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脳にまつわる「合気」と「超能力」の共通性とその再現について

「合気」と「脳波」と「超能力」

最近、脳波と合気的な技術に関連性があると書籍や動画で紹介されるようになりました。

特に7.8Hzの脳波であるスローアルファ波が、合気的な自他の同調を起こす現象の鍵になっているという説はとても興味深いものです。(「護道の完成」p206-223)

このスローアルファ波と自他の同調の研究には先行研究があります。それはハイパフォーマンスな能力を発揮するときの脳波研究を行った、元松下技研の志賀一雅先生の研究です。

その中でスプーン曲げで有名な清田益章氏の研究があり、スプーン曲げなどの超能力を発揮するとき脳波を計測した実験がありました。

このとき清田氏の脳波は、脳全体が7.8Hzで位相がそろう状態になり、さらに計測する志賀先生自身の脳からも7.8Hzの脳波が計測されるという不思議な状態が起こりました。

7.8Hzの脳波は、夢を見る(REM睡眠)状態の脳波にあたり、瞑想などを行っている方からも同様の波長が計測されます。

また7.8Hzの波長は、地球を取り巻く電離層のプラズマ振動の周波数(シューマン共振)とも一致します。

人が地球で暮らす以上、人の脳もこのシューマン共振からいくらかの影響を受けていると思われます。

そこから地球のプラズマ振動の周波数と脳波が同調した波形を示すとき、人は何らかのハイパフォーマンスな状態になるという仮説が生まれてきます。
(「ヒラメキ・天才・アイデア・最高パフォーマンス 奇跡の《地球共鳴波動7.8Hz》のすべて」参照)

脳と合気についての研究はこちらの本にも詳しいのでご参照ください。

「超能力」と「合気」の共通性


スプーン曲げで有名な清田益章氏によると、超能力(PSI)には主に能動的なPK(スプーン曲げなどの念動力)受動的なESP(透視やテレパシーなどの超感覚的知覚)の2種類があるそうです。

そして、清田氏に起こった超能力のエピソードを列挙すると(「超能力対談 飛鳥昭雄×清田益章」より)、
・身体の浮遊
・壁抜け
・時間のコントロール
・遠隔視

と、大東流合気柔術の武田惣角先生や佐川幸義先生にまつわる、同様の不思議なエピソードと近い記述がありました。

また大東流合気柔術の佐川幸義先生の言葉を記した「透明な力」に

結局、心ですよ。やる気があるから、それが行動になって現れるんですよ。このストーブだって持ち上げようと思わなければ上がらない。やはりなんとしてもやり通すという気力が大切だ。精神力が大切なのだ。そこがしっかりしていない人は駄目だ。
「透明な力」第3刷P80より

という言葉があります。いろいろな本を読んでも、佐川先生がただの精神論としてこの言葉を話したとは考えにくい。

そこでこの言葉を、先述の清田益章氏の言葉と照らし合わせてみると、興味深いことに気づきました。

清田氏によるとスプーンを曲げるには、まずその瞬間「思う」という「点」の心の作用を「想う」という相手のある「線」の状態にし、さらに「願う」で場を含んだ「面」の状態にしたら、そこから「念ずる」という今を継続する心の状態にしていきます。

この「念ずる」とは、例えばスプーンを曲げるなら金属の温度や見ている人の表情や気配、曲がった瞬間のほっとした自分の気持ちにいたるまで、リアリティを持ってイメージを丁寧に重ね合わせていく具体的な心の作業なのだそうです。

この清田氏の言葉は、佐川先生の心についての言葉を具体性のある意味があると捉えると、根底では同じことなのかもしれません。

また保江邦夫氏の著書の中に、佐川先生と会談したチャクラや超能力の権威であった本山博氏が、保江氏に

「合気はハートチャクラの『檀中』を酷使する。君の先生もしょっちゅうここを使っていた。ここを使いすぎると心臓に来る。心臓をダメにする。」
「予定調和から連鎖調和へ」P175より

と忠告したというエピソードがあり、合気の一部にPK(念動力)に近いことを行っていたのではないかと推察されます。

以上のことから、「超能力」と「合気」には一定の共通する点があると思われます。

「超能力」と「合気」と再現性

「合気」が「超能力」なら普通の人は再現できないので、これで議論は終わりとなって思考停止しまいそうです。

しかし、どうやら「超能力」や「合気」に再現性があるようだということがわかってきました。

特に「合気問答」で塩坂洋一氏が聞いた話として、大東流合気柔術の佐川幸義先生は

脳も体の一部である
「合気問答」P255より

と話されたそうで、同書P93には「合気の鍛錬は【脳を活性化させる】」という言葉も紹介されていました。また

<合気は技術でそこに何かがある>という立場で研究を続ければ少しづつ分かってくるものだ。
「合気問答」P247

とも話されており、ここに

合気の武術では、武田時宗先生遺稿集にもあった神通力でいえば、六神通の一つである「他心通」のような概念であり、自他一如、瞬時に相手が自分のように分かってしまう、敵を見抜いて(敵の情報を感じとり)先をとってしまう合気之制位に繋がっている。
「合気問答」P43より

という塩坂氏の言を加えれば、合気とは神通力=超能力という説が成立していると読み取ることができそうです。そして塩坂氏の言葉は

真理法則(大円和)に至るには階梯がある。基本の行法として、まずは合気・相気(アイ・キ=気を合わす、ア・イキ=息を合わす)で融和と調和の拍子を掴む為、術者の体を使った技(業)を以って只管合気を練り、次元昇華を図っていくのである。
「合気問答」P43より

とつづき、合気柔術の次元を昇華させることが段位に相当する「元」の位になるという解釈ができます。

つまり少なくとも佐川先生は弟子に対して、このように脳機能を鍛錬することによって、身体と意識の次元を昇華させることが再現可能だと考え、稽古のカリキュラムを編んでいたのではないでしょうか?

「合気」と「超能力」の鍛錬法

ではどのような鍛錬によって次元昇華がなされるのでしょう?

一番興味深いのは、清田益章氏のスプーン曲げに対するレクチャーです。

ここで話されるのが、先に紹介した「念ずる」という作業のお話で、動画の最後にはレクチャーを受けた一般の方が、スプーンをグニャリと曲げてしまいます。

そして「念ずる」先は「祈り」になり、自他以外に自然や宇宙へも広がっていく次元の昇華に繋がっていきます。

この「祈り」は、「念ずる」という一点に意識を集中する作業から、空気=自他を含む空間=宇宙と一体化することをイメージすることへと次元が昇華されたということができそうです。

これがいわゆるPK(念動力)の次元昇華で、合気上げなどの敵を動かす部類の合気がこれに属すると思われます。

他に清田氏は著書のなかで、ろうそくを使った視野拡大瞑想という手法(「本物のパワースポット」P84)を紹介しています。この手法はパワースポットで場の力を受け取りやすくするための手法として紹介されており、主にESP能力の向上効果があると考えられます。

そしてこの視野拡大瞑想の手法は、保江邦夫先生が提唱するマッハゴーグルによる視野拡張と同様の手法であり、合気の鍛錬にもなっていると考えられます。


この視野拡大による具体的な効果は、敵がどのように攻撃してきても後の先をとり、身体が自然に動いて対処できるという空間の制位の合気と考えられます。

さらに「佐川幸義 神業の合気: 力を超える奇跡の技法」のなかで小原良雄氏が伝えた「合気体操」という鍛錬法も、PK系の意識を集中する鍛錬と、ESP系の意識を拡大させる鍛錬法がMIXされた構成になっていると読み解くと、一層有意義な手法だと感じられます。

たとえば、軽い合気上げの手首の返しや突きの捻りに合わせて意識密度を上げたり意識を練ったりする鍛錬や、左右・交差で両手を広げて胸椎を開放したり、横蹴りや四股飛びといった股関節を開放する動きで上半身だけでなく下半身の意識も拡大させたりと、「合気体操」は満遍なく意識を拡大させたり、意識の集力を鍛錬する構成になっています。

また合気をPK系とESP系に分けたとき、文字通り「合気=気を合わせる」にあたるのはESP系で、PK系は気を発する気合に近いように感じられます。

これについては、に佐川先生の言葉として

気は流すもんじゃあない、気は肚に蓄積して一気に爆発させるのだ
「合気問答」P183より

とあり、この力がいわゆる太極拳的な気ではない、PKの次元昇華の形である「透明な力」なのではないかと考えています。

「合気」と「超能力」が目指す道

このようにPKやESPといった「超能力」と「合気」について、脳波の観点からスタートして共通点や再現性を検証してきました。

この「合気」や「超能力」は過去・現在に鍛錬や訓練によって実現している人がいる、再現可能な心身の技術です。

またPK系の意識は困難な現実を突破する力になり、ESP系の意識は未知の困難を創造的に臨機応変に対応する力になることでしょう。

これはアファメーションやマインドフルネス瞑想の拡がりとも照応していそうです。

そして最終的には佐川先生の遺稿にもあるように、天地森羅万象一切に合一同化し融和するのが合気心であり、人が目指す究極の道なのではないでしょうか?

合気とは気を合わすと訓ず。気は宇宙天地の気なり。

合気の妙用は、天地森羅万象一切に合一同化し融和するにあり。

然れば我に対する敵は更になきものなり。

此の境地に幽没するよう心を治め、気を練り、体を鍛えるが合気の練成なり。

合気心に至れば、我なく人なく生もなく死もまた無し。

あたかも無人の広野を行くが如く空々無々万物の変動たちどころに心写し

身体は円融無碍変転自在にして尽きることなし。

合気は争う事を不致 

暴なる者には自然に出て空の合気天地自然の妙法にてその攻勢を無依ならしめ・・・
https://sagawa-aiki-park.com/setumei/

以上、拙い仮説をここまでお読みくださりありがとうございました。

心身の技術については、創造的に現実を乗り越えていくことを目的とした一般向けプログラムも考案しています。ご興味がある方はご覧ください。


神通力を含む東洋思想については一部まとめているので、こちらもご参照ください。

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