見すると
すべての米国の介入と同様に、偽りの口実で進められた。
この場合、カダフィが反政府勢力の拠点でリビア第2の都市である
ベンガジで大量虐殺をしようとしているという主張である。

「あと1日待てば、シャーロット市とほぼ同じ大きさのベンガジで、
地域全体に響き渡り、世界の良心を汚すような大虐殺が起こるかもしれないとわかっていた」と、米軍の爆撃開始後にオバマは述べた。

ベンガジの住民数万人、数十万人が虐殺されようとしているという政府高官の主張は、カダフィの演説を意図的に歪めて解釈したものであった。

カダフィは明らかに、市内にいる武装した反乱軍を指していたのである。
実際、彼は「武器を渡す者、武器を持たずに家にいる者、
以前何をしていたとしても、その者は赦され、保護されるだろう」
とも言っている。

国防総省は、ある情報機関を通じて、カダフィが民間人を無傷で
済ませるよう明確に命じていたことを知ったのである。
しかも、オバマ・ホワイトハウスがベンガジの惨劇を予言していた頃、
カダフィはすでに他の町を反政府勢力から奪還しており、
民間人の虐殺は伴っていなかった。

民間人虐殺のビジョンが世論を十分に煽るとは思えないのか、
オバマ政権は、カダフィが兵士にバイアグラを供給し、
集団レイプのキャンペーンを実施しているという
センセーショナルな主張まで持ち出しました。

サダム・フセインの核兵器開発と同様、カダフィのレイプを可能にする
医薬品のサプライチェーンも存在しなかったのである。

5年後、2016年の大統領選挙でリビアについて答弁に立たされた
クリントンは、「カダフィは住民を虐殺すると脅していた」という
明らかに誤った主張を繰り返した。
彼女がそう言った数日後、英国議会の外交委員会はリビア介入に関する
調査報告書を発表し、カダフィには民間人に危害を加える意図は
なかったと結論付けている。

アメリカの野望のためにアフリカ人が支払う代償は大きい

オバマは、ジョージ・ブッシュのイラク侵攻を
「理性ではなく情熱に基づくもの、原則ではなく政治に基づくもの」
と断じたことがある。
同じことが、オバマ政権が行ったリビアでの政権交代作戦にも言える：

2011年の「アラブの春」革命は、
エジプトとチュニジアで米国が支援した政権を恥ずかしながら
転覆させることになった。
クリントン国務省のアンヌ＝マリー・スローターは、
リビアの反政府勢力を支援すれば、
「一夜にして米国のイメージが変わり」、
「中東の若者たちに感銘を与える」とクリントンに語っている。

本のテーゼに命を吹き込む。
サマンサ・パワーは、現在バイデンの国際開発庁長官であり、
2011年からは国家安全保障会議のメンバーとして活躍している。
リビアで、パワーはこのコンセプトを披露し、
キャリアアップする機会を得たと考えた。
米軍の爆撃が始まった後、彼女は国連大使に昇格した。

ヒラリー・クリントンの大統領就任を支援する。
国務省のメールには、クリントンの政府内外のアドバイザーが、
リビアへの介入を成功させれば、将来のクリントン大統領選挙に役立つ
と熱弁していたことが記されている。
シドニー・ブルメンタルは、カダフィが失脚したとき、クリントンに
「あなたはカメラに映らなければならない。
この瞬間に歴史的な記録に名を残す必要がある」と語った。

欧米の経済支配を守る カダフィは米国とその同盟国の好感度を
回復させたが、新しい汎アフリカ通貨である金ディナールを設立し、
アフリカ諸国が西洋通貨から脱却するよう働きかけたとき、
彼は運命を決定づけたかもしれない。
2011年4月の電子メールで、ブルメンタールはクリントンに、
カダフィはすでに143トンの金を蓄積しており、
このような通貨を支えることができると伝えた。

リビアについて、ヒラリー・クリントンはかつて
「あの行動でアメリカ人を一人も失わなかった」と自慢した。
しかし、アメリカの爆撃で亡くなった市民の家族や、
リビアに住む現代の奴隷やその他の人々は、
オバマ大統領の短絡的で不誠実な推進による違法な政権交代作戦のために、大きな代償を払い続けている。

Stark Realities』は、公式のシナリオを覆し、従来の常識を打ち破り、
政治的なスペクトルにまたがる基本的な神話を暴露するものである。