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サントリーホール、トリフォノフのピアノ・リサイタル

2024年4月11日(木)19時、

東京・サントリーホールでダニール・トリフォノフ ピアノ・リサイタルを聴いてきました。

プログラム前半は、ラモーの曲からはじまり、モーツァルトの「ピアノ・ソナタ第12番K.332」 、メンデルスゾーンの「厳格なる変奏曲作品54」、後半は、ベートーヴェンの「ピアノ・ソナタ第29番作品106ハンマークラヴィーア」というように、バロックから古典派、ロマン派へと時代を追った内容、

アンコールはジャズのスタンダード、スクリャービンのピアノ・ソナタの一部分 、モンポウの「ショパンの主題による変奏曲」で幕という流れです。

会場の様子はというと、コンサートホールの客席のうち、いくつかのブロックを無観客とし、身長よりも高いテレビ局のスタジオに設置されているような大型ビデオカメラを2機設置して収録していたので、リサイタル自体よりも収録を重視していたかもしれません。

演奏は個性的、ピアニッシモ部分は独特の前かがみ、フォルテッシモ部分では髪を振り乱しての大迫力という、とてもいい演奏でした。収録された今回のリサイタルが放送されるのが待ち遠しい、

きっと、動画なら、コンサートホールの客席からでは遠くて見えなかった指使いや、表情も分かるでしょうし、そんなことより、もう一度、いや、もう二度、三度、あの演奏を聴き直したいです。

そういえば、トリフォノフの演奏動画ということであれば、現時点で参照できる動画がいくつかあって、その一つがNPR(米国公共ラジオ放送)によるTiny Desk Concerts、この動画ではトリフォノフがショパンの高速な曲(幻想即興曲)を「宇宙一情熱的に」弾いています。

(動画再生は約45秒、最初から全部見ると約15分)

いい演奏ですね。

このようなトリフォノフの魅力について、オンラインのピアノ教室を経営している飛松とびまつさんがYoutubeで解説しています。タイトルが「トリフォノフとキーシンの演奏から学ぶ、高速な曲(幻想即興曲)を宇宙一情熱的に弾く方法」ということで、

(動画再生は約1分、最初から全部見ると約11分)

私は飛松さんの動画のおかげで、トリフォノフの特徴が少しわかり、ピアノ・リサイタルを、より楽しむことができました。

解説していただき、ありがとうございます。

そして、今回のリサイタルで少し驚いたのがアンコール、

1曲目ではジャズ風の曲が演奏され、後で調べてみると、ジャズ風どころか「I cover the Waterfront」というジャズのスタンダードそのもの。

2曲目はスクリャービンのゆっくりした感じの曲(ピアノ・ソナタ第3番作品23の第3楽章)。

3曲目もジャズ風というか、
ブルージーなショパンです。

演奏されたのはフェデリコ・モンポウの「ショパンの主題による変奏曲」という曲で、ショパンの「24の前奏曲」から第7番を主題とし「第1変奏、ワルツ、エピローグ」という部分を抜き出しての演奏だったようです。

もう、けだるい、かすれた感じ、最高でした。

モンポウ自身による演奏と楽譜のYoutube動画があったのでリンクします。こんな感じです。(18秒間)


ということで、思いもよらずジャズも楽しめた、トリフォノフのリサイタルでした。



読んでいただき、ありがとうございます。

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