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クラゲ

江東区には橋が沢山あったので、私は橋の真ん中に立ち、じっと川を眺めて見た。

川にはクラゲが沢山いた。

小さく縮まったり、大きく開いたりして、ふわふわしているのは、生きているクラゲ。

形は変わらず、ひっくり返されながら流されて行くのは、生きていないクラゲ。

ところが時々、そういう固まって流されている様なクラゲが、突然小さく縮んだりする。

驚いて良くよく見ていると、生きているのか。

開いたり縮まったりしたがら、ふわふわ泳いで行く。

そしてまた、固まった様に形を変えずに、流れたりしている。

あれは、川という中を知り尽くして、自由に遊んでいるのか。

それとも、私みたいに、橋の上から見ている者を見つけると、からかいたくなるのか。

げにまっこと、クラゲとは、摩訶不思議な川の憂楽者だ。

#エッセイ部門

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