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漫才論| ¹⁶⁴"絶対漫才感"があるかを測るテストと"相槌"の感覚を養う方法

漫才がうまい人はみんな「相槌」がうまいです。台本には書いていない相槌を自然と入れます

例えば,次のような「普通の漫才台本」があったとします。この台本を読んでどう演じるかで,「漫才のうまさ」や「"絶対漫才感"があるかどうか」がかなりの程度分かります


普通の漫才台本

「煮豆❶」(当て書き:和牛)

水田信二:ぼく煮豆が大好きで異常に食べるんですけどね,今日本は空前の煮豆不足じゃないですか
川西賢志郎:煮豆不足?水田くんが煮豆食べ過ぎて?
水:すいませんでした。ぼくが食べ過ぎました
川:ほんまに水田くんのせいで日本全国煮豆不足なってんの!?
水:責任とって,煮豆増やします
川:「煮豆増やします」言われてもやな〜
水:煮豆不足解消のために毎日蒔いてるんで
川:蒔いてるって何を?
水:畑に
川:畑に?あ〜豆の種をね~
水:煮豆を
川:煮豆を!? 畑に蒔いたん?
水:今日もいっぱい蒔いてきました
川:なにしてんねんおまえは〜煮豆不足加速させとるやないか〜
水:なんで?畑に煮豆蒔いたらあかんの?
川:あかんやろそれは〜そんなもん土に煮豆捨ててるだけやないか。煮豆蒔いたら"煮豆の木"生えてきてそこに煮豆がなるとでも思うたんか
水:生えてきそうな雰囲気あるやんあいつ。あのフォルムからして
川:煮る前の豆を蒔かないと生えてこないのよあいつは意外と
水:煮る前の豆を蒔いたらええの?
川:そうよ〜
水:ほんでそこに水かけたらええの?
川:そういうことよ〜そしたら生えてくるから
水:煮豆が
川:煮豆は生えてこないのよ。水かけても
水:あ〜そういうことか
川:やっと分かってくれた?
水:煮豆やからね。お湯かけな
川:そういうことちゃうねん。もうええわ〜

この台本を読んで,自然と❷ように演じられる人は,漫才がうまい人です。台本を脳内再生しやすいようにあえて和牛のお二人で当て書きしていますが,❶を読んで「和牛なら❷のように演じるだろうな〜」と頭の中でイメージできた方も,「漫才がうまい」もしくは「漫才が向いている」人です

読む漫才台本読むだけで漫才がうまくなる

「煮豆❷」(当て書き:和牛)

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