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現実逃避してもいいんです。

 本屋大賞を2度受賞した凪良ゆうさん。
どんな人か知りたくて検索していると、過去のインタビュー記事を見つけた。
以下、読売新聞オンラインの2023年8月の記事からの抜粋。
 (https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/stop01/interview/20230828-OYT1T50124/2/
正直、人生はしんどいことの連続です。家にも学校にも、居場所がない子は、小説や漫画、推しの芸能人、ゲームなど何でもいいから、とりあえず、逃げ込める場所を作ってほしい。見たくないものからは徹底的に目をそらしてほしい。直視して心が潰れるくらいなら、自分だけの小さなシェルターに籠もって嫌なことからは全力で逃げて、心を守ってほしい。それを逃げだと非難してくる人たちのことは、「ぬるい人生送っていて幸せですね」とばかにしていい。 
 
 これを読んだ時涙が止まらなかった。初めて自分を肯定してもらった気がした。自分も辛い時、小説・漫画・ドラマ・映画、いろんなエンタメで現実逃避してきた。今でもしている。
 
 学生の頃、こんな現実逃避せずに、もっと勉強や部活をがんばり、友達を作って、リアルに恋愛した方がいいのではと、自分を責めたこともある。でもその時は、現実から逃げないと心がつぶれていた。宗教に傾倒する両親。攻撃的な兄。とても居心地のいい家とは言えなかった。
 
 現実の辛さから私を救ってくれたのが、小説や漫画にドラマ、映画だった。今でもそれは変わらない。今年に入ってすぐの能登半島地震の辛さは『推しの子』で、芦原妃名子先生の訃報は『おっさんずラブ』で乗り越えた。乗り越えたと言うより、心を守るために逃避した。
 
 募金をし、防災グッズを見直し、それでも地震のニュースを見聞きすると不安に押しつぶされそうだった。そんな時、テレビもラジオも消して、ひたすら『推しの子』鑑賞。YOASOBIのアイドルが気分を上げてくれた。
 
 芦原先生の事は考えると涙が止まらなくて、自分でもこんなにショックを受けるなんて思わなかった。『おっさんずラブ』で笑って笑って、考えないようにした。どんなに泣いても、誰を責めても先生は戻ってこないから。
 
 これからも現実逃避をしながら生きていく。逃げて逃げて逃げた先で、今のパートナーと宝物のニャンズに出会えたよと、10代、20代の私に教えてあげたい。大丈夫。これからも大丈夫。

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