見出し画像

漫才論| ³⁹相方と本音で言い合える関係を築くのは大切❓

漫才の最大の強みは,「二人だからこそ生まれる無限の可能性」だと思いますが,同時に,漫才の最大の弱みは,「一人ではできないからこそ生じる相方問題」だと思います

最近は仲がいいコンビも多いですが,相方とうまくいかずに解散するコンビは今でもたくさんいます。「相方」にかぎらず人間関係全般に言えることかもしれませんが,「本音で話せる関係か」という点はとても重要です。本音で話せないと,遅かれ早かれ解散することになると思います

危なかったナインティナイン

ナインティナインはもう漫才はしていないコンビですが,相方との関係性が修復できた珍しい例です

ナインティナインは元々部活の先輩後輩のコンビということもあり,矢部さんはずっと気になっていたものの「岡村さんに注意することができない」「なかなか本音で話せない」状況が続いていました。岡村さんは岡村さんで,プライベートではそんなにしゃべらないタイプで,「仲が悪い」というのとも違うと思いますが,あまりしゃべらない関係になっていました

一度こういう関係になってしまうと,まわりもどうすることもできませんし,本人たちもどうすることもできないというか,「どうしたらいいか分からないし,もうこのままでいい」というかんじになりがちです

そんな中,岡村さんの失言があり,謝罪したものの「生放送のラジオでまともにしゃべれない」という状況に陥っていたところへ突然矢部さんが乱入し,公開説教。ようやく矢部さんが本音を言える機会が訪れたというかんじでした

今回はこれで収まっただけでなく,ナインティナインのオールナイトニッポンが復活し,岡村さんもプライベートでも矢部さんに話すようになるという奇跡的な方向に物事が進んでいきましたが,岡村さんがもっと大きな問題を起こしていたら「解散」してもおかしくない関係性だったのではないかと思います

お互い本音でちゃんと注意し合える関係を維持するのは大切なことだと思います。売れれば売れるほど,「まわりは誰も注意できない」という状況になりがちですから

本音で言い合える和牛

和牛の水田さんは,とある番組での居眠りの件で相方の川西さんからラジオで公開説教されたことがあります

和牛は,ネタ作りや普段の漫才に関しても本音で言い合える関係性を築いているコンビですが,居眠りの件のように漫才のこと以外でも本音で言い合えるのだとすれば,理想的な関係だと思います

相方がいないと漫才はできませんし,結局すべてが漫才につながっているので,言うべきことが言えない関係だと,相方の不祥事が原因で漫才ができなくなってしまったり,関係が悪くなって解散してしまうこともよくあるからです

「天才同士」という例外

以前は仲が悪いということで有名だった「オール阪神・巨人」,いまだに仲が悪い(10/6放送の「水曜日のダウンタウン」で仲直りした)ということで有名な「おぼん・こぼん」などは,漫才をみると分かりますが,天才同士のコンビだと思います。どちらも凄まじい掛け合いをする漫才師です

天才同士の場合はおそらく,漫才をしているときが一番分かり合える瞬間で,「相方はこいつじゃななきゃダメ」という感覚もあると思うので,仲が悪くても,普段まったくしゃべらなくても成立する場合があります

ただ,天才同士のコンビというのは稀にしかいませんから,通常は,本音を言えなくなる関係にならないようにすることが重要だと思います

漫才電話相談☎︎30分800円
漫才についての軽い話がしたい方もOK
詳細はこちらから

月間漫才台本大賞』開催中‼️

THE MANZAI magazine
❶「自分たちにしかできない漫才スタイル」を確立する方法 ❷しゃべくり漫才のうまさは「相槌」で決まる ❸「漫才台本の書き方」と「オチのつけ方」 ➍ボケやツッコミってどのようにして思いつくものなの? ❺「言い訳-関東芸人はなぜM-1で勝てないのか-」は"現代漫才論"ではない-ナイツ塙さんが何を「言い訳」しているのかが分かれば,関東芸人がしゃべくり漫才でM-1王者になる道が見えてくる- ❻漫才詩集「38」

フィクション漫才『煮豆🌱』-いとこい師匠のテンポで-
作: 藤澤俊輔  出演: おせつときょうた

WeClipからのコメントはこちらから


あらゆるオチを誰よりも先に小噺化するプロジェクト『令和醒睡笑』過去の創作小噺を何回も何回も回すと"古典小噺"になる・・・はず・・・【小噺はフリー台本】