2019/03/20:「水」 仙波清彦&はにわオールスターズ

妻と息子たちが帰ってきたので、ライブは当分おあずけのつもりなのだが、今日はどうしても行かねばならないということで六本木に駆けつけた。仙波清彦&はにわオールスターズの約25年ぶりの復活。当然初めて観るライブ。まわりのお客さんは自分よりもだいぶ上のお客さんが多い。昔のライブにも行っていた方たちだろうか。25年経ってもメンバーの多くが音楽をやっていることがすごいし、25年ぶりに駆けつけたであろうお客さんたちがたくさんいたことにもグッときた。ライブは本当にジャンルレスかつ誰もが楽しむポイントを見つけられるであろう懐の深い音楽。ワールドミュージックのようでありながら、日本っぽさも兼ね備えている稀有な音楽。こういう音楽こそ東京オリンピックで奏でられるべきではないかと思った。それにしても小川美潮さんはいつまでも素敵だ。うっとりとしてしまう。アンコールの「水」、とにかく圧巻であった。

はにわオールスターズといえば1991年のライブを収録した『イン・コンサート』が有名だが、1991年のころの自分は、『イン・コンサート』そして今日も演奏された「大迷惑」なんかを聴いていたと思う。もちろん、はにわオールスターズのバージョンではなく、ユニコーンのバージョンでだ。1991年当時ははにわオールスターズのことは知らなかった。

自分がはにわオールスターズの存在を知ったのは1994年12月に発売された『Marquee vol.057』。日本のインディペンデントシーンを特集した号だ。この号は灰野敬二さん、吉田達也さん、大友良英さん、勝井祐二さん、ホッピー神山さんなどを軸に1994年当時のインディペンデントな音楽の動きを取り上げていた。今でこそ、ここらへんのシーンが取り上げられることは多くなったが、インターネットもまだ普及しておらず、雑誌でもなかなか取り上げられてこなかったシーンが特集されたことはとても意義深かったのではないか。実際に、自分はこの号を見たことで、日本の面白いライブシーンを知ることになった。ちょうど1995年に大学生となった自分はこの号の影響を受けてライブハウスに通い出していくことになったのだった。このシーンを追いかけるためにCDなども掘っていくことになったが、当時はお金もないし、今のようにお店で簡単に見つけられるような状況ではなかった。あの頃の自分は今以上に音楽に飢えていたし、音楽にかける熱量も凄まじかったように思う。

今回のライブ、錚々たるメンツがノーギャラで参加しているようだが、そのことは美談として語られるべきではないと思う。製作費がかかるライブであることはわかるが、出演者がノーギャラというのはいかがなものか。こういう構造を変えられるような妙案はないものか。そのことをいつも考えてしまう。今回のライブに関してはチケット代がもっと高くても良かったのではないかと思う。それくらいに値する素晴らしい体験ができた。

1991年のときのライブのように今回も音源化、映像化を実現してもらいたいものだ。こういうものこそ、クラウドファンディングとかやってくれたら、是非出したいと思う。自分がお金持ちだったら、是非スポンサーになりたいところ。あー、もっと仕事頑張ろう。

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