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【日誌】2023.3/24~3/28

3/24(金)205日目 

現代において本を売ることはとても難しいことだと思う。一冊売ったところで利益は微々たる金額である。多くの数を販売して、数多くが売れて初めてある程度の利益が出る。つまり、販売冊数がそれなりにないと、利益を出しづらいのが本屋という商売である。しかし、そんなことは消費者(お客さん)からしたらどうでもいいことだし、欲しい本・お目当ての本がなければ購入しない。だからと言って、希望の本を取り寄せしたところで、正直なところamazonを始めとする各ECサイトの方が届くのが圧倒的に早い。かなしいかな、それが現実だ。

本屋に何ができるか。

僕は「本を売らない」というところまで考える必要があると思う。勿論、本はたくさん売りたい。しかし労力や資金を投入し本を数多く揃えて販売しても現段階では売れないのが目に見えている。やるべきことは、本がある環境・空間・場所を地域に残し続けることだ。本は売れないけど、本自体は無くしてはならない文化の象徴でもある。本屋として明かりを灯し続けることが店としての使命だと勝手に思っている。街から本屋を無くしてはならないのだが、本だけを売り続けて本屋として維持し続けるのはかなり厳しい。僕が思うに本屋は便利屋・何でも屋にならなくてはいけない。本屋として本を守るために。同じことをしていては本屋は減少していく一方だ。何としてでも本屋を守る。やれることはたくさんある。

何が言いたいかって、みなさんたくさん本を買ってください。お願いします!

3/25(土)206日目 

今日から28日まで韓国に滞在している。約3年ぶりに海外。韓国は初。そもそもアジア圏が初。何もかもが新鮮。やっぱり異国は良い。

仁川空港に降り立った。さすが韓国、キムチくさい。ちなみに日本は醤油くさいらしい。確か。コロナの影響で入国に時間がかかった。ある意味、今しかできない体験。何となく仁川空港は那覇空港に似ている気がした。空港内では、サッカー ウルグアイ代表ご一行様に遭遇した。

行くぜ、ソウル。ソウル近郊はタワーマンションが多い印象を受けた。ソウル駅には多くのホームレスの方がいた。格差社会がそこにはあった。とりあえず明洞へ向かうことにした。日本と比べて街が汚いし、何より下水臭い。韓国は水廻りに難ありなのかも。歩いていると、ちらほら屋台があった。日本とは違っていて、こういうのいいなと思った。ただ、円とウォンは1桁異なるため金銭感覚が狂う。そういう些細なところでも外国に来た感じがして、気持ちが高揚してくる。

基本的に、海外へ行くときはwifiを持ち歩かない。分からないことは現地の人に尋ねる。これがいつものスタイルである。せっかく異国の地へ来たのに、日本にいる時と同じことをしてしても大層つまらない。究極に困ってwifi利用したくなったら、駅などへ行けば大体繋がるし、案外何とかなったりもする。それもまた旅の醍醐味。

明洞は多くの人で溢れかえっていた。久しぶりにこんな人混みを見た。見慣れた日常が戻って来つつある。3時間くらいで異国を感じることができるのに、なぜ今まで来る機会がなかったのか不思議。今年中に再訪したいと初日から思った。

3/26(日)207日目 

宿泊場所の目の前に美味しいパン屋があった。こういうのいいなって朝から思わされた。今日の第一目的はPCR検査である。なぜわざわざ、韓国に来てまでPCRをしなければならないのか。そして金額もそこそこした。

その後、江南へ行ったり再び明洞へ行ったりした。昼も夜も明洞は人で溢れかえっていた。コロナ真っ只中は、静寂に包まれていたのだろうか。時折、すれ違う車はどいつもこいつも危険な運転。下手くそか。

昼食は小汚い市場で、生きたタコが盛り付けされたユッケを頂いた。韓国の飲食店は日本だったら保健所に指摘されそうな点ばかりで文化の違いを感じた。やっぱり、異国は発見だらけで何もかもが新鮮。ちなみにユッケはとても美味しかった。日本に慣れすぎていると、韓国のトイレがとても汚く感じてしまう。普段の生活の習慣・慣れはこう言う時に抵抗を生むから大変。それもまた一興なり。

お散歩がてら韓屋村?へ。昔ながらの建造物の密集地。たくさんの観光客の密集地でもあった。若者が多く、俗に言うカルチャーを感じる場所だった。歩きながら、釜山へ行く事を思いついた。足早に韓屋村を後にして、ソウル駅へ戻り釜山行きの特急チケットを購入することにした。ところが、人生は思うようにいかない。どの時間の特急もチケットは売り切れ。しかし、諦めない。窓口へ行き交渉。どうやら立ち席なら買えるとのこと。迷わず購入。一安心。とりあえず時間が余ったので、その辺の待合席で待機。韓国人は遠慮をしない。荷物を置き、少しでも席を離れると席の半分を取られる。つまりは油断すると一人席に二人で座ることになる。韓国のおばちゃんは強い。その積極性、見習いたいと思った。

時間となり乗車。思っていた以上に立ち席は辛かった。とても狭い。そしてやはりずっと立ちっぱなしは足が痛くなる。ソウル〜釜山間は約3時間。長い。余裕と割り切っていた数時間前の自分を恨む。そして睡魔と空腹も襲ってきた。勿論、精神状態はあまり良くない。何はともあれ、釜山に到着。やっぱり、ここも下水臭い。頑張れ韓国。疲れたのでひとまず宿へ。少し休み、街へ出る。時間も時間で閉まっている店の方が多かった。24時間営業の定食屋へ入ってみた。入店10分しても一向にメニューが出てこない。店のおばちゃんに話しかけても無視。周りのお客さんには何事もなかったかのように接客。そう、つまりは日本人差別ってこと。海外に来たって感じがして、なぜか気持ちが昂った。日本にいたらそんなことないし、おそらくだけど一部の日本人も韓国人に対して、同じように日本のどこかでは接していると思う。正直、その辺の感情は人それぞれなので仕方ないのかなと思う。それはそうと、その店にいても空気扱いされたままだったため、退店。結局、宿泊場所の前にあった屋台で晩餐。ここのおばちゃんはすごく優しく、とても良いお店だった。このお店で食べたエゴマの葉っぱはカメの味がした。二日目も充実。明日は海へ行こう。

3/27(月)208日目 

ソウルも釜山も思っている以上に広い。何が言いたいかって時間が足りない。
さて、今日は海へ行く。バスに乗車。運転が荒い。ブレーキがいちいち強く、その都度身体が前後に揺れる。日本の教習所で運転習って来てください。釜山の海側からは対馬が見える。対岸は日本ってことだ。目の前にある対馬は、言葉が違う。こんな近い距離なのに異文化。国って不思議だなと、つくづく思う。

釜山の水族館へ行ってみた。序盤に主力級の動物たちを配置しすぎじゃない?と思ったが、その後の世界観の作り込み方・展示の仕方が日本の水族館とは異なっていて総合的に考えると、とても良い水族館だと思った。世界各国の水族館を訪れてみたい。目の前が海という立地もとても素晴らしく、美ら海水族館のようだった。

釜山の海を眺めていた時、過去に3週間ほど滞在していた与論島で毎日見ていた風景を思い出した。海は大きくて、広い。海のような人間になりたいと毎度思わされる。海を眺めている時間は自分にとって、とても大切な時間だと思う。どうでもいいけど、山よりは海派。

韓国はスーパーがない。それとも郊外にあるのか。コンビニはたくさんあるけどスーパーを見つけられない。逆に日本がどこにでもありすぎるのか。それにしても見当たらない。観光地ではなく、住宅地に行けばあるのかもしれない。人が多いところは疲れてしまう。次回、訪れるときは田舎へ行ってみたい。

明日の昼前に帰国するため、本日中にソウルへ戻ることにした。帰りの特急はしっかり座席を確保した。立ち席はもう懲り懲り。座席のありがたみを感じながら、ソウルへ戻ってきた。今日の宿泊場所はパッと見立派ホテル。口コミを見ると散々な意見が多い。物は試しで泊まってみたら、散々だった。なんとお風呂の水が流れない。溜池状態。韓国の水回りはどうなってんだい。完全に流れ切るまでに相当な時間を要した。それもまた思い出。

最後の夜、再び明洞へ。3回目。梨泰院は次回以降へ持ち越し。本日の明洞も人がたくさん。屋台で食べたいのがあったのだが、現金が尽きてしまい食べられず。残念。全てが思い通り行くよりも、ある程度失敗やうまくいかないことがあった方が旅行は楽しいと思う。あっという間に滞在期間は終わってしまった。後は明日、空港へ行って帰るだけ。サランヘヨ。


3/28(火)209日目 

最終日の朝は早い。6時にはホテルを後にした。そして寒い。ソウル駅にはホームレスがたくさん。なんだかなあ。彼らには彼らの人生があるとは言え、最後の最後まで何とも言えない気持ちで駅を発つ。

初日も思ったけど、仁川空港は那覇空港にどこか似ている。韓国にまだまだやり残したことがたくさんある。また必ず来よう。その日までさようなら。アンニョンヒ ケセヨ。

さて日本着。到着後すぐに感じたのが、危機感。ベトナムやシンガポール、他の国から来た人たちが成田空港では多く働いており、帰国を出迎えてくれたのは彼らであり、そこに日本人は一人しかいなかった。もうそんな時代になって来ているのが現実なのかもしれない。現在の日本は基本的に人手不足である。それを補うのが、外国人労働者である。日本人の傾向として、アジアから働きに来ている外国人労働者を下に見る癖がある。しかし、彼らが日本語を駆使し、ある程度の労働力があれば日本人が今やっている仕事は日本人じゃなくても良いってことだ。それは仕事が奪われるとかの話ではなく、日本だから日本人が優遇される、優先されるなんて呑気な考えをしていたら日本は世界競争から置いていかれる。現状、賃金が上がらず物価だけ上がり続けている。日本はどんどん貧しい国と歩みを進めている。

世界的に見てもこんなに素晴らしい国はない。日本を守るまでとは言わないけど、国全体として危機感を持たないとまずいと帰国後すぐに思った。自分さえ良ければそれでいいなんて世の中は終わっている。間違いなく、日本はいま正念場を迎えている。自分もそうだけど、もっと若い世代が世界に目を向けなければならない。日本だけで考えていたら、本当に仕事がなくなると思う。生きるか死ぬかのサバイバル社会で生き残るために何をするか。動き出すのは早ければ早いほど良い。

空港で感じた危機感を忘れないための備忘録。

大切なことは、やるかやらないか。そして好奇心と貪欲さ。



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