トッテナムとモウリーニョと

相変わらずなんとも微妙な結果でシーズンを過ごすトッテナムホットスパーズ。

ポチェッティーノの解任から新監督の就任までのスピード感はフロントのグッジョブとは思ったが新監督がモウリーニョと知ったときは「それどうなの?」と思ってしまった。名物監督がプレミアに戻ってきたこと、古巣マンチェスターユナイテッドとの対戦など楽しみが増えることは間違い無いのだが、正直またうまくいかなくりそうな気がしてきた。

そこへきて冬の移籍シーズン、昨日発表されたのはエリクセンのインテルへの移籍だ。本人の希望もあるだろうし止められない事情はいろいろとあるのだろうがこれほどインテリジェンスに富んだ選手の放出はチームにとって象徴的な出来事になるだろう。

中盤でよく走りどこへでも顔を出す選手を指して「チームの心臓」と例える。チームを一つの体に例えるなら頭脳はやはり監督だろう。ひとつの身体に複数の頭脳があれば、指揮が混乱したり頭脳同士つまり選手と監督あるいは選手同士で対立が生まれるかもしれない。モウリーニョはそれを恐れているのではなかろうか。それは少し独善的にすぎるかもしれない。

モウリーニョはとにかく前への速さ、高さ。強さのある選手を揃えて駒のように使う。その逆でアイデアが豊富な選手や試合のコントロールをできるいわゆるサッカーIQの高い選手は冷遇される傾向にある。極端に言えば自分の指示に従順でフィジカルに優れた選手を好む。つまり、モウリーニョはピッチに自分以外の頭脳を持ち込ませたくないのではないだろうか。エリクセンのような選手はいずれにせよ自分の邪魔ななりかねないと。

しかし昨今のトレンドと複雑に進化していくフットボール中では試合のペースに合わせてチームを最適な形に合わせていったりときには試合のペースそのものを支配してしまうような「ピッチ内の頭脳」が求められる。ペップ時代のバルセロナにはイニエスタ、シャビ、ブスケツと代表的な「ピッチ内の頭脳」が三つもあった。さながらキングギドラ。全体を指揮するペップも合間って世界を席巻したのは言うまでもない。

スパーズの次節(2/3)の相手はそのペップ率いるマンチェスターシティ。ダビド・シルバやケビンデ・ブライネといった一級品の「ピッチ内の頭脳」も揃っている。

モウリーニョは新たな可能性を見せられるのか、必見の試合です。

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