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水彩画研究ノート【耐光性実験 その2】

★追記:3.まとめにて、UVスプレー、額装に関する補足情報を掲載。(2024/1/13)

こんにちは!水彩画研究ノート!うぃえーーい👏はい、今月もやってきましたよ。マニアックなお時間が🎨
▶今までの水彩画研究ノートはこちら


今日は、前回の続き【耐光性実験 その2】!
1年間、窓ガラスに絵の具を塗った紙を貼り付けて、実験をしたその結果を見ていきましょう!

―簡単に前回のおさらい―

4社の3原色を比較します!
A、B、Cの3つのグループに分け、さらに混色した状態も見ていきます。


1. 2ヶ月後

窓ガラスに貼って2ヶ月経った様子がこちらです。

おや…!?

はやくも1社に変化が表れ始めました。

薄くなってる!


【比較画像】

比較画像 スマホで撮影したもの


この実験をする前に参考サイト様の記事を読んでいましたので、まっちカラーの耐光性は知ってはいました。しかし、こんなに分かりやすく色が抜けていくとは…!絵の具って興味深い。

中でも耐光性の低いマゼンダが一番先に消えると予想してましたが、黄色の方が早かった!しかもUVカットスプレーの効力が微妙w (微かに色が残ったくらい)

黄色が先に抜けたので、混色して作成した緑が青緑に、オレンジがピンクに変わってます。おもしろい。シュミンケとまっちは同じくらい顔料が細かく滑らかな絵の具ですが、価格はシュミンケの方が10倍以上します。

ホルベイン、W&N、シュミンケは肉眼で見ても違いがそこまで分かりません。

2.1年後

実験開始から2ヶ月後には、結果がおおよそ分かってしまったので、終了しようかと思いましたが、どうせやるなら振り切ろうと思って、さらに1年間も放置してみました。
なお、途中経過は面倒だったので撮影してません(すみませんw)

とうとう色が消えた!

上記はカメラで撮影した写真を比較したもの。撮影時に周りの光の影響を受けてしまうので、スキャナーで取り込んで全く同じ数値で色調補正したものも掲載します(こちらの方がより正確かも)

実験前に比べると、紙も含めて色全体が微かにくすんでいる

まっちの黄色は綺麗に消えてしまいました。ひまわりの絵ならほぼ透明になっちゃうかも🌻 意外と青(そら色)は予想以上にがんばりました!👏

1年後にはどのメーカーも多少の色褪せこそしていますが、光を浴びても浴びてなくても、あまり違いが分かりませんでした。
今回3原色だけでしたが、他のメーカー、他の色、または光の種類(紫外線、蛍光灯、LEDなど)を変えると結果はまた変化するのでしょうね。お気に入りの色も試してみたくなりますね!


3.まとめ

実験結果分かったこと!

1.耐光性の低い絵の具は、光を浴びると消えていく。
2.UVカットスプレー塗っても消えるものは消える!
3.長期間、原画を光に当てるな。(←結局これ)

以上、耐光性実験でした✨

【補足1 UVカットスプレー&額装】

耐光性の記事をXに投稿したところ、後日様々な方から反応がありましたので追記です(2024.1.13)
この実験のきっかけになった、水彩絵具使ってみた!ドットコム様や、水彩画材の研究で著名な、枯葉庭園 画材研究ブログ様からもリプを頂き本当に驚きました!心から感謝致します。ありがとうございました。

枯葉庭園様が、大変参考になることをポストされていたのでリンクを貼っておきます。これからは額装も気をつけよう!✨



【補足2 いわさきちひろ美術館】

先日、念願叶って東京にある、いわさきちひろ美術館に行ってきました!飾られていた絵は原画ではなく、ピエゾグラフという技術で再現されたもの。今回の結果を見れば納得ですよね。淡い水彩画は長期間の展示は厳しいのです。

※ピエゾグラフ…耐光性のある微小インクドットによる精巧な画像表現で、原画を高度に再現したもの。

とても素敵な美術館でした!


【補足3 まっちカラー】

今回耐光性の低い結果になってしまった、まっちカラーですが、彩度が高く、滑らか&リーズナブルでとても使いやすい絵の具です。店頭にはなかなか置いてないのでネットで購入して下さい。

私は仕事でこどものイラストを描きますが、明るくてキラキラしたイメージには、まっちカラーはとても合っています。PCでデータとして使用する場合は、これからも変わらず使用します。

youtubeで有名な水彩画家の柴崎春通先生の動画にも、なんと3回も!出てきてます。有害化学物質等は一切不使用の環境に優しい絵の具は、お子さまも安心して使用できます。


https://www.youtube.com/watch?v=DrTayKmsOsE&t=158s

https://www.youtube.com/watch?v=SKKMNAtTn44&t=3s


ではまた次回に!

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