第九十三話:私は私、私だからすること、できること
「はぁ――……」
『此処に来るなりため息か、まぁ仕方ないがな』
「いや、今更だけど、私ダンテに転生したというか成り代わったというかだから……」
『そんな事を気にしているのか』
「いや、気にしますよ」
神様の発言に私は重い息を吐く。
『異世界への転生をお前に話したであろう、最初にな』
「ええ……確か」
『こうは思わないか、幸せになるなら「来世」でと言わないのかと』
「⁇」
神様の言っている事が良く分からない。
『つまり、世界は無数に存在する、だから人は本来の道とは異なる事態