見出し画像

フランスのウェブメディアAsialystにインタビューが掲載されました!

フランスのAsialystというウェブメディアに、私のインスタでの発信に関するロングインタビューが掲載されました。その日本語訳をこちらに掲載します。

インタビュー 笛美さん
イラストで若者の政治的興味を喚起する

前書き

国際世論は日本の若者といえば、活動家を連想することはなかった。それどころか、どんな言語で、日本若者・選挙 ・政治というキーワードをインターネットで探しても、その結果は歴然である。France 24には「なぜ日本の若い人は選挙に参加しないのか」と書かれている。Bloombergなら「日本の若者は政治に興味をもっていない。大人にまかせている。」と書いている。2022年の参議院議員通常選挙についての分析のタイトルとして、Gill Steel氏は「 Are the kids okay ? 」(子供達は大丈夫?)と書いていた。

偏見ではないかもしれない。人口比を見れば若者の割合はたしかに小さいが、政治においては、彼らは存在していないのも同然なのである。現在の衆議院議員465人の平均年齢は55.5歳となっている。これが内閣だと62歳になる。政治家の平均年齢の高さが若者の参加率の低さに影響しているのか、もしくはその逆なのか定かではないが、2021年の衆議院議員総選挙の際に、20代の投票率は33.85%になっていた。2016年は選挙権年齢が「満20歳以上」から「満18歳以上」に引き下げられたのにもかかわらず、10代の40.49%しか参加しなかった。60代の投票率は72%になっていた。今年4月は統一地方選挙が行われたが、平均投票率は前回の過去最低44.02%を0.23ポイント超えただけで、年代別投票率を見なくても、状況が変わったとは言えないだろう。

そんな中、活動家として行動してる若い日本人がいる。しかもその声は強くなっているらしい。最近、SNSで政治はテーマとして少しずつ人気になってる。活動家のアカウント、またはニュース説明のアカウントが作成されて、段々フォローワーを集まっている。

笛美さんのアカウントはその中の一つである。インスタグラムのアカウント名は@fuemiadです。イラストや動画を作り、4.5万のフォロワーに政治、選挙やニュースを説明したり、政治家の発信を記録したり、ジェンダーの不平等を指摘したりする。日本の若者の政治との関係、また活動家の意見や活動への理解を深められるように笛美さんをインタビューさせて頂いた。

自己紹介


ナダ. まずは自己紹介からお願いしてもよろしいでしょうか。アカウントで、何の内容を発表していますか。

笛美さん. 笛美と申します。アカウントでは「30代働く女子による時事ネタ発信」というテーマで、テレビなどでカバーされないジェンダー問題を中心にしたニュースをイラストと動画で取り上げています。私のアカウントの特徴としては、政治にあまり関心がない層をメインターゲットとして発信をしていることです。また政治的に中立ではないことも隠さずお伝えしています。

人気のテーマは?

ナダ. 発表する内容の中に、一番人気になる内容、というか、日本の若者が関心になる政治話題は何だと思いますか。現代の政治家は若者の関心の話題や願いを聞いていただくと感じますか 。この度の統一地方選挙の際に、「女性やマイノリティの政治家を増して、様々な人の声を反映する政治にする」必要があると書いていただきました。それはどうして重要なことだと思いますか。

笛美さん. 投稿のパフォーマンスで言うと、憲法の緊急事態条項のテーマのフィード投稿が最大15万アカウントにリーチし、若者への出産プレッシャーの動画が最大390万再生しています。

ただ憲法に関しては、元々若者の関心事ではありません。興味を引くような入口を工夫することに成功したから伸びたのだと思います。

日本の若者が関心を持つ政治問題は、まだ顕在化していないです。と言うのも、ごく一部の関心層以外はあまり政治への関心を表に出しません。ただみんなが政治によって影響を受けていないかというと、そうではないです。不登校やいじめ、パワハラ、自殺、奨学金、子どもを産み育てることの負担、そして将来年金がもらえない不安などは全体的に共有されています。またジェンダー問題も自分ごととして捉えられていませんが、パートナーとの関係に悩んでいたり、収入が低くて悩んでいる女性、子育てを押し付けられて悩んでいる女性などは多いです。ただ、それらを解決する方法として政治があることは多くの人に伝わっていません。私は発信を通じて、今は顕在化していない政治と日常の悩みを結びつけることを目指しています。

選挙で女性やマイノリティの議員を増やしたい理由は、今日本の地方議会は女性比率が平均14パーセントで、とても社会全体を代表しているとは思えないからです。やはり中高年男性が中心の政治だと、どんなに素晴らしい人であったとしても、政治が一部の人のためのものになってしまい、若い人の政治への当事者意識はどんどん下がってしまいます。政治は男性のものという意識が強い中で、女性議員への風当たりは強く、女性の地方議員の6割が「票ハラ」にあっています。地方選挙の注目度は毎回とても低く投票率も平均40%代ですが、少ない票でも勝敗が決まるので、自分たちの声を反映しやすい場だと思っています。

若者にとって政治の話はタブー?

ナダ. 毎日分析いただく政治の世界に対しての日本の若い人の興味はどう思いますか。2021年に、ワシントン・ポスト記者の井沼ジュリアさんやYE HEE Michelleさんは第49回衆議院議員総選挙の年代別投票率について、「日本で政治の話をすることは、若者の治文化にそぐわない行為である」と書きました(参考)。この発信はどう思いますか。

笛美さん. 全くその通りで、若い人にとって政治の話をすることはタブーです。

そもそも若い世代は仕事や結婚や子育てなど社会的に期待されるタスクが多く、ニュースに気が向かないほど精神的に追い込まれています。

ネットで検索しても、自分で何とかするノウハウは山のように出てきますが、政治や社会運動で解決する方法にはアクセスしづらい現状があります。誰も自分たちに政治のことを丁寧に話してくれなかった、だからこちらも政治から遠ざかっている。そんなネグレクト状態が続いてるのが今の私たち世代だと思うんです。

政治の話の中でも、政権与党を批判することはタブーになってしまっていると思います。なので私のFeedでは、政治ニュースっぽく見えない表紙から始めて、実は政治のニュースだったと言うふうに展開させることも多いです。またReelsでは、国会の様子を短く切り取った動画も出しています。若者が国会を見ることはほぼありませんが、このように短くすることで多くの方が関心を持ってくれます。ただ、こう言うことは自分のような素人が手弁当でやるには負担が大きすぎて、フルタイムで働くプロの人にやってもらいたいと思うこともあります。

国際政治への興味は?

ナダ. 国際状態や外務はどう思いますか。普通発表する内容とは少し違うとわかりますが、日本はよくオリンピック、国際博覧会、G7のようの日本人の日常生活に影響ある国際イベントを開催するようになります。しかも、東アジアの状態はアツくなっていると言えるでしょう。日本の若い人はこの国際政治に興味を持っていますか。

笛美さん. 世論調査では、上の世代ほどオリンピックを開くことに反対で、若い世代ほど賛成していたそうです。でも個人的には大きな予算を投じてお祭りを開くのは、高度経済成長期のやり方であり、サステナブルな成長に繋がらないと思っています。またオリンピックで利益を得る人もいるかもしれませんが、それはやはり一部の大きな企業の利益にしかなっていないように私には見えています。「日本すごい」とハッタリをかますのではなく、もっと人々の生活を内側から良くすることに予算を使ってほしいです。

フランスの主権者教育どう思う?

ナダ. もう少し日本の政治文化の話したいと思います。このインタビューを準備するに研究したら、1969年からの高校生の政治的活動の全面的な禁止について学びました。2015年の選挙権年齢引き下げにより、政治活動は学校の勉強に悪い影響を与えないということが認められ、満18歳以上になったことで政治的活動に参加できるようになりましたが、ちゃんとわかる限りで、無青年の若い人はまだ政治的活動に参加できないとのことです。フランス人として、ショックです ! フランス人は中学生全員フランスやヨーロッパの施設や選挙、公民権、人間権利、メディアなどを分かるようの公民教育の授業に参加しないといけないという状態です。この授業の際に、意見をちゃんと述べられるように、死刑、徴兵制度、安楽死などの話題についてよくクラスで話します。どう思いますか。

笛美さん. フランスは革命で人権を勝ち取った国ですよね。だから国民が主権者であるための教育が行き届いていると思います。ヨーロッパの友人と話していると、常に自分の権利や意見を主張しなければ、権力者の好きにされてしまうという価値観を持っているように感じます。

だけど日本は人権を闘って手に入れたのではありません。アメリカに戦争で負けたことで人権を手に入れました。

また、島国がゆえに外からの情報が入ってきづらく、同調圧力がとても強い社会でもあります。学校ではもちろん民主主義のことは教科書では教わりますが、実践的には教えてもらえません。またディスカッションも私が子供の頃はまともに教わりませんでした。自分が主導権を握って意見を主張するというより、先生に従うこと、目的はともかくみんなで同じことをして、波風を立てることはダメということ言うことをなんとなく教えられます。今回の選挙でも多くのフォロワーさんが「誰に投票したらいいか分からない」と言っていたのが印象的でした。

さらに若い世代は、青春時代のほとんどを安倍政権の下で過ごしました。安倍政権によるメディアコントロールが続いたこともあり、権力者が言うことの方が正しく、抗議をする人が冷遇される風潮ができてしまった気がします。権力者にとって都合の良い国民性がさらに出来上がってしまったと思います。そして投票率が下がるほど、政権与党のもつ組織票の影響が強く出ます。国民の関心をなくすことで、自分たちの都合のいい政治をするスタイルが確立されてしまったのが今の日本ではないでしょうか。

主権者教育とは少し違いますが、日本は性教育も遅れています。避妊や性交のことを教えないという規定があります。そのため性的同意などの価値観も普及していません。自分の体を大切にすること、自分の権利を大切にすること、どちらも大切なことです。だけどそれを教えないで、強い人のされるがままになる教育を続けてると言うのがすごく気になっています。当然ながらそう言う教育がないので、この状態がおかしいと思う人もあまり多くはありません。絶望的な気持ちになりますが、少しでも変えていきたいです。

変化の兆しは?

ナダ. 最近、変化が生じたと言えないでしょうか。SNSで、様々な若者向けの政治関連のアカウントは作成されて、人気になっています。中絶ピルのパブコメントは通常の100倍を超えました(参考)。しかも、第49回衆議院議員総選挙の際に、投票率は上がりました。2021年発表された「コロナ禍と社会参加」テーマの日本財団18歳意識調査により、コロナ禍以降に政治・選挙が自分に影響すると感じる人の人数が増えました(参考)。NOYOUTHNOJAPAN代表能條桃子さんもそう思っているとワシントン・ポストに説明しました。どう思いますか。笛美さんは最近変化を感じますか。

笛美さん. 一部の人は少しずつ変わっていると思います。でもまだエコーチェンバーの中にいて、全体として大きく変わっているとは感じていません。ただ人口の3.5%でも変われば社会的変革が起こせると言いますし、小さな希望を持ってやっています。

個人的に最も課題を感じるのが、政治に関心を持った少数の人が孤立しやすいということです。せっかく関心があっても、周りでは政治に関心を持つのタブーで、口にすると白い目で見られたり、場の空気を凍らせたという話は非常によく聞く話です。私自身そのような閉塞感を感じており、このアカウントはそう言う問題意識を持ち始めた人たちの居場所になっている気がしています。できればリアルでそう言う人たちが繋がった方がいいとは思っています。

ナダ. 笛美さんによって、気候変動や高齢化などを背景に声を聞かせたい若い日本人はこれから何のチャレンジを向いていると思いますか。

笛美さん. 新しい感性を持った若い人がいざアクションを起こしたら、これまでにない層に社会運動が届くとは思います。

ただ若者にとって一番大きな難関は、就職だと思います。日本は学生にもですが、働く人にも政治的な発言はタブーとなっています。自分が安定的な雇用を得ることと引き換えに、政治的な発言をすることができなくなる人はかなり多いと思います。また、社会運動や労働運動など、活発に声を上げてきた上世代との断絶もあり、働きながら政治にコミットするというイメージが湧きにくい現状もあります。

若い人たちは残業してキャリアを早く積まなければいけないし、女性であれば出産しなければいけないという、社会からの強い要請があります。自分の時間もなくフラフラになっている若い人が、社会に問題意識を持つのはとてもストレスがかかることで、正直偉い人の言うことに流されることの方が楽ではあるんです。私自身20代の時は忙しすぎてとても政治に関心を持てませんでした。そのような耳が塞がっている状態の人にどのように言葉を届けるかも大きなチャレンジかと思います。

ナダ. 笛美さんはどうですか。統一地方選挙はもう終わりましたが、アカウントの発表のペのみぢぺースは変わりませんでした。 選挙のあとに失望にならないようのないようを発表したり、イベントに参加したりするのでしょうね。これからのご希望プロジェクトについて聞いてもよろしいでしょうか。

笛美さん. 特に野党支持者の間では自分が投票した人が落選するケースの方が多いです。一過性で終わらず、これからも政治を気にしてもらうためにフォローアップの投稿をしました。また選挙後は人々の感情がすごく高まる時期ですので、そのような感情の高まりを持ったまま孤立している人たちが集まれる場所を作りたいと思いました。

選挙の時は睡眠時間を削って毎日投稿をしていたので、とても疲れました。今後は週に1回でもいいので、無理ないペースで進めていきたいです。

今後の意気込み

ナダ. 笛美さんは一昨年、東京新聞のインタビューの際に、笛美さんは「普通の人間として悩みながら、小石を投げ続けたい」と言っていましたが、今はその声がフランスにも届いています。これからの活動について意気込みを教えてください。

笛美さん. 選挙期間中にフォロワーが5000人ほど増え、政治について話す中立ではない一般人のアカウントにも需要があることが再確認できました。今後も政治や社会問題に関心を持つ人を掘り起こしたいです。できれば笛美のようなアカウントがあと10くらいできてほしいです。政治家など一部の人しか政治や社会問題について話していない状況を変えたいです。

私は特に改憲についてとても大きな危機感を持っています。戦前のような憲法に逆戻りして、表現の自由が保証されない社会になり、自分が発信できない日が来るのではないか、とても恐れています。いつか自分が政治批判をして逮捕される日が来るまではこのような発信をやりたいと思います。