「桃太郎にどんでん返しを入れてみた」をやってみた

元ネタはこちら→
ぴこ山ぴこ蔵「どんでん返しを入れてみた!」

どんな経緯でやってみたのかはこちら→
スパイラルなブログ ~another world~

まずはどんなもんか読んでみてください。

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桃太郎+どんでん返し
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『桃太郎 新たなる闘い』

昔々あるところに、お爺さんとお婆さんが暮らしていた。
ある日、お婆さんが川で洗濯をしていると、川上から大きな桃が流れてきた。
持ち帰った桃を割ると中から元気な男の子が生まれる。
老夫婦は赤ん坊を桃太郎と名付け大事に育てる。

成長した桃太郎は、血気盛んな若者になった。
しかし娯楽もなく老人ばかりの村において、桃太郎は持てるエネルギーの発散場所がなかった。
お爺さんの柴刈について行って、山で刀の稽古をするものの、木相手では張り合いがない。

そんなある日、鬼ヶ島の存在を知る。
脅威として怖れられていた鬼は、今はその島にこもって生息しているとか。
いつかまた海を渡って人間に害を加えないとも限らない。
脅威は排除すべきだ。
鬼は人間の敵。退治しなければいけない。
義憤に駆られた桃太郎は、鬼退治に行くことを決意する。

若者の旅立ち。
お婆さんは“きびだんご”を作った。
かつては戦に赴く者へ渡した伝統食だったが、今は作る機会がなくなっていたもの。
縁起もいいし日持ちもするからといって、桃太郎へ渡した。

道中、イヌ・サル・キジと出会い、きびだんごを与えて仲間にした。
きびだんごを食べると、皆元気になってついてきた。

旅路の末に、鬼ヶ島についた。
若くたくましい桃太郎は、ようやく刀の腕を振るうことができると意気込んで、島に上陸した。

しかし、そこに鬼はいなかった。
鬼の死体があちこちにころがっている。
島を探索したものの、生きている鬼はいないようだ。
鬼はすでに滅びていた。

いったい何があったのだろうか。
疑問もあるが、それよりも己の力を振るう機会がなかったことが残念だった。仕方なく帰路につく。

帰りの道すがら、桃太郎は徒労に終わった旅のことを思うと、気持ちが落ち込んだ。
ここにきて疲労も出てきたようで、体力的にもしんどくなってきた。
しかし、残ったきびだんごを皆で食べると、実家のことを思い出し、不思議と力が湧いてくるのだった。
早く帰ろう。

そうして村に戻った桃太郎一行。
お爺さんお婆さんは喜んで迎え入れる。
近所の人らも招いての、宴会が催された。
桃太郎は何もしていないことを恥じていたが、皆は、彼が無事に帰ったこと、そして鬼の脅威がなくなったことに喜んだ。

その日の未明。異変は起きた。
お爺さんとお婆さんが、布団の中で苦しんでいるのに桃太郎は気付いた。
何か病気だろうか。
イヌたちに近所の人を起こしてきてくれと頼む。
しかし、近所の人たちも皆同じように苦しんでいた。

いったい何が起きているのだ。

キジがあることに気付いた。
「鬼ヶ島の鬼たちは流行り病で滅びたのかもしれない。そして、それと同じ病がここで広まっているのかもしれない」

桃太郎は衝撃を受ける。
「俺たちが、病を連れて帰ってしまったのか」

サルが疑問を口にする。
「それならなんで我々だけは平気なのだ」

イヌはひらめいた。
「きびだんごだ。前にきびだんごを食べたら元気になった。それに、食べたオレらだけは今、なんともない。きっと何か薬効があるのだ」

桃太郎は苦しんでいるお婆さんから、きびだんごの作り方を聞き出した。
桃太郎イヌサルキジの協力のもと、材料を用意し、病の人をうちに集め、介抱し、きびだんごを大量にこしらえた。
きびだんごは確かに効果があった。

村中に広まりかけていた病は、桃太郎らの働きによって、無事収束させることができた。

危機は去ったのだ。
丸1日たっていた。
再び、夜が明けていく。

くたくたに疲れた桃太郎たちは、家の縁側に座り込んで、明るくなっていく東の空を見ていた。
桃太郎は、イヌたちに言った。
「今まで戦いとは刀を振るうことだと思っていたんだが、それ以外にも闘いってあるんだな」

その後、桃太郎は医者になり、きびだんご薬の開発をして、国中の病と闘い続けましたとさ。

<おしまい>

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※とりあえずこれあらすじなんで!
そのうち、解説・分析とか、別バージョンも公開します。


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