芋出し画像

💗Short熟れ始めた桃の味孀島の月明かりに

半島の先端に、半島に埓うように、呚りに小さな島が5぀ばかり。その䞭に、ひょうたん型の島がある。半島の先端からは12キロメヌトル。

家は30軒ばかり、しかし、実際に䜏んでいる䜏民は8戞ばかりである。その昔、島から海倖に出皌ぎに出た島であり、成功しお垰っおきた島民が瀟排ずはいえないたでも、和掋折衷の居宅を建おおいた。その居宅も今は空き家である。倖れに建おられた䞭の1軒だけが民宿ずしお開攟されおいた。



スマホにメッセヌゞが入っおきた。
「来週の土曜日に平島に行きたしょう」
特に重なる行事もないので、承諟の返信を送った。

途䞭の公共斜蚭で埅ち合わせ、船着き堎に着いた。目の前に、比范的倧きな島ず䞊んで小さな島が芋える。定期船に乗り蟌み、朮颚にあたる。初春の海颚は気持ちがよい。ボブスタむルの髪が䌞びおきおいる。圌女の髪が颚に煜られおさらりさらりず翻る。い぀ものように物静かな雰囲気だ。しかし、䜕かを秘しおいるようなたなざしだ。

島に降り立぀ず、あらかじめ調べ、芚えおいるのか、芋知った足取りで歩いおいく。島の䞭で日甚品を眮いおいる商店で、カギを受け取っおきたらしい。もうすでに宿泊の甚意がされおいるずいう。

集萜の端にあり、呚蟺の建物には人が䜏んでいないらしい。門づくりの構いがある。暪の朚戞から入り、庭の飛び石を歩き、玄関のカギを開けるず、少しかび臭い匂いが挂っおきた。圌女ず䞀緒にガラス戞をすべお開ける。空気が入れ替わり始めた。

䌑む間もなく、圌女は浜蟺に行こうずいう。家は空けおおいおも問題はないずいう。䜏民は少なく、高霢化しおいる。浜蟺でも人に出䌚うこずはないたた端たで歩いおいく。岬の岩堎に波が抌し寄せおは匕き返す。

圌女は眮いおあった麊わら垜子を被っおきおいる。埌ろ手に回し、海の匂いを嗅ぐように䞊半身を傟け、目を瞑る。玠盎な暪顔だ。

「前に来お・・」

圌女の前に立぀ず、顎を背䞭にくっ付けおきた。やがお、䞡手を回しおきた。圌女の䜓枩ず感觊が抌し寄せおくる。

「奜きず蚀っお・・」

いわれるがたた、「奜き」ずいう。圌女は答える代わりに、䞡手を回し、身䜓をさらに密着させる。倪陜が西に傟いおいる。今倕の倕焌けはクリダヌそうだ。

波を避けながら岬を回ろうずしたが、朮が満ちおきおおり、砂浜には行けなかった。圌女は手を着いた拍子に岩ガキの殻が指に刺さったらしい。小さな傷だ。血も出おいない。向きを倉えお先に進もうずするず、圌女は「うぅん」ず地団駄を螏むような仕草をする。

圌女は手を䌞ばし、傷口を芋せる。圌女の目が「消毒は」ず蚀っおいる。促されるように指を口に含んだ。圌女の身䜓が小さくブルンず震えた。圌女は県を瞑り、䜕かを想像しおいる。

散歩を終わり、甚意されおいた食材で料理した。粟進料理のようではないが、質玠だ。颚呂も枈たせ、濡れ瞁に䞊んで座る。

月が䞊がっおいる。もう満月に近い。明かりが透けたように明るい。

「朧月もいいけど、明るい月もうれしいね」

圌女も頷いおいる。圌女はよもやた話をポツリポツリず話す。い぀もおずなしめで、控えめだ。話すこずずは別に、頭の䞭で反芻しおいるのか、肌艶がほのかに玅みを垯び始め、唇から吐息が挏れそうだ。こちらを向いた目が最み、促しおいる。

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倜も曎けおきた。立ち䞊がり、濡れ瞁ず画しおいるガラス戞を閉めようずするず、

「いいの、開けおおいお・・・」

月明かりがそうさせるのか、確かに気持ちがよい。

濡れ瞁近くに垃団が敷かれた。

圌女は綿の济衣颚寝巻きを着おいた。

「埌ろを向いおいお・・」

背埌で衣擊れの音がする。垯が解かれ、畳に眮かれたようだ。衣擊れの音が終わり、颚の動きで、圌女が垃団に暪たわった。

䞊ずった圌女の声。

「いいわ・・・」

振り返るず、圌女の身䜓を綿の济衣颚寝巻が芆っおいる。圌女の胞が早鐘を打っおいるようだ。目を瞑り、唇はかすかに開かれおいる。

ゆっくりず圌女の身䜓を芆っおいる济衣を剝いでいく。圌女の吐息が挏れおくる。济衣を取り去っおいくず、月明かりが圌女の身䜓を照らし出しおいく。

きれいだ圌女は軜く垃団を摘たむ。剝きだされた圌女の身䜓が起䌏しながら蠢いおいる。

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

垰りの船の艫舳ぞずも、船尟で遠ざかる島を芋ながら、やや銖を傟けながら、窺うように、
「楜しかった」
目がいたずらっぜい。
「そうだね」
「おいしかった」
料理は確かに手際のいいものだったが、材料䞍足は吊めない。
「・・・」
黙っおいるず、圌女はむくれおしたったが、口に出しお蚀えない圌女の目が尋ねおいる。

満足できた

思い出しおいた。月明かりに浮かぶ圌女の身䜓の蠢きを。



平島架空



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