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変わらずに、好きなもの


雪が降りました。
積もりました。
雪を見つめていたわけではなく、夜半、木工小屋からの帰路、積もった雪のその量を知りました。

どうしたわけか、子供の頃から長靴が好きです。
小さな子供は皆、長靴が好きと思っておりますが、私は未だなお
大の大人になってもまだ、長靴が好きです。
そういえば大の大人の大って、なんでしょう?
困ったもんです。本を読んでいても、この言葉の意味はとそう思って
しまったら最後、そこで思考は停止。その答えを知るまでは先へ進むことができません。文章を書いていても同じなのでしょうか?

すみません、脱線をしました。  本題へと戻ります。

そうそう、長靴の話。
水たまり、川、そして雪、長靴を履きます。
足が濡れるその心配はなくなります。ザブザブと歩くことができます。
雪は、独特の音。
軋むような、足音。
夜半、足跡のない道を進みます。 真っ白な雪を踏みしめて、その都度
軋むような独特の音を味わいつつ楽しみながら。

里山に雪が積もるのは、久方ぶり。

夜半、寒さも厳しいですし。それよりももはや子供が外に出る時間では
なく、大人がわざわざ雪道を好んで歩くために外へ出るはずもなく、
今夜のこの雪道は、私の一人占め。

スキーにうつつを抜かしていた若かりし頃。
そのかつての日々がありますから、こう見えても雪に足を取られて
転ぶということは、ありません。

雪、たまさかの雪を見て、どこか心踊るような気持ちになる
大人になっても尚、自分の中にそういう思いがどこかに有る事を
知っています。 それでもやはり大人の端くれですから人目があるところでその気持ちをさらけ出すことは出来兼ねます。

今宵の短い時間。雪道をゆく。
ささやかな静かな楽しみ、つかのまの楽しみ。 好きな長靴を履いて。