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逃げてもいいんだよ→全然違います



辛いなら逃げていいんだよ、って言う人がいますよね。

これ、全然違うと思ってます。

なぜかと言うと、「逃げてもいい」と言う時、これは脅威に対して立ち向かうことが前提になっているからです。

実はこれではダメなのです。

僕はよく散歩をするのですが、ふらふらと歩いていると色々な生き物に出逢います。その中で生き方の参考にすべき動物がいるんですね。

その動物というのは「亀」です。
カメさんなんですね。

特にスッポンをよく見かけるのです。

それで、スッポンってどんなイメージか思い浮かべると「噛まれると雷が鳴っても離さない」とかって思い浮かびませんか?

たしかにそうなのですが、スッポンは基本的に噛みつきません。

では実際のところどうなのかと言うと、僕が見た限りでは、スッポンは基本的に逃げ足が速いんですよね。

基本、逃げです。

他の種類のカメも一緒ですよ。
アカミミガメとかイシガメとかもそうです。
彼らも基本は逃げです。


それで逃げきれない時に、始めて殻に篭るんですね。

まだ噛みつきませんよ。

殻にこもっているカメを攻撃し続けると、そこでやっと反撃に打ってくるわけです。最終手段として攻撃し返してくるんですね。

それでそのあとが重要なのですが、噛み付いて、相手が怯んだところを見ると、やはり逃げるんですね。

逃げるための攻撃と行ってもいいかもしれません。そうやって生き残ってきた生き物がカメです。

いや、生き残った動物はみんなそうかもしれません。彼らは自分にとっての「天敵」とは絶対に戦いません。自然界では当たり前のことなのです。


浦島太郎に出てくるウミガメを思い出してください。子どもたちにいじめられていたあのウミガメです。
そんなウミガメを見て、カメさん、逃げたって良いんだよとか普通言わないですよね。
何で早く逃げなかったの!?って言いそうじゃありませんか?

浦島太郎もそんな風にカメを思っていたんじゃないかと僕は思うんですね。

なのに、なぜか僕ら人間の話になると「逃げても良いんだよ」という話になってしまうわけです。

イヤイヤイヤと、自然界で生き残るためには逃げられる時に逃げて、ここぞと言う時に最終手段として闘うんです。生き残るために。

僕らもそうだと思いませんか?

なので、「逃げても良いんだよ」というのは間違いだと思うんです。

逃げることをなによりも先に思いつくことが、生き残るための秘訣だと思います。

でも、逃げ方がわからないのではないでしょうか?
だから逃げても良いんだということになってしまうのではないでしょうか?


いったいどうやって逃げたらいいんでしょう。


それは、脅威から目を逸らさないことです。


適当に逃げた結果、また追い付かれてしまうと元も子もないからです。だから逃げきれたかどうか判断するために、何から逃げているのか、どのくらい逃げきれたのか、もう脅威は去ったのか、と目を逸らさずに向き合う必要があるのです。

そうしないと、自分は逃げているつもりでも、実際には逃げたことになっていないのです。


ではどうすれば、脅威から目を逸らさずに上手に「逃げ」を実践できるのでしょうか。

一つの答えは「紙に書き出すこと」だと思います。今漠然と抱えている感情を思いつくままに紙に書いてしまうのです。

「人に話す」ことも役に立ちます。話せる相手がいる人は誰かに話してみるのもいいでしょう。

自分の手で書き出したり、自分の口から喋ることで、脅威が何だったのか見えるようになるわけですね。ああ、そうだ、これが嫌だったんだ、と理解できます。大体の場合、この時点である程度スッキリすることができます。

しかし、それだけでは解決しないこともあると思います。例えば、会いたくない人とどうしても会わなければいけないとか、こういう場合です。
この職場にいる限り、この学校にいる限り、自動的に会わなければいけない。こういう時に上手に逃げるべきなのです。

思い切って環境を変えることも大事です。その際、可能ならしっかり計画を立ててください。でも、また次の環境でもチクチクチクチクと攻撃されてしまう、前とおんなじだ。こんな時はどうしましょう。

カメがどうするか思い出してみてください。「殻に篭る」でしたね。逃げても逃げても逃げきれない。もうしょうがないから殻にこもってみようというわけです。

ただし基本は逃げです。殻に篭って目をつむってしまうと相手が見えなくなってしまいます。そうすると今度はどこから襲われるかわかったもんじゃありません。なので、しっかり見据えておくことが肝要です。

この場合、殻に篭るというのはどういうことかと言うと、実は思いつきませんでした。
僕には殻がないので、あまりピンとくるものがなかったんですよね。

代わりに、僕らには「助けを求める」という必殺技があるのをご存知でしょうか?

自分では対処できないと思ったら、助けを求めるということを思いついて欲しいのです。でないと、もう手の施しようがないからです。知らんふりして放っておいても問題は解決しないのです。

世の中には、無料で相談を受けてくれるサービスがあります。そういう役割を福祉が担っています。
困っている人を助けるために、わざわざ作ってあるのだから、使えるものは使いまくっていいのです。
119で救急車が呼べるのをみんなが知っているように、社会福祉についても各自が知っておくべきなのです。

助けが必要なら、助けてくれ、力を貸してくれと言えるようになりましょう。

でないと、もうどうしようもなくなって、最終的に噛みつく他なくなってしまいます。

それが例え、どうしようもない状況だったとしても、周りから見れば危険人物にしか見えませんから。そうならないうちに安全な方法で身を守りましょう。

そのために、逃げることは恥どころか最良の選択なのだと知っておいてください。

逃げるが勝ちです。




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