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漫才論| ¹⁵⁶和牛の「ネタ合わせ」から見えてくる漫才の"うまさ"の秘訣とは❓

「和牛×シャウエッセン『背中』篇」という和牛がネタ合わせをしている動画があるのですが,これを見ると,「うまい漫才」の秘訣が分かります。まずは動画をご覧ください


「うまい漫才の教科書」のような掛け合い

本番よりもテンションを落とし,「普通の会話」のようなかんじで練習しているので,その分二人のと掛け合いのかんじがはっきりと見て取れます。「うまい漫才の教科書」のような掛け合いです

注目できるのは,一人が話し終わるか終わらないかのタイミングでもう一人が話し始めている部分です。これが漫才の「テンポの速さ」です。よく見る(聴く)と分かりますが,ものすごくテンポが速いです。それでも,普通の会話のようなかんじでしゃべると「『速い』という印象を受けない」というのも,この動画から見て取れると思います。これが,漫才の「うまさ」であり,漫才師の「腕」であり,「芸」です

本当の意味で「うまい」漫才とは?

早口でしゃべることによって「うまさを出そう」とする人もいますが,その手のうまい漫才よりも,もっともっとうまい漫才があります。それが,「テンポはものすごく速いのに,普通の会話のように聴こえる漫才」です。見せつけるかのような「うまさ」よりも,ぱっと見分からない(気づかない人が多い)「うまさ」のほうが,断然うまい漫才です。断然聴きやすく,断然心地いいからです。この動画を見れば,本当の意味での「うまい漫才」のイメージをつかむことができると思います

ついでに,「うまさ」を学ぶうえでもう一つ注目するといいのが,「相槌」です。「相槌」によって,あえてをとるところ以外「一切途切れることのない掛け合い」が完成しています。これも,「うまい漫才」をするうえで欠かすことのできない技術です

このテーマに関する質問・意見・反論などは
「みんなで作る漫才の教科書」にお寄せください

みんなで作る漫才の教科書とは,テーマ別に分類した「漫才論」にみなさんから「質問」「意見」「反論」などをいただいて,それに答えるという形式で教科書を作っていこうというプロジェクトです

THE MANZAI magazine
❶「自分たちにしかできない漫才スタイル」を確立する方法 ❷しゃべくり漫才のうまさは「相槌」で決まる ❸「漫才台本の書き方」と「オチのつけ方」 ➍ボケやツッコミってどのようにして思いつくものなの? ❺「言い訳-関東芸人はなぜM-1で勝てないのか-」は"現代漫才論"ではない-ナイツ塙さんが何を「言い訳」しているのかが分かれば,関東芸人がしゃべくり漫才でM-1王者になる道が見えてくる- ❻漫才詩集「38」

フィクション漫才『煮豆🌱』-いとこい師匠のテンポで-
作: 藤澤俊輔  出演: おせつときょうた

あらゆるオチを誰よりも先に小噺化するプロジェクト『令和醒睡笑』過去の創作小噺を何回も何回も回すと"古典小噺"になる・・・はず・・・【小噺はフリー台本】