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【新刊紹介】 2024年5月発売の気になる哲学書や本たち


2024年5月に発売される書籍で
読む予定のものを集めた。

下記の目次の中で気になる本を
見つける参考にして下さい。


2024年 4月のおすすめ書籍はコチラ


読んだ本の気づきや感想の
一言メモは下の「ふじむらの読書部屋」で
垂れ流していきます。


それでは
5月の本を一気に紹介します!!

※順番は発売日順です
※購入・読んだ本は目次に★を付けます



1.政治哲学とイデオロギー レオ・シュトラウスの政治哲学論

著者:早瀬 善彦
発売日:2024/05/01


【内容】
道徳哲学・倫理学に還元させる「政治」なき政治哲学論が横行する今日、学としての政治哲学論を再考。善き政治秩序を志向するレオ・シュトラウスの政治哲学論を再構成し、イデオロギーを超えた真の政治哲学像を描き出す。


2.愛・セックス・結婚の哲学

著者:R.ハルワニ
発売日:2024/05/01


【内容】
なぜ人生で重要とされるのか。恋愛・セックス・結婚に関する分析哲学系の議論を紹介する入門書。多数の詳細な具体例とともに、恋愛・セックス・結婚の間の三位一体的な規範的・概念的結びつきを解き明かす。


3.モラル・バウンダリー ケアの倫理と政治学

著者:ジョアン・C・トロント
発売日:2024/05/01


【内容】
道徳性をめぐる議論におけるジェンダーに関する問題を明らかにし、ケアの政治学に関する考察を行った最初の体系的な著作を邦訳。トロントは政治理論・政治哲学の学問的系譜においてケアの倫理を論じ、ケアの政治理論を確立した先駆的人物である。ケアの倫理をめぐる議論は、母子関係を起点にケアを女性と関連づけるところからスタートしたが、本書はケアをあらゆる人間の生や活動として拡張し、現在のケアの倫理の理論的土台を形作るものと評価されている。


4.ブレインサイエンス・レビュー 2024


発売日:2024/05/01


【内容】
2024年版のハイライトは、パーキンソン病の解明であり、複雑な霊長類の脳回路、神経回路を化学遺伝学イメージングで探る研究法の解説である。また、ヒト脳の進化、記憶を長期保存するメカニズム、Dreadd を介した、視床から大脳皮質へ送られる並列経路の解明、不確実性下の総合的意思決定を媒介する神経回路、うつ病におけるサイケデリック(セロトニン作動性幻覚薬)の利用であり、睡眠時のイメージング解析であり、統合失調症と不眠症の治療について言及。


5.デジタル時代の哲学

著者:渡部 正元
発売日:2024/05/02


【内容】
デジタル時代は経済の低成長にあって賃金が上がらないなか、情報を独占する者が利益を得、格差が上昇している−。佐藤典司、ポール・メイソン、斎藤幸平等の著作の評論を通し、デジタル時代の諸問題と格差の問題を考察する。


6.忘却の効用 「忘れること」で脳は何を得るのか



著者:スコット・A.スモール
発売日:2024/05/02


【内容】
認知機能、創造力、メンタルヘルス、人格形成、そして記憶にも、「忘れること」が必要だった。神経生物学、医学、心理学、コンピューター科学などの分野の知見から、脳の機能としての〈忘却〉にまつわる驚きの発見を描く。


7.連合の系譜

著者:互 盛央
発売日:2024/05/02

【内容】
森羅万象がここで歌っている−。古代ギリシア・ローマから近現代に至る精神史を追跡し、限りなき連合の姿を甦らせつつ人間的営為の根源に迫る。「エスの系譜」「言語起源論の系譜」に続く書。3冊すべてを対象とする索引付き。


8.分断された世界をつなぐ思想 より善き公正な共生社会のために


著者:山脇 直司
発売日:2024/05/02


【内容】
人類の共滅と国内の分断加速が懸念される今、どこに未来への希望を見出せるか。公共哲学と共生思想を基に、教育、福祉、環境、国際、経済、宗教等での共生への道を探り、教養教育と哲学の意義を復権して、喫緊の課題に応える。


9.社会学者のための論文投稿と査読のアクションリサーチ


著者:樫田 美雄
発売日:2024/05/02

【内容】
論文投稿と査読に関わる不可思議な世界を学的に解明し、その成果を実践者に還元しつつ、学的にも発展させる一冊。現場で起きていることの実際に分け入り、「投稿と査読の様々な局面」に応用可能な知見を示す。


10.心のケアが必要な思春期・青年期のソーシャルワーク 新訂


著者:西隈 亜紀
発売日:2024/05/07

【内容】
10代20代の若者に心のケアを必要とする「何か」が起こる。それは精神科由来の病気だったり、健康な成長過程に現れる内面の揺らぎだったり、家族歴や生活環境を背景として問題化したものだったりします。
 このとき登場するのが支援者です。しかし、「他の年代のような支援はなかなかできない」といわれています。理由の一つは、制度と制度の狭間に落ちて利用できる福祉サービスが少ないこと、もう一つは心身ともに成長途上にある思春期・青年期へのかかわり方が現場で十分に技術化されていないことです。
 そうした実情もふまえて、本書は「若者に特化した援助技術」を体系としてまとめています。若者支援でポイントになる7つのテーマについて「かかわり方の基本」を解説し、支援者がよく遭遇する場面は事例編として特設し、対応の流れを詳述しています。


11.純粋行為としての精神の一般理論


著者:ジョヴァンニ・ジェンティーレ
発売日:2024/05/08


【内容】
ヘーゲル弁証法を転倒させた独自の行為的観念論を展開するジェンティーレの哲学的主著(1913年)を改訂第6版(1938年)より完訳。関連論考4篇、訳者による詳細な著者紹介を付す。


12.ドゥルーズと芸術

著者:アンヌ・ソヴァニャルグ
発売日:2024/05/08


【内容】
ドゥルーズの哲学における概念の創造に、芸術はいかにして重要な役割を果たしてきたのか。初期から最晩年まで取り組み続けた芸術をめぐる思考の変化とともに、その概念の生成の過程を明らかにする。


13.責任あるAIとルール

著者:古川 直裕
発売日:2024/05/10


【内容】
AI倫理を専門とする著者がAIに関するさまざまな法的社会的課題とそれらへの対処方法をどなたにでも分かるように解説。社会課題を解決し、社会に多くの希望をもたらすAI。一方で人々の中にわきあがるAIへの不安。どのようなルールが求められるのかを探り、人間、企業体、国とAIとの付き合い方を示す。


14.日本現代史考 戦後史概観と21世紀の展望


著者:石坂 匡身
発売日:2024/05/10


【内容】

日本はどのように変貌しつつ歴史を刻んできたのか。第2次大戦後の昭和30年から今日までの約70年を振り返るとともに、21世紀のこれからの世界がどうなっていくのか、心すべきことは何かを記す。



15.編棒を火の色に替えてから 冬野虹詩文集

著者:冬野虹
発売日:2024/05/10


【内容】
俳句・詩・短歌・童話・歌詞・絵画など多様な形式でのきわめてすぐれた表現を達成し、吉岡実(詩人)、中西夏之(美術家)、永田耕衣(俳人)ら第一級の芸術家たちが才能をみとめた作家、冬野虹(1943-2002)による珠玉の作品群および散文をあつめた詩文集がついに刊行。

2015年刊行の『冬野虹作品集成』(四ッ谷龍編、書肆山田)より主要な作品を抄出し、同書未収録であった詩歌や散文および著者自身による挿画を掲載。巻末には俳人であり夫である四ッ谷龍による冬野虹論「あけぼののために」と回想録「冬野虹との二十年」を併録。


16.真のモラルコンパス リーダーシップを問われる場面における「現実、責任そして実行可能性」を定義する

著者:ジョセフ・L・バダラッコ
発売日:2024/05/13


【内容】
幅広い分野における最先端の研究や実践的解釈に関する簡潔な要約書籍のシリーズである、シュプリンガー・ブリーフ・イン・フィロソフィーの最新巻の完全日本語訳。 本書は、私たちの最も難しい決断について、新鮮で挑戦的かつ実践的な視点を提示します。教職者や研究者には新しい概念的なアプローチを提供し、リーダーやマネージャーには実践的なガイダンスを提供します。


17.うつむく眼〈新装版〉

著者:マーティン・ジェイ
発売日:2024/05/13


【内容】
二〇世紀フランス思想は近代における視覚の覇権体制に反旗を翻した。絵画、写真、映画等々の視覚芸術から哲学、宗教、心理学、ジェンダーにいたる諸論点をめぐり、ベルクソン、サルトル、メルロ=ポンティ、レヴィナス、ラカン、フーコー、デリダらの思考が「反視覚」の一点において重なり合う圧倒的思想史にして、フランクフルト学派の研究で知られる著者の新展開を鮮烈に印象づけた記念碑的大著。


18.日本文学の統計データ分析

著者:伊藤和光
発売日:2024/05/13

【内容】
統計学と日本文学研究のフュージョン。俵万智、谷川俊太郎、芭蕉の連句を、新しい視点から研究。


19.臨床心理学 第24巻第3号 
臨床心理学における多元主義


発売日:2024/05/14


20.芸 秘伝伝授の世界

西山 松之助
発売日:2024/05/16


【内容】
絵画、舞踊、演劇、武術、茶、花、刀剣鍛造・鑑定……体を使って文化価値を創造する「芸」は、いかに習得し、創造していくものなのか。師匠から弟子への相伝作法から見る日本人の精神構造。家元制度というシステムの背景。千利休や芭蕉、世阿弥の芸術論や「秘伝」の哲学と社会的役割など、「芸道」という独特の文化社会を考察する!


21.理性の呼び声 ウィトゲンシュタイン、懐疑論、道徳、悲劇


スタンリー・カヴェル
発売日:2024/05/16


【内容】
世界も、他人の心も、決して本当に知ることはできない。もし、心からそう考える人がいたら、不安に押しつぶされてしまうだろう。人間の実存に関わるこうした考えを初めて哲学的に追究したのはデカルトである。それ以来、この哲学的懐疑論は近代哲学のかたちを決定づけてきた。だとすれば、哲学自体はこの懐疑論を克服できないのだろうか?

ウィトゲンシュタインやオースティンの日常言語哲学から、ソローやシェイクスピアなどの文学、また映画、音楽をも横断し、これ以上なく透徹した論理と文体が、哲学の限界を切り開く。言語哲学、認識論、道徳理論を揺さぶり、大陸哲学と分析哲学を調和させ、哲学に人々の日常の「声」を呼びもどすとき、そこに立ち現れるものは何か。

アメリカ哲学の巨人が遺した、哲学史に残る傑作!


22.嘘の真理(ほんと)


著者:ジャン=リュック・ナンシー
発売日:2024/05/16


【内容】
「なぜ嘘をついてはいけないの?」 21世紀のフランスを代表する哲学者ジャン=リュック・ナンシーが「これまでで一番難しい」テーマ、〈嘘〉について語った楽しい哲学入門!自らの少年時代や身近な社会問題を例にあげながら、聴衆である子どもたちとともに嘘について考えます。「誰でも嘘をつくんですか?」 「良い嘘もある?」 「動物は嘘をつくことができる?」 「嘘は真実にもなりえますか?」 「他人が嘘をついているのを見抜く方法は?」……あなたならどう答えますか?
やわらかに、ときに茶目っけたっぷりに語られる「嘘の真理(ほんと)」は、「信頼」の問題へ、さらに著者が生涯をかけて考え続けた「共同体」の問題へと展開していきます。「嘘は根本的に、まさしく他人への関係なのです」。ナンシーとその思索を明快に紹介した訳者解説とともに贈る、哲学への極上の招待!


23.現代思想 現代思想+ 15歳からのブックガイド 2024年6月臨時増刊号

発売日:2024/05/17


【内容】
考えることを人生にプラスする
時代もジャンルも問わず、専門家が選びぬいた一冊を集め、これからを生きる人たちに向けて送る珠玉のブックガイド。表面的なわかりやすさに流されることなく、しかし平易に綴られた文章は、たんに読者に一冊の概要を知らせるのではなく、その書物の
向こうに広がる知の宇宙へと読者が旅立つためのスタート地点の役割を果たしてくれるだろう。


24-25.ロールズ 哲学史講義 上・下 新装版

ジョン・ロールズ
発売日:2024/05/20


【内容】
「道徳哲学の歴史に関するロールズの思想の中心にあるもの、それは、わたしたちの伝統がもつ偉大なテキストのなかに、人生をいかに生きるべきかに関する多くの困難きわまりない諸問題に甘んじてかかわろうとする、偉大な知性たちの努力を見ることができる、という考え方である。」(「編者の緒言」より)
『正義論』によって現代の政治哲学に深甚な影響を与えたロールズ教授の、30年におよぶハーバード大学での道徳哲学をめぐる名講義をまとめた大冊である。
穏やかな情念と厳密な理性の連携が、合理的熟慮と人為的徳を導き、そこから生ずる道徳感覚は、人間本性に内在する自然な事実である、とするヒュームの心理学的自然主義。神が創造した最善の世界のもとで、自発的で個別的な理性的魂が、各々の内なる知性の自由を表現する、というライプニッツの形而上学的完全性主義。そして、理性の理念としての道徳法則に基づき、総合的かつア・プリオリな定言命法を定式化する、カントの純粋実践理性の批判へ。
『人間本性論』や『道徳形而上学の基礎づけ』といった、道徳哲学の古典の詳細な読解をつうじて、道徳的構想が担う社会の公共的秩序と構造を探究する、ロールズ版哲学史の精髄。全2巻。


26.セクシュアリティの歴史社会学 新装版


著者:赤川 学
発売日:2024/05/20


【内容】
明治以降近代日本のセクシュアリティはいかに形成され、どのように変容したか。膨大な資料を渉猟・分析、言説形成過程を検証する。近代日本のセクシュアリティ言説形成過程に見出された一定のパターンをオナニーに関する言説に焦点に検証するとともに、「性=本能論」「性=人格論」が拮抗し交錯して慣習や制度を形成してきた様を素描。哲学、理論社会学、フェミニズムなどセクシュアリティ研究の成果に理論的検討を尽くし、資料を検証する方法論の確立を目指す。


27.新しい教育原理[新版]


著者:広岡 義之
発売日:2024/05/21


【内容】
「教える」ことと「学ぶ」ことの基本と現代教育の抱える課題をわかりやすく解説する教育原理の入門書。新しい学習指導要領に沿った内容、教育制度の概要のほか、幼児期からの子どもの育ちについても含めて考える。


28.崖っぷちだったアメリカ任天堂を復活させた男


著者:レジー・フィサメィ
発売日:2024/05/22


【内容】
ウォールストリートジャーナルベストセラー!

ハイチ移民の子として生まれたアメリカ任天堂の元社長兼COOのレジー・フィサメィが35年のキャリアで学んだ教訓と哲学とは?

・自分の考えを貫く勇気を持つ方法とは?
・絶え間ない好奇心を持ち続ける方法とは?
・業界のトップに立つために必要な方法とは?
・現状を打破するタイミングを見極める方法とは?

P&G、ペプシコ、VH1などでキャリアを積み、アメリカ任天堂のトップまで上り詰めた男のキャリアを通じて直面した困難を打破し、ゲーム産業史上最もパワフルな人物の一人になるまでの激動の人生


29.開国経験の思想史 増補新装版 兆民と時代精神

著者:宮村 治雄
発売日:2024/05/22


【内容】
「黒船来航」から始まる西洋経験は、西洋の知的遺産を受け入れるきっかけとなっただけでなく、日本の歴史と現実を対象化する重大な契機にもなった。中江兆民を中心に、福沢、陸などの思想的営為に含まれる意味を考察し、近代日本思想の原点に迫る。「補論 『東洋のルソー』索隠」を増補。


30.本居宣長 「もののあはれ」と「日本」の発見

著者:先崎 彰容
発売日:2024/05/22


【内容】
日本思想史を画す「知の巨人」。その肯定と共感の倫理学とは。中国から西洋へ、私たち日本人の価値基準は常に「西側」に影響され続けてきた。貨幣経済が浸透し、社会秩序が大きく変容した18世紀半ば、和歌と古典とを通じて「日本」の精神的古層を掘り起こした国学者・本居宣長。波乱多きその半生と思索の日々、後世の研究をひもとき、従来の「もののあはれ」論を一新する渾身の論考。


31.現代思想 〈友情〉の現在(仮)2024年6月号

発売日:2024/05/23

【内容】
あいまいな〈友情〉のかたちを捉える
「家族」や「恋人」という枠組みには収まらないつながりが切実に考えられつつある今、〈友情〉はいかなる可能性もしくは問題を秘めているのか――。シスターフッドの再評価やホモソーシャルへの批判といったの潮流に目を向けつつ、これまで見過ごされてきた関係のあり方や〈友情〉という概念そのものに正面から向き合いたい。


32.最終講義 学究の極み


発売日:2024/05/24

【内容】
日本の知の礎を築いたのは、飽くなき探求心を持ちつづけた学者たちだった。土居健郎は言う、「まず「わかる」とはどういうことかということをわかる必要があるでしょう」。禅の本質を説く鈴木大拙、インド思想史に人類史的な普遍性を見た中村元、心理療法の目的を自身の物語の発見に見いだした河合隼雄、人間と自然の関係の変化が歴史学に課題をもたらしたと指摘する網野善彦……。日本を代表する「知の巨人」たち、その学問の総決算ともいえる最終講義を精選したアンソロジー。「学究の極み」篇では、日本の知の礎を築いた学者たちが生涯をかけて追究した研究テーマ、その集大成を披露した講義を収録。冒頭に各講義の要約を付し、難解な講義も概要をつかみやすくした。推薦・若松英輔


33.ただ生きるアナキズム


著者:森 元斎
発売日:2024/05/24


【内容】
国家や資本主義が私たちの欲望をさまざまに制限する現代にあって、「ただ生きる」とはどういうことか。「ただ生きる」ために、私たちは何をすべきなのか。

アナキズムの観点から、キング・クリムゾンを聴き、ゴダールや石牟礼道子の物語に飛び込み、デヴィッド・グレーバーや鶴見俊輔と対話してその思想を大胆に読み替える。社会の編み目にある暴力や非対称な関係性をあぶり出し、それらを避けるための基盤として相互扶助があり、自由があり、欲望があることを描き出す。

音楽や映画、文学、思想を軽やかに跳躍して、硬軟織り交ぜた文体とときに挑発的な語り口で国家や資本主義と対峙する。そして、不断の努力と相互扶助で日々の営みを支え、小さなさざ波から大きな潮目を変えていく、日常にあるアナキズムの可能性を活写する。


34.マルクス、エンゲルスの国家論


著者:大藪龍介
発売日:2024/05/24


【内容】
マルクス主義理論研究の道を拓かせた論集。

 21世紀の世界と日本の現状況は、貧富の格差の凄まじい拡大、民主主義の更なる形骸化、強(大)国による弱肉強食の横行、人心操作イデオロギーの氾濫、地球環境の未曽有の破壊、等々、経済的、社会的、政治的、文化的危機を打開し変革するための新たな人間解放理論が緊切に要請されている。マルクス主義は、「マルクス・レーニン主義」と決裂するのみならず、「マルクス・エンゲルス問題」(マルクスとエンゲルスの理論的異同)や「カール・マルクス問題」(初期・中期・後期のマルクスの理論的変遷)を吟味し、更には“本当のマルクス”にも所在する限界や過誤を掴み取って、マルクス理論をも超え出る形での新規開拓を求められている。 
 マルクス主義と対面する若い世代の活動家や研究者が、旧来の伝習から離れ、マルクスやエンゲルスの古典的な理論の意義と限界を検分する基礎作業の足場の一つとして、『マルクス、エンゲルスの国家論』が役立つことを願っている。


35.オッペンハイマー クリストファー・ノーランの映画制作現場


著者:ジェイダ・ユエン
発売日:2024/05/25


【内容】
『オッペンハイマー』のすべての謎が今、解き放たれる。

ノーランが脚本、監督を担当し、IMAXカメラで撮影された『オッペンハイマー』は、世界を救おうとして原爆の悲劇を引きおこしただけでなく、すべてを破壊しかねない危険を冒した、謎めいたひとりの人物を追うパラドックスに満ちた息を呑むスリラーだ。

プロデューサーはエマ・トーマス、チャールズ・ローヴェン、そしてクリストファー・ノーラン。

オッペンハイマー役はキリアン・マーフィーが、妻のキティ役はエミリー・ブラントが務め、オスカー俳優のマット・デイモンはレズリー・グローヴス将軍を、ロバート・ダウニー・Jr.はルイス・ストローズを演じる。

本書では、『オッペンハイマー』の脚本段階から資料集め、美術セット建設、撮影、完成までの道のりをマーフィー、ブラント、ダウニー・Jr.などの主要キャスト、監督、スタッフの膨大なインタビューと図版を交えて紹介する。


36.25年後の東浩紀 『存在論的、郵便的』から『訂正可能性の哲学』へ


編著:宮﨑裕助
発売日:2024/05/27


【内容】
二〇二三年九月二日(土)、専修大学神田キャンパスで行なわれた脱構築研究会シンポジウム「25年後の『存在論的、郵便的』から『訂正可能性の哲学』へ――東浩紀氏とのディスカッション」の全記録に、加筆修正。第1部、第2部は当日の発表と質疑応答の順序をそのまま再現。第3部は『存在論的、郵便的』の解説篇として、同書を詳細に読み解く。第4部は読解篇であり、シンポジウムでは『訂正可能性の哲学』を中心にコメントをしていた編者(宮﨑)が、シンポジウムの討議を経て、あらためて『存在論的、郵便的』を読み、その論点を検討し直すもの。
「『存在論的、郵便的』で投げかけた問いみたいなものが、うまく自分の中で回収されないまま、ここまでずっと来てしまった。そういう意味では、今回『訂正可能性の哲学』を書いて、長い宿題をようやく終えた感じがしています。そのタイミングで、こういうシンポジウムが開かれるのは、本当に奇遇というか、タイミングがぴったりあったと思います。」


37.もっと問いかける法哲学


著者:瀧川 裕英
発売日:2024/05/27


【内容】
賛否が分かれる論争的な問いに“いきなり”取り組むことによって、法哲学の概念や考え方を“体で覚える”テキストとして好評を得た『問いかける法哲学』(2016年刊)の続刊。“いきなり”実践型のアプローチはそのままに、問いかけるテーマを一新。法哲学の基礎から応用までを学ぶ。


38.解釈学入門

著者:ヘルムート・ダンナー
発売日:2024/05/27


【内容】
解釈学(Hermeneutik)とはどのような思考の方法なのか。日常のあらゆる事象の意味を理解し、言葉や記号を翻訳することそれ自体の意味や作用を吟味するこの学問的構えは、ギリシャ・ラテン以来の西洋哲学の伝統に根ざし、近代以降はシュライアマハー、ディルタイ、ハイデガー、ガダマー、リクールらのテキスト解釈の技法に結実してきた。そのエッセンスを初心者にも分かりやすく記述した格好の導入書。


39.天才の臨床心理学研究 発達障害の青年と創造性を伸ばすための大学教育

発売日:2024/05/29


【内容】
名古屋大学の臨床心理学研究者たちが探ったノーベル賞クラスの「天才」研究者の創造性の原点とは──

この本は,ノーベル賞を受賞した天才研究者をはじめとした,世界的な業績のある理系の研究者たちの協力を得て,彼らの中にある「創造性」を心理アセスメントで解き明かそうとしたものです。
天才たちの多くは,ちょっと社会の枠組みからはみ出した変わり者。発達障害と診断される可能性もあります。一方,その天才たちは,その社会性のなさから社会からつまはじきにされ,空気が読めないと周囲の理解を得られません。
現代社会においては,天才たちをつぶすのも,創造の翼を広げさせるのも大学教育にかかっています。天才たちの個性と周囲のあり方を考えた1冊です。


40.ぼくの哲学


著者:アンディ・ウォーホル
発売日:2024/05/29

【内容】
その男、偶像か、トリックスターか。NYを舞台に世界を熱狂させ続けたアーティストの稀有なる証言。シャイで神経質だった幼少期から、孤独を受け入れた途端に取り巻きができ、夜な夜なパーティに繰り出した狂騒の時代まで。「芸術家は英雄(HERO)ではなく無(ZERO)」「芸術なんて作ればもう新しくないと豪語し、ひとところに留まらなかった時代の寵児は何を見、何を語ったか。唯一無二の決定的自伝。


41.生命と学びの哲学 育児と保育・教育をつなぐ

久保 健太
発売日:2024/05/29


【内容】
人が「育つ」「学ぶ」「生きる」ということを,これほどまでに直接的に扱う実践的学問は,「保育・幼児教育」をおいて他にないだろう。またそこに「哲学」がないはずはない。本書では,育児,保育・教育について熟考を重ねてきた著者の多彩な論考から,保育の実践知を言語化するために必要となる〈実践に埋め込まれた哲学〉を掘り起こす。


42.哲学者カフカ入門講義

仲正 昌樹
発売日:2024/05/29


【内容】
没後100年。

ドゥルーズ+ガタリ、ベンヤミン、アドルノなど、哲学/現代思想の諸理論の視座から、カフカの主要作品を精読し、解釈を加えることを通して、世界を見る時の「自分」の視線の動きを変調させるやり方を学ぶ。今までなかった哲学の視点からスリリングにその奇怪な小説の世界を読解する。


漫才でありそうな、ちょっとしたボケの効果が――読者がこの程度のことはそれほど珍しくもないなと思っているうちに――徐々に大きくなっていき、いつの間にかとんでもない不条理に発展していることに、しばらくしてから気付く。そういう、気付かないうちに読者の時間感覚、秩序感覚を狂わせてしまうような文体にこそカフカの魅力があると思う。


43.野矢哲学に挑む 批判と応答

著者:金杉 武司
発売日:2024/05/31

【内容】
現代の日本を代表する哲学者の一人である野矢茂樹は、知覚、意味、他者、そして心など、さまざまな難問に向き合い、みずからの言葉で考えつづけてきた。その思索に九人の気鋭の哲学者が挑み、議論の弱点・難点を論じ、批判を繰り出す。野矢もそれを受けて応答、言葉と言葉の真剣勝負がはじまる。最前線で繰り広げられた対話の記録。


44.挨拶の哲学


著者:鳥越覚生
発売日:2024/05/31


【内容】
挨拶に関し様々な角度から思索を重ね、挨拶という現象の意義を解明する。人は森羅万象と挨拶をするために生まれてきたのではないか。


45.カツオの古代学 和食文化の源流をたどる

著者:三舟 隆之
発売日:2024/05/31


【内容】
出汁として日本の伝統的な食文化であるカツオ。奈良・平安時代、駿河・伊豆産のカツオは税として遠く都まで運ばれたが、長距離移動を可能にした保存加工法には謎が多い。調理・運搬用の土器や木簡など考古・文献史料を多角的に検証し、さらに最新の科学技術によるデータ分析で古代の調理法を再現実験。今なお受け継がれるカツオ文化の基層に迫る。



以上が

2024年5月に一度手に触れて
読んでみたい本である。


読んだり、他にも気になる本
見つかればこちらに簡単な書評や追記など
コチラにしていく予定です。

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