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なぜ周りの女性は女性蔑視について行動を起こさないの?気になっている男性のあなたへ

「世間では森発言が騒がれてるが、自分の周りの女性たちは女性蔑視について表明しない。なぜ何も行動しないのか?」何人かの男性がこのようにコメントされているのを拝見しました。女性蔑視について課題意識を持ちながら、匿名でしか発信してない当事者として、よく聞く疑問に個人的な体験ベースでお答えします。

1. なぜ女性は身の回りの女性蔑視について表明しないの?

シンプルに女性蔑視について発言すると叩かれるからです。これは森さんについてTwitterで投稿したときに、私に実際に寄せられたコメントです。

森さんについて発言したら、男性からこのようなコメントが押し寄せてくるわけです。誰がやりたいですか?こんな役回り。顔出しで発言してる人は、私よりもっと叩かれています。リアルでこのようなことを言おうもんなら、険悪なムードになったり、白い目で見られる可能性は非常に高いです。職場などで言ってしまった日には、干されたり、最悪の場合だと仕事を失います。そんなリスクを背負うよりは黙ってる方がマシだという判断になるわけです。女性が何も言わないのではなく、男社会が女性の心をここまで萎縮させてしまってるんです。生まれた時から女性蔑視なので、そもそも気づいていない人もいます。でも流石に今回の森発言で気づき始めた方、多いんじゃないでしょうか?たとえ気づいても、こんな目に遭うんじゃ「やめとこう」と思いますよ。

2.女性の政治家を増やせばいいのに女は女に投票しないじゃないか?

こちらは私が女性の国会議員たちが行った「ホワイトアクション」について発言したときに、寄せられたコメントです。

そもそも「女性は政治家には向かない」という無意識の偏見があり、男性も女性もそれに囚われています。男性が女性政治家を批判すると、それを見ている女性も女性政治家には価値がないのだと思い込んでしまいます。また女の政治家を支持すると、自分もこのように叩かれることがわかるので怖くなります。ちょっと話題にした私でさえ言われるので、当の女性政治家はもっと言われていると思いますよ。女性が女性政治家に投票しない原因の一部は、男性が作っているのではないでしょうか?

また選挙供託金というのがあり、立候補するには数百万円のお金を用意しなければなりません。先進国でも最大の男女の賃金格差のある日本で、女性候補者がお金を用意するのは簡単ではありません。他にも育休制度が整っていなかったり、有権者からの票ハラなども女性が政治家になる障壁になっています。

3.なぜ女性は何のアクションも起こさないのか?

もうたくさんのアクションを起こしています。最近では「お母さん食堂」に関するアクションがありましたが、私は次のようなコメントを山ほどもらいました。

女性に行動を起こせと言いながら、いざ行動すると叩いたり、優れたアウトプットではないと頼まれてもないお説教を展開する方は多くいます。そもそも男性社会で良しとされている女性蔑視的なものに対して抗議しているのに、抗議の方法が男性に対して好ましいものになるでしょうか?男性にとって耳が痛いから抗議なんです。

そもそもアクションがあなたの目に見えていない可能性もあります。森喜朗氏への抗議の署名には女性だけではありませんが、14万人もの人が参加しています。


#わきまえない女たちというYoutube番組は10万人が視聴しました。

また私個人としてもアベプラでコメントさせていただいたり・・

新聞の取材に答えたりしています。

匿名で活動しているだけはありません。リアルでも女性蔑視について友達と話題にするという習慣もつけています。

失敗したら人間関係が崩れるので、信頼できる人にしか話しません。もしこのような会話を聞いたことがないのだとしたら、それはどうせ言っても聞いてもらえないと諦めているからでしょう。

私がこんな得にならないことを匿名でやってるのは、いつか自分の名前を出して発言する未来を作るためです。世界の国々は女性蔑視を克服してきました。外国人にできることなら日本人にもできるはずですよね。

いまあなたにできること

森さんのこと話題になってるし、女性蔑視に対して何か行動したいという男性にお願いがあります。声を上げる女性に対してアドバイスをいただくのも結構なのですが、それよりもまず・・・

このように女性蔑視をこじらせてしまった男性に対して、同じ男性として何ができるかを考えてもらえると幸いです。とても残念な話ではありますが、女性蔑視をこじらせた男性は男性の話なら比較的落ち着いて聴くことができるようです。ソーシャルメディアだけでなく現実にもたくさんいると思います。女性蔑視は私の中にもあるし、日本に生まれたすべての人にあります。すぐに変わるのは無理でも、少しずつ克服していきましょう。

※今回、引用させていただいた方々へのリプライはご遠慮ください。

※データを用いた説明でないと納得できない方もいらっしゃると思います。そのような方には「ジェンダーについて大学生が真剣に考えてみた」という本をお勧めします。「女だって専業主婦になりたいのでは?」などの素朴なジェンダーの疑問にロジカルに応えます。