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NIPPONまちの履歴書⑤【屋敷町】

このnoteでは、『月刊不動産流通』の過去の記事を紹介しています。

★「NIPPONまちの履歴書」

今回は、「NIPPONまちの履歴書」
編集者のお仕事をされる傍ら、各地の風景をスケッチされている村上 健さんの連載です。(制作協力:(株)エディターシップ)

『月刊不動産流通2019年5月号』より、
町内だけで組閣ができた? 東京都/文京区本駒込六丁目 
を掲載します。

★町内だけで組閣ができた? 
東京都/文京区本駒込六丁目


田園調布、成城、松濤……。東京には、整然とした区画に豪邸が立ち並ぶ屋敷町がいくつもあります。こうしたまちほどは知られていませんが、文京区本駒込六丁目付近の「大和郷(やまとむら)」もその一つ。いや、歴史と由緒の点では都内屈指かもしれません。

上のスケッチは、国の特別名勝「六義園」。徳川綱吉の側用人、柳沢吉保が熱心に造園した回遊式庭園です。

明治維新後、三菱財閥の総帥岩崎弥太郎が周辺の土地と合わせて買い取り、庭園に隣接する一帯が大正時代になって宅地分譲されたのです。

まちを歩いて見ると、一部マンションはあるものの。大半は高い塀に囲まれた豪邸のオンパレード。当初の住人たちは多くが政財界の要人で、一時期は町内で組閣ができるほどだったといわれるまちの実力ぶりがうかがえます。

ちなみに大和郷の名は、大和郡山への転封後も柳沢家が下屋敷として使ったことに由来。ただし最初は「大和村」。東京都から、区の中に村があるようで不都合との指摘で郷に。お堅いねえ。

※誌面はPDFファイルをダウンロードしていただくと、見やすいです
※(株)不動産流通研究所の著作物です。二次利用、無断転載はご遠慮ください


★次回予告

次回は5月27日(金)に、『月刊不動産流通2019年5月号』より、
「宅建業者が知っておくべき『重説』に関する調査実務⑤」を掲載します。お楽しみに!


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