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ラジオのココロ〜地震対応の件

ひっさしぶりにラジオ番組制作絡みの記事を書きますね。
先週、関東の皆さんは大変でしたね。
被害など有りませんでしたか?
帰宅困難、エレベータ閉じ込めなど、夜の地震でお疲れ様でした。

個人的には、大阪の自宅でTVで各局の報道をザッピングしていました。報ステは生放送中で対応が早く、枠拡大して24時前までCM無しでやってましたね。他も全国ネットでCM無しのまま、臨時体制で報道してました。

さて、民放ラジオは?
と思い、radikoのタイムフリーを使って初動だけ聴き比べてみました。

TBS:アシタノカレッジ【生】
トークの最中に揺れ。ニキさん、スタジオ常備の対応コメントをすぐ読みました。間もなくアナによる速報IN。しかし、暫くしたら予定の特集に戻りました。

文化放送:レコメン【生】
揺れた時はCM。スタジオに戻ったら即、アナによる速報IN。ジャニーズWESTの桐山君&中間君、少々触れましたが、程なく通常へ戻りました。

ニッポン放送:オールナイトニッポンMUSIC10【生】
丁度曲終わりでカフ上げた途端の揺れ。満里奈さん動揺してる間にアナによる速報IN。そのまま11時前のステブレまで引っ張りました。

インターFM:佐藤満春のジャマしないラジオ【生】
曲中に揺れ。1分半後スタジオに戻って、フリートークで繋ぎました。対応コメントの用意が無いのか?アナウンス無く、速報原稿も無いままでしたし、3分後にはメール紹介や曲のオンエアも。しかし11時前のエンディングまで注意喚起はしました。

TOKYOFM:スクールオブロック【生】
生トーク中の揺れ。ぺえ教頭が対応コメントを読み、すぐインスト音楽へ。3分後アナによる速報IN×2回。間インスト。二度目の速報後は達郎さんの曲のまま11時前のステブレへ。

JWAVE:ソナーミュージック【生】
曲中に揺れ。1分後、スタジオに戻った所であっこゴリラ、対応コメントを冷静に読む。間にインストを少し挟み、速報原稿を自ら読みました。
地震から4分で予定通りの特集に戻り。

RFラジオ日本:ミュージックセレクション【録音番組】
地震の8分後、曲を落としてアナが速報IN。

FMヨコハマ:ゆ〜かりナイト【生】
丁度曲戻りタイミングで揺れ。コアラモード・あんにゅちゃんが動揺する中、相方の小幡さんが冷静に対応コメントを読む。CMを挟み1曲。地震8分後、アナによる速報IN。

ベイエフエム:9の音粋【生】
曲戻り直後に揺れ。クリス松村さん、最初は動揺しながらもフリーで繋ぐ間に落ち着き対応コメントを読む。地震3分後、速報原稿を自ら読む。ご本人は「え?!曲?」と驚くものの、予定のラス曲ビリージョエルを掛けて、エンディング。最後までリスナーを気遣う。

LUCKY FM(茨城放送):ミュージックピックアップ・アフターミレニアム【生】
曲中に揺れ。直ぐにスタジオ戻りで大島アナ自ら冷静に対応コメント。1分後、曲に戻るも直ぐに切り、速報原稿を自ら読む。地震から6分後、予定のパケコーナーへ戻る。

NACK5:FAV FOUR【生】※銀座スタジオ
CM中に揺れ。スタジオ戻りで結さんが対応コメントを読む。しかし1分後、通常のテーマメールを読み始める。その後、地震の続報無しのまま、エンディングへ。

という感じでした。

意外だったのが、殆どの局で生放送してたんですね。一応、即対応出来ていました。
特に在京AM局は対応が早く、即座に局アナによる報道が出来ています。
FM局はその点、一部を除き報道面は弱く、担当スタッフの対応で分かれた感じです。
それでもTOKYOFMやJWAVEでは、対応マニュアルがしっかりしてると見えて、インスト曲で直ぐに繋いで地震速報原稿を読むという流れがスムーズでした。

それは良しとして、問題は喋り手と番組スタッフの対応というか、心構えだと思います。

昼間の生ワイドだと、その辺は鍛えられてるでしょうが、夜は娯楽番組、タレント番組が多いので、その辺の「アラ」が見えやすくなります。

首都圏は東日本大震災を経験してる分、しっかりしてるか…と思っていましたが、残念ながら10年経過してると疎くなっていたとも思えます。

地震の時こそ、送り手はリスナーを気遣う気持ちが大事です。
マニュアル対応という事では無く、精神論。
揺れに動揺してるリスナーが何を求めるか?
情報だけで無い、ひと言の中身が大切です。
渡辺満里奈さんは、確実に動揺してました。
ジャニーズの二人は、言葉が軽かった。
スクールオブロックの校長、教頭は新任すぐでまだ慣れてなかった。
その点、クリス松村さん、佐藤満春さん、コアラモードの小幡さん、茨城の大島アナは冷静でした。
特に松村さん。最初は動揺していましたが、自分の言葉でリスナーに心が向いていました。途中、Dから曲を挟もうという提案に「え?!」と一瞬反応しましたが、ご本人はエンディングまでの約10分、喋りで繋ぐ覚悟をしていた筈です。夜の地震に不安なリスナーが求める物をよく分かってたんです。それが「言葉」だと
ラジオの心は言葉しか無いんです。リスナーの心に直接入るのは言葉です。最新情報も大事ですが、普段聴いているDJの優しい言葉にリスナーは安心します。それが信頼になります。

その事を、ディレクターも放送作家も心得て居ないと、瞬時の対応を誤ります。

そういう視点で見ると、ナックの放送は酷かった。銀座スタジオからの生放送という不幸中の不幸は有ります。情報が見えない中、どうしようも無いかもしれません。でも、揺れから1分後に通常トーク(メール紹介)に戻るというのは、どうでしょう。はなわさんも戸惑っていたかも?
大宮本社から指示が来なくても、何か出来た事は有ったんじゃないか?と思うんです。ネット社会ですし、ADでも放送作家でも、二次使用であっても、今はこうなってます、震度は、震源は、津波は。。。いや、それ以前に、火を消す、クルマをゆっくり止める等、注意喚起は出来たでしょう。担当プロデューサーに電話して指示を仰ぐ事も出来たでしょう。

そう思うととても残念です。

「どうせ情報はNHKで聞くさ」
はい。ぶっちゃけ、情報だけならNHKには勝てません。でも、それだけじゃ無いのが、ローカルのラジオのチカラです。

今一度、作り手の皆さんは、考えてみてください。
また、有名タレントさんを採用するときは、緊急時の対応は一度二度、説明や練習はした方が良いと思います。

タレントラジオが身近で魅力的だと近年人気だからこそ、ファンを、リスナーを大事に思って欲しいです。自ずと言葉は出て来ます。

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