「インフルエンザワクチンの毎年の繰り返しの接種は感染リスクの上昇を招く」という米CDCによる論文。原因は「抗原原罪」の模様
2023年12月30日
https://earthreview.net/reduced-effectiveness-of-repeat-vaccination/
毎年繰り返し接種した場合には
コロナ以前は、
毎年インフルエンザワクチンを接種されていた方々も多いと思います。
まあ、今でもまだ多いのかもしれないですが、
最近のプレプリント論文で、
「毎年繰り返してインフルエンザワクチンを接種すると、
感染リスクが上昇する可能性がある」
という内容の研究が示されていました。
しかも、論文の著者には、
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)の
米国インフルエンザワクチン有効性ネットワーク調査員という
専門家たちも含まれているもので、
「よくこんなもの発表したなあ」とも思いましたが、
ともかく、毎年毎年インフルエンザワクチンを接種していると、
感染予防効果が低下していく可能性が高いようです。
論文そのものは以下にあります。
インフルエンザワクチン接種の繰り返しによる効果の低下
Reduced effectiveness of repeat influenza vaccination: distinguishing among within-season waning, recent clinical infection, and subclinical infection
論文の結論としては、
「繰り返し接種者における感染リスクの増加を
完全に説明することはできないので、
さらなる調査が必要だ」
というようにされていますが、
しかしまあ……。
「そんなに微妙な結果であるなら、どのみち打つことないのでは?」
というのが偽らざる気持ちではあります。
まあ、次のシーズンあたりのための参考論文として
ご紹介したいと思います。
ところで、コロナの前の話ですが、
2019年から 2020年のシーズンは、
特にアメリカでインフルエンザの流行が爆発的だったんです。
以下のマップのように、
全米のほとんどが最高警報レベルの感染状況でした。
2020年1月18日の米国のインフルエンザ感染状況
皮肉だったのは、
「そのシーズンのアメリカは、
過去最大のインフルエンザワクチンが供給された年」
でした(1億7330万回分)。
1アメリカのインフルエンザワクチンの供給量は、
過去数十年、激しく増加し続けていました。
1980年〜2018年までの米国のインフルエンザワクチンの供給量の推移
この状態の中で、
アメリカのインフルエンザの患者数も死者数も増えてきていまして、
特に 2015年あたりからは増加の一途でした。
2018年のシーズンまでの米国のインフルエンザ感染の推移
グラフを見ているだけでも
「なんか変」というのはいつもあったわけですが、
まあ、ワクチンとはそういうもの(感染リスクを増やす)
という認識から見れば当たり前のことなのかなとも思います。
いまだに、人間の免役と身体防御の正確なメカニズムが
ほとんどわかっていない中で、
些末な研究結果だけで実用化してしまうあたりに
問題はありそうです。
上の数値やグラフについては、
4年ほど前の以下の記事にあります。
(記事)H1N1のパンデミックの気配が漂う中、今シーズンの米国でのインフルエンザワクチンの供給量が「1億7330万回分」に達し、過去40年で最大となる中でインフル患者数は過去最大規模に
In Deep 2020年2月12日
ただまあ…正直な私の考えは、
「かかるものはかかったほうがいい」というものです。
特にインフルエンザはそうです。
予防という概念は変だとさえ思います。
コロナのずっと前の記事ですが、
以下の記事に書いています。
(記事)大流行している季節性インフルエンザに「かかったほうが良い」科学的理由 : それはその感染が「来たるべき新型インフルエンザのパンデミックから命を守る」から
In Deep 2019年2月5日
もちろん、そうではないのかもしれないですけれど。
先ほどの CDC の論文の内容を説明していた
エポックタイムズの記事をご紹介したいと思います。
CDC プレプリント論文によれば、インフルエンザワクチン接種の繰り返しは感染リスクの上昇と関連している
Repeat Influenza Vaccination Linked to Higher Risk of Infection: CDC Preprint
Epoch Times 2023/12/29
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)の
「米国インフルエンザワクチン有効性ネットワーク調査員」たちが
共著した最近のプレプリントでは、
毎年インフルエンザワクチンを繰り返し接種することが
インフルエンザ感染のリスク増加と関連している
ことが判明した。
著者たちは当初、
ワクチン接種のタイミングと前の季節のインフルエンザ感染が、
毎年繰り返しワクチンを接種していた人たちの感染リスクの増加に
寄与しているのではないかと疑問に思った。
しかし、彼らはこれらの要因は
「非再接種者と比較して再接種者における
感染リスクの増加を完全に説明することはできない」
と結論付けている。
繰り返し接種を受けると、
1種類のインフルエンザに感染する可能性が高くなる
この CDC の研究では、
2011年から 2019年のシーズンの間に、
指定された診療所の 1つで呼吸器疾患を患った患者たちを追跡した。
55,000件以上の臨床訪問が分析され、
ワクチンの状態がさらに調査された。
再接種者は、非再接種者と比較した場合、
インフルエンザ A型 H3N2ウイルスに感染するリスクが 10%増加したが、
インフルエンザ B型およびインフルエンザ A型 H1N1変異株については
そうではなかった。
以前のシーズンにインフルエンザに(自然)感染した人たちは、
現在流行している変異株が同じサブタイプであれば、
感染に対して、より防御されていた。
ジレンマが進行中
ワクチン接種を繰り返した人のインフルエンザ感染リスクの増加は、
数十年にわたって一般的に観察されていた現象でもある。
1970年代にはすでに、
インフルエンザワクチン接種の繰り返しが
ワクチン防御力の低下に関連していることが
研究によって示されていた。(論文)
同様に、2015年のカナダの研究では、
ワクチン未接種者に対してワクチンが
43%の防御効果をもたらしたのに対し、
前シーズンにワクチンを接種した人の免疫力は -15%であり、
以前よりも感染リスクが高かったことが判明した。
(論文)
これらの現象は長い間、
ワクチン研究者たちを悩ませてきた。
一般的な理論は、抗原原罪の概念だ。
これは、どのようなウイルスに遭遇しても、
体は最初の感染に反応したのと同じ方法で
新しいウイルス株に反応するように永遠に偏っていることを意味する。
ロックフェラー大学の免疫学者ガブリエル・D・ビクトラ氏は、
以下のように書いている。
「私たちの免疫システムは、
幼少期に遭遇したウイルス株に最も強く反応する、…
OAS(抗原原罪)理論によると、
インフルエンザワクチンや新型コロナウイルスの追加免疫を
どれだけ受けても、私たちの体は、
ウイルスの過去の株に対して頑固に抗体を大量に生産しようとする」
さらに、同じウイルスに対するワクチン接種を繰り返すと、
抗体反応が低下することが示されている。
ネイチャーに掲載された研究では、
2年連続で同じ製剤をワクチン接種した人々は、
それらの年の間でウイルス株が類似していたにもかかわらず、
感染した際にウイルス成分に結合して除去する効果が
低下する抗体を生成したことが判明した。(論文)
多くの専門家たちによると、
感染症にかかることで得られる自然免疫は、
インフルエンザワクチンから得られる短期免疫よりも
効果的であると一般に示唆されている。
ワクチンの非特異的影響
グアダラハラ大学の生物学者アルベルト・ルビオ=カシージャス氏は
エポックタイムズに対し、
ワクチンが異なれば非特異的影響も異なるとして以下のように語った。
「つまり、ワクチンは
ワクチンの対象となる病気を予防するだけでなく、
他の感染症による死亡率も低下させます。
ワクチンは明らかに、
無関係な感染症への感受性を軽減または強化する方法で
免疫システムを訓練するのです」
「BCG、麻疹ウイルス、経口ポリオワクチンなど、
これまでに調査されたすべての弱毒化生ワクチンは
有益な非特異的効果を持っています...
反対に、非生ワクチンは負の非特異的効果を引き起こします 」
対照的に、インフルエンザワクチン接種が
RSウイルスに対する免疫を付与する可能性がある
ことを示唆する研究もある。 (論文)
現在認可されているインフルエンザワクチンのほとんどは
生ワクチンではない。
生ワクチンは、
より長く効果的な免疫を生成する傾向があるが、
しかし、それらはまた、免疫不全の人たちや
慢性的な健康上の問題を抱えている人には
効果的に除去されない可能性のある、
より強い免疫学的反応を引き起こす傾向がある。
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