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みんなの個性を届けるために〜みんなゲーム化プロジェクト7〜

前回のnoteで無理な意見集約をやめて、心理的安全性を保ちつつ個人個人が自分の好きなものを商品化して発表する試みについて書きました。

今回はその発表で披露された個性的な紙文具を、どうやって販売するかを試行錯誤した流れについて書いてみようと思います。

みんなの個性を生かして、個性的な商品が出来た!

現在、私たちは「あそびのある紙文具」を制作しています。そして、一人一人の個性を生かした製品づくりをした結果、いろんな個性的な紙文具がカタチになってきました。

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これらの写真はほんの一部ですが、すべて合わせると20種類くらいになります。制作期間は1か月程度でこの数がそろうと思わなかったので、企画者としても驚きました!

そしてせっかくこれだけの商品プロトタイプが出来たので、前回最後に書いたように出来た商品をしかるべき専門家に観せて評価してもらって、さらに良いものにしようという流れになり、大型文具専門店のバイヤーさんにアポイントを取りました。

個性を生かした商品は、既存の商流では評価できない。

後日私たちは印刷会社ということもあり、プロトタイプの写真をカタログ化してバイヤーさんにプレゼンさせていただきました。

結果として、「こんな色にしたら売れるかも」とか「高級感を出すならこういう表紙にした方が良い」といった具体的なアドバイスもいただけて、社内のみんなにフィードバックできました。

しかし、ここで大きな問題が起こりました。

それは、社外の人とほとんどやり取りすることがない社内の人にとって、

「いくら専門家でも、自分が良いと思っている試作商品に改変を伴うアドバイスを受けることは、心理的に耐えられない」

という問題です。

私は営業が長いので、購買責任者からアドバイスを受ければ一つ一つクリアしていって人間関係を築いていき、最終的に何らかの形で取引に結びつけるというプロセスに疑問を感じることはほとんどありません。しかしそれは、営業という仕事が自分で商品開発をしていないからなのかもしれません。

今回のように、自分がこだわって作った商品の、そのこだわった部分を変える内容を含むアドバイスについては、作り手が素直に受け止めることは難しい。

たしかに考えてみれば当たり前です。「こだわり=好きなこと」で一人一人が商品開発したのだから、そこを譲ってしまっては根本のコンセプトが崩れてしまいます。

では、どうやって売っていったらいいのでしょうか?

売り方も個性を生かして

この「みんなゲーム化プロジェクト」でテキストにしている本の著者である米光一成さんのお話しで、

「モチーフ(世界観)とシステム(メカニクス)、プレイ感(あそび心地、あそんでいる雰囲気)がひとつの方向を向くと、プレイベクトルが揃った良いゲームになる」

という言葉があります。

このお話しを今回の紙文具制作に当てはめると、みんなが自分の好きなものをモチーフに商品開発しているので、モチーフはある程度固まっています。

またシステムについても、印刷会社の設備と技術を使うというテーマで取り組んでいるので、ある程度限られてきます。

そうなると、大きく変えられるのは「プレイ感(あそび心地、あそんでいる雰囲気)」の部分です。

そしてこれを「使い心地と使われている、または買われている雰囲気」と読み替えることで、ようやく私たちが目指す方向が見えてきました。

自分がどう使って、どう買ってもらったら嬉しいかイメージしよう

まずスタートは、「自分がどう使って、またはどう買ってもらったら嬉しいか?」を、それぞれが自分に問いかけて、そのシーンを具体的にイメージすることです。

そして、それのイメージを実現するためには「商品や売り方にどんな仕掛けをするか?」や「その商品をどんなところで売るか?」といったアイデアを、自分が買ってほしい商品のために考えて、それぞれが実行していくことが一番大切なことでした。

つまり今回も前回同様、個性を大切にしていくはずが、既存の流通に乗せるための評価を重視したために、逆に個性を失わせるような舵取りをしてしまっていたということになります😥

そんなわけで、今年一杯はそれぞれが自分が嬉しいイメージを実現できるディスプレイについて、会社の多目的ルームを使って試作してみよう!という課題を設定しました。

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「みんなゲーム化プロジェクト」の商品開発は、それぞれの個性を生かして今までにないものを作るのがテーマなので、当然売り方も今までにない商品になります。

だからこそ、商品開発でそうしたように、売り方にもそれぞれが「楽しい。嬉しい。」と思えるような工夫を入れていきたい。

果たして、年末の発表ではどんな個性的な商品ディスプレイが飛び出すのか?

今からとても楽しみです😊

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