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今年もありがとうございました

2023年は、大好きな海の側で暮らすという夢が叶った年でした。

伊東へ初めて来た時は、ここで何かを始めるぞ!と意気込んでいたわけではなく、ここでなら暮らせる気がする…と引き寄せられていくような感覚だったのを覚えています。そこで見つけたものは、ごくごく当たり前の日常生活でした。ずっと側にあったはずなのに気づかず通り過ぎていたことがたくさんあって、その一つ一つを拾いあげていくことで、自分というものを取り戻していったような気がします。


漂う波の音やトンビの鳴き声に耳を傾けてみたり、窓の外の空の色が綺麗で家を飛び出して見に行ったり、道端でご近所さんと世間話をしたり、朝一に漁港で獲れた魚の刺身に合わせておかずを考えてみたり、通っているお店の人に顔を覚えてもらえたり、洗面用具だけを持って歩いて温泉まで行ったり、そんなどこにでもあるただの日常風景は、とてもドラマチックに私の人生を彩っていきました。

これらのことはいくらやっても、社会的に評価されることはないでしょう。だからどこかでどうでもいいことだと思い始めて、自分の人生から排除してしまう。何か結果を残すことだけが、何かを成し遂げることだけが自分のアイデンティティーを保つ術になってしまう。それだけではやっぱり疲れてしまうと思うのです。他人から見ればどうでもいいことだとしても、自分が喜んでいればそれはとても大切なこと。私は海の側で暮らしたいという自分の気持ちに応えたことで、今も安心して自分を喜ばせてあげられているのだと思います。


何より、「一人で生きていない」と思えるようになったことは大きいです。もちろんこれまでも家族や友達、ファンの皆さまに支えられていると感じていましたが、今はよりたくさんの、もっと大きなものによって生かされているのだとも感じています。それは伊東に息づく大自然がそうさせているのでしょう。悩みがちっぽけに思えてしまうほど海も山も雄大で、自分はそのほんの一部分でしかないことを実感できると、また安心に繋がっていきます。だから自分で全てをコントロールできると思い始めた瞬間から、むしろ世界は狭まっていくのかもしれません。

今の私は色んなものに生かされ成り立っていると意識できるようになったおかげで、世界はどんどん広がって、やりたいことがとめどなく溢れてくるようになりました。伊東へ来てからは朝起きた瞬間から夜眠るまで、退屈だなあと感じたことはありません。日々移ろう自然の景色と、街の人々とのコミュニケーションで、毎日がドラマや映画のようでした。それはこの場所が特別なのではなく、きっと私が人生から排除してしまっていただけなのです。


それらに気づかせてくれた、今ある全てのことに感謝です。変わらず応援してくださったファンの皆さま、新しく繋がってくれた皆さま、家族、友達、2023年も本当にありがとうございました。来年も日々を大切にしながら、作品をたくさん作っていきたいと思います!

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