ふじ〜ぴっく(fujipik)

コンサート、美術館、イベントへ行ったこと、本を読んだ感想などを書いてます。 名前はf…

ふじ〜ぴっく(fujipik)

コンサート、美術館、イベントへ行ったこと、本を読んだ感想などを書いてます。 名前はfreepikユーザーのフジモトなのでfujipik。北海道富良野出身、東京都在住の60代男性、音楽を聴いたり、演奏したり、水泳することが趣味。

最近の記事

日本画家「池上秀畝・菱田春草」と「上村松園」について

先日、練馬区美術館と日本橋高島屋S.C.で日本画を見てきました。 練馬区美術館は「生誕150年 池上秀畝 高精細画人」展、日本橋高島屋S.C.は「文化勲章 三代の系譜 上村松園・松篁・淳之」展です。 練馬区美術館は長野県出身の日本画家2人を比較した内容で、 メインは池上秀畝 (1874-1944) 、昔ながらに絵師へ付いて絵を習った「旧派」、風景や花鳥の絵が細かくてリアル。例えば秀畝が描いた「オーストラリア大使館の杉戸絵(広い部屋を仕切るための戸に描かれた絵)」の画像が

    • サントリーホール、トリフォノフのピアノ・リサイタル

      2024年4月11日(木)19時、 東京・サントリーホールでダニール・トリフォノフ ピアノ・リサイタルを聴いてきました。 プログラム前半は、ラモーの曲からはじまり、モーツァルトの「ピアノ・ソナタ第12番K.332」 、メンデルスゾーンの「厳格なる変奏曲作品54」、後半は、ベートーヴェンの「ピアノ・ソナタ第29番作品106ハンマークラヴィーア」というように、バロックから古典派、ロマン派へと時代を追った内容、 アンコールはジャズのスタンダード、スクリャービンのピアノ・ソナタ

      • 国立新美術館の企画展「マティス 自由なフォルム」について

        先日、六本木の国立新美術館で、企画展「マティス 自由なフォルム」を見てきました。 けれど、私にはあの強烈な色使いが理解できなくて、マティスは苦手です。 「助けてー、アン、パン、マーン!」 * アンリ・マティス(1869-1954)はフランス生まれ、20才の頃虫垂炎療養中に母親から絵具箱を贈られ絵を描き始め、絵に目覚め、画家を志してパリへ行き、そのままパリで活動します。 マティスの作風は光重視、色彩は伝統的な陰影よりもボリューム感を表現し、さらには、単純化も追求、フォ

        • 国立西洋美術館の企画展「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?」について

          つい最近、上野の国立西洋美術館へ行き、企画展「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?」を見てきました。 国立西洋美術館としては、開館以来、初の現代美術展となります。 * これまで国立西洋美術館は20世紀前半までの西洋の美術品を扱ってきたそうで、 それは、開館当初、先人たちが、これからのアーティストへ刺激を与えるため、「ヨーロッパの油絵の本物を集めて」、「日本に送って見せてやろう」、という想いを持っていたから。 しかし、時がたち、国立西洋美術館は「過

        日本画家「池上秀畝・菱田春草」と「上村松園」について

          上野公園のハト

          タイトル写真のように「東京・春・音楽祭」開催中の上野公園、そこに生息している鳩が以前に比べて減ったようです。 * 私の知り合いの、そのまた知り合いが個展を開くことになり、よかったら寄ってみてください、と、控えめなおすすめを受けて、せっかく声をかけていただいたのだからとコバヤシチエコさんの「平行ダンス(Parallel dance)」という個展へ行ってみました。 個展が開かれる「納戸&ギャラリー」は、東京で一番沖縄料理の店が多い杉並区の通称「沖縄タウン」にあります。ギャラ

          「東京・春・音楽祭」ルドルフ・ブッフビンダーが弾くベートーヴェンの「月光」を聴いてきました

          2024年3月15日(金)から4月21日(日)まで、東京の上野では「東京・春・音楽祭」が開催され、連日、上野の東京文化会館、藝大、博物館、美術館、および、街角において、趣向を凝らした様々な音楽イベントが行われています。 その初日、東京文化会館小ホールで、ルドルフ・ブッフビンダーのピアノ・リサイタルを聴いてきました。 ブッフビンダーは1946年生まれの77歳、オーストリアのピアニスト、「東京・春・音楽祭」でベートーヴェンのピアノソナタ全32曲を演奏します。 この32曲をピ

          「東京・春・音楽祭」ルドルフ・ブッフビンダーが弾くベートーヴェンの「月光」を聴いてきました

          田部京子さんのピアノ演奏と町田康さんの著書「入門山頭火」について

          思い起こせば、ポピュラー音楽ばかり聴いてきた私が、クラシック音楽に興味を持ち始め、初めてサントリーホールでピアノ・リサイタルを聴き、その感動を何かに残しておこう、と思いつきnoteへ初投稿したのが2年前の春のこと、 それ以来、クラシック音楽に精通した方々、ピアニストの方々、または、ご子息がピアノを弾く方々にフォローしていただき、それにつれ、私のほうもさらにピアノへの関心を抱き、 いろいろと感想を書いてはみるものの、そこは素人でも鍵盤をたたけば音が出るという合理的な仕組みの

          田部京子さんのピアノ演奏と町田康さんの著書「入門山頭火」について

          東京芸術劇場で読響と福間洸太朗さんの演奏を聴いてきました

          2024年3月5日(火)19時、 東京の気温は10℃前後で夕方からはあいにくの雨、 行ってきたのは、池袋の東京芸術劇場コンサートホールで催された読響の演奏会。 曲は、ベートーヴェンの「ピアノ協奏曲第3番」と、ブラームスの「交響曲第1番 」、ピアニストは福間洸太朗さんです。 * 演奏が始まる前に、ちょうどピアノに関する記事をふたつ読みまして、そのひとつが「ピアノ上達、講師はAI・ロボット」という日経の記事。 一般の人には「人さし指と薬指、中指と小指の2本ずつの指を交

          東京芸術劇場で読響と福間洸太朗さんの演奏を聴いてきました

          東京芸術劇場で日本フィルの演奏を聴いたこと、映画3本見たことなど

          私は、ちょうど1年前、東京藝術大学や桐朋学園大学に在籍、または、卒業していた若手ピアニスト7人の演奏をまとめて聴く機会がありまして、場所は、確か銀座のヤマハホール。 藝大、桐朋など入学すら難関なのに、その上、修士だったり留学だったりという研鑽を重ね続けている方々の演奏を次々と聴いたわけで、いや、もう、7人の演奏はどれも見事すぎて、私が聴いた限りでは、優劣などつけられず、ただただ、7人の演奏は素晴らしかった、という思い出です。 そして、7人の演奏を聴きながら、この中には後に

          東京芸術劇場で日本フィルの演奏を聴いたこと、映画3本見たことなど

          東京都美術館「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」展へ行ってきました

          冒頭から、お尋ねします。 ウスターソースは常備していらっしゃいますか? * JAS(日本農林規格)によりますと「ウスターソース類」とは「野菜・果実・香辛料などを原材料として調製した液体調味料」で、粘度により「ウスターソース、中濃ソース、濃厚ソース」に分類され、地方によって嗜好に差があり西日本ではウスターソース、東日本では中濃ソースが主流なのだそうです。 それで、粘度が高いのが「濃厚ソース」、中くらいが「中濃ソース」、粘度が低いとくれば「薄いからウスターソース」と考えて

          東京都美術館「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」展へ行ってきました

          N響の定期演奏会と映画「カラーパープル」について

          2024年2月9日(金)19時半開演、NHKホールで大植英次さん指揮によるN響の定期公演を聴いてきました。 1曲目はワーグナー「ジークフリートの牧歌」2曲目はリヒャルト・シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」で、特に1曲目の開始に驚いたので、そのことから書いてみます。 まず演奏後に投稿されたN響のX(twitter)を見ていただいて、 左側の写真が、1曲目演奏開始早々に撮影されたもの。指揮者の大植英次さんが指揮台に登った後、棒立ちで、なかなか指揮を始めないという状況です。

          N響の定期演奏会と映画「カラーパープル」について

          最近読んだ詩集、介護のこと、そして少しだけ宝塚について

            相互フォローしている方々に   詩に興味のある方が何人かい   まして、ちょっと、私もたま   には、詩など読んでみようか   と思ったわけですが、     そこは     読むとすぐ影響されてしまう     私のこと     それが文面に     現れてしまうわけで     こういう書き方     誰の影響か思い当たるでしょうか あっ、決して詩の内容を模倣している わけではございませんので(念のため) まねしているのは見た感じです、詩に よって、縦横四角に書か

          最近読んだ詩集、介護のこと、そして少しだけ宝塚について

          新日本フィルの演奏会とバウムクーヘン

          2024年1月24日(水)、 東京芸術劇場コンサートホールで澤村杏太朗さん指揮による新日本フィルハーモニー交響楽団の演奏を聴いてきました。 前半は古海行子さんのピアノでショパン作曲「ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11」、後半はメンデルスゾーン作曲「交響曲第4番 イ短調 作品90『イタリア』」です。 いい演奏でした。 指揮者の澤村さんもピアニストの古海さんもうちのコータゴン(長男、仮名)、カズゴン(次男、同じく仮名)と年齢が近いので、こういう若手で大丈夫だろうか、など

          新日本フィルの演奏会とバウムクーヘン

          サントリーホールで都響の定期演奏会を聴いたこと、映画「サン・セバスチャンへ、ようこそ」を観たこと

          昨年の暮れあたり、東京都交響楽団からダイレクトメールを受け取り、そこには「これは、事件だ!」と書いてありまして、 どんな「事件」なのかというと、現代音楽の作曲家ジョン・アダムズが来日し、自分の曲を自身の指揮で演奏することとなり、これは日本の交響楽団にとって初めてのことなので、都響にとっては「事件」である、ということなのです。 でも、現代音楽の知識が足りない私としては「ジョン・アダムズって誰?」といった有りさまで、やむを得ずウェブ上で手当たり次第調べてみたところ、ジョン・ア

          サントリーホールで都響の定期演奏会を聴いたこと、映画「サン・セバスチャンへ、ようこそ」を観たこと

          投稿を休もうとして、思い直した理由

          毎週投稿、休もうかなあ。 ん? でも、私の場合、毎日投稿じゃなくて、毎週投稿だから1週くらい休んだところで何の問題もないと思いますが、 どう考えても私に才能があるとは思えませんが、しかし、書いたものを読んでいただくことは本当に嬉しいことで、もっと「いい話を書こう」とか考えることはあります。絵を描く場合はどうですか? そうか、私の文章が捗らない原因もそれかもしれません。それじゃあ、どういう心持ちでいればよいのでしょうか? なるほどね、私も初心に戻り書いてみますが、それ

          投稿を休もうとして、思い直した理由

          山種美術館でほのぼのとした絵を見てきました

          ゆる〜く、書き始めます。 山種美術館の特別展、タイトルは「癒やしの日本美術」、サブタイトルは「ほのぼの若冲・なごみの土牛」へ行ってきました。 最初に、 伊藤若冲伊藤若冲(1716-1800)が描いた布袋さん人形の絵です、「伏見人形図」とか「布袋図」と呼ばれています、見ていてほのぼのとします。(美術館の特設ページはこちら) 最近は、こういう絵のことを「チルい」と言うのですか。 若冲は80歳を過ぎた頃からこのテーマを好んで描いていたようで、似たような作品がいくつか残され

          山種美術館でほのぼのとした絵を見てきました