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■ダンサー人生[第十話]

あなたは、自分の中の「本当の姿」を知っていますか?そして、その本当の自分に変身する鍵を手に入れましたか?誰も知らない、本当の自分に会いたいですか?yesであれば、この話(ストーリー)をヒントに、本当の自分に会う鍵を見つけてください。■■■

 「よさこいですよ。」そう、教えてもらったその日、私は、よさこいの踊り子(ダンサー)になる決意をした。

 この会場に集まった人々は、皆、踊り子希望なのか。男女比率では圧倒的に女性が多い。年齢層も中高生から年配まで幅広い。私はちょうど中間層のようだった。運営スタッフの方からの説明によると、早速本日から踊り子の振り付けをするというのだ。つまりは、この会場にいる人々は皆、踊り子になるということだ。明らかに100名以上いることは容易に把握できた。100名以上が一気に会場内いっぱいに広がった。そして、会場の前、中央部、後方部にそれぞれ、振付を指導するスタッフが配置された。私達二人は後方部にいたが、振付スタッフの動きが確認できる立ち位置にいた為、振付をしっかり確認できた。普段、スポーツジムのエアロビクスレッスンを受けている私にとって、振付を覚えることは容易だった。動きもかなり、スローペースであまり複雑な動きはなかった。しかし、普段レッスンしているエアロビクスとは明らかに違う動きのせいか、身体が、スムーズに動かない。普段、早い展開の動きに慣れていると、以外にゆっくりペースの動きに合わせにくい感覚を覚える。

 これが、「よさこい」というものなのか。今日から、踊り子になる。とは決めたものの、この時点では、楽しい!という感想は生まれていなかった。一時間程、振付と練習を行った、その後、スタッフの方々から次回以降の練習についての説明があった。毎週一回平日の夕方から定期練習があり、さらに、たまに土曜日も特別な練習があるというのだ。私は、練習が頻繁にあろうが、特に苦にはならなかった。むしろ、新しい土地に引っ越し、友人もいなかった私は、とにかく時間を持て余していた。練習は、それを埋めるには都合が良かった。よさこいの踊り子になると決めたからには、全部の練習に出ることを心の中で決心していたのだ。Tさんは、仕事の都合で、平日の練習への参加が難しいらしい。全ての練習に参加する私は、Tさんに、先に進んだ振付を教える役を買って出た。Tさんに振付を教えるのは、いつも駐車場だった。振付練習を欠席すると、振付がかなり進んでしまうため、Tさんも必死に練習した。教えるたび、私は振付がより身について、自分自身の動きに馴染んでくる感覚が実感出来てきた。あの会場での初練習から数カ月が経とうとした頃、練習に集まる人数は、かなり減り、50名程度になった。私は、練習皆勤賞だった。毎回欠かさず練習に参加していると、とても良いことがある。そして、その時は突然訪れた。

◆本当の自分に会うポイント◆      ① 何かに向けて、がむしゃらに打ち込むとき、そして、真剣に物事を行うとき、そんな人には必ず支援者が現れます。

② 継続は力。少しずつであっても努力は、決して裏切らないものです。

第十一話に続く

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