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私の腹は湘南のギャル

これは、大学を卒業して、社会人一年目の1月頃に書いていた記事。



 私は、大きくはないコンビニ程度の広さの部屋に、職員10人程度がデスクワークのようなことをしている職場で働いている。この空間に慣れるまでに一年かかった。ちなみに、この職場で私は社会人デビューを果たしている。同期はおらず、全員先輩だ。共に働く職員が厳しかったり理不尽なわけではなく、新任に丁寧な対応をしてもらっていたなあとも思うが、ほんとに空間が嫌だった。
 
 私は今の職場につくまでアルバイトで楽しく適当に大人と関わっていたのだが、社会に出て、今の職場の人はなんか言葉とかマナーとかすごくちゃんとしている感じなのだ。おまけに狭めの部屋でみんな静かに席についている。この空間が窮屈でたまらなかった。
 自分が発する音、例えばハサミで紙を切る音、足音などにも気をつかっていて、極力周囲の耳に入らないように、刺激にならないようにしていた。職場の人とは必要最低限の事務連絡しか関わりがなかったし、ほんと窮屈だった。
 私にかまってくれ、ちゃん付けで呼んでくれ、いじってくれ〜って思いながらなんとか働いていた。窮屈さを感じ、気の利いた気遣いなんてできないくせに変な気を使って訳の分からないことになっている自分を脱却したかった。

 そこで思いついたのがへそピアスである。

こっそり突き抜けたことしていれば内なる強さが生まれるのではないかと思い、決行。耳たぶにすらピアス開いていないのに。へそ出すような格好をすることなんてないのに。
 親しい友人には見せた。「腹だけ湘南のギャルじゃん」って言ってくれてちょっと嬉しかった。湘南のギャル、どんな感じか知らんけど。

 結論、へそピを開けて変わったことは無い。しいて言えば位置がずれたときに、「なんか痛いなあ。あ、へそピずれてたのか」と感じるくらいだ。仕事に関するストレスが爆発したときに教育係の先輩に熱心に聞いてもらえたことや、秋に新しく入った職員がすごく面白い人で、ようやく感情を共有できる人ができたから今の職場でも落ち着けるようになった、慣れが一番大事なのかも。

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