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■ダンサー人生[第九話]

あなたは、自分の中の「本当の姿」を知っていますか?そして、その本当の自分に変身する鍵を手に入れましたか?誰も知らない、本当の自分に会いたいですか?yesであれば、この話(ストーリー)をヒントに、本当の自分に会う鍵を見つけてください。■■■

 「よさこいですよ。」

 私は、この言葉を知らなかった。しかし、世間ではすでに広く知られ、そしてこのあとさらに全国各地で大ブームとなるのであった。私は、まさにこれから、よさこいが大ブームとなる、その前に出会ったのです。

 自分自身の人生におけるターニングポイントは突然訪れる。そしてそのチャンスは誰にでも平等に届けられるものなのだと私は信じている。しかし、それを信じていない人は、目の前にそのチャンスが近づいても、気づかずに通り過ぎてしまう。それを信じていない人は、チャンスを掴めないのだ。「いつか必ず、自分にもチャンスは来るはずだ、その時を逃さず掴んで見せる。」と強く思っている人は、チャンスを掴むことができる。しかし、その時は、ほんの瞬間のことである。私は、身体中のあらゆるセンサでチャンス到来を感じ取ることができるように、感覚を研ぎ澄ませてきた。そして、私にもようやくその時が来た。

「強く願っていれば必ず叶う」

と、それを実感し、私の心は、喜びに満ち溢れた。

 私の人生は、あの平日の夜から少しずつ変わってきたような気がする。きっと、あの瞬間に人生の分かれ道があったに違いない。その分かれ道で私はある一方向の道を選択した。それは「躍動の道」とでも言うべきか、これからの飛躍を望む私の内面の心が選択した道だった。私は、これからの人生を楽しむためなら、なんだってやると決めている。この意識で決めたことは、どんなことであっても間違いではないと思うのだ。以前の消極的な私からは想像も付かない発想だと思った。 自分自身の過去を振り返ってみると、よくわかることがある。あの時、インストラクターからの告知や、Tさんに誘われたこと、そしてその瞬間にまばたきをしていたら、このチャンスを掴むことができなかったかもしれない。あの時、しっかり目を見開いていたから、今の私があり、そしてこれからの私に繋がった人生が待っている。とても不思議なことだが、これが事実であり、人生なのだ。それらの全てをまるで予想していたかの如く、その瞬間、次の瞬間を決断するのだろう。そう考えると、人生は変化に富んでいて楽しい。これが生きているという事なのだろう。私は、私の人生が好きだ。とても気に入っている。とても充実感に溢れ、いろんな人と出会わせてくれるし、いろんなことができる。私はこの世に生まれてきて本当によかった。

 さて、「よさこい」とは何か。私は、その世界に飛び込み、入ってから徐々により深く知ることになる。「よさこい」は、高知県発祥の踊りである。お米の稲穂などの穀物に群がる小鳥を追い払う目的の音がなる道具を模して作られた、「鳴子」を両手に持ち、鳴子を鳴らしながら、街を練り歩くのである。よさこい踊りは、人々の健康や繁栄など平和を願う祭として高知県の各地から始まり、複数のチームが立ちあがり、チーム毎のアレンジが加わりチーム毎に衣装も様々に変化してきた。各チームは、数十名から百名を超える大型のチームも珍しくない。高知県内だけでも、数十チームが生まれ、よさこい踊りは1大ブームとなった。その後、その波は北海道に伝わり、もともと北海道に根付いていた、「ソーラン節」との融合により、「YOSAKOIソーラン」が新たに生まれた。そして、その波はさらに全国各地へと広がっていった。
 Tさんから、「よさこいですよ。」と紹介された当時の私は、よさこいの事を全く知らなかった。「すごい人数だけど、どんなダンスなんですか」そんな、質問をしていたことが不思議なくらい、私は「よさこい」にはまった。

 私は、何も分からずこの会場に乗り出し、そしてその後、よさこい魂が芽生えた。

 その日、私は、よさこいの踊り子(ダンサー)になった。

◆本当の自分に会うポイント◆      ① この世の全ての出会いは、偶然ではなく必然。たとえ、それが人であっても、ものであっても。

② 私は、よさこいを愛しています。「愛する」ことが、何より大事です。

第十話に続く

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