💗Short:料亭離れの接待に駆り出され
少し昔の話。爽子の勤めている銀行では、定期的に本社から内部監査が行われている。いつもは粛々と行われていたが、爽子の担当になった時、男性事務の勘違いによる処理が行われ、軽微な案件だったが、特別監査の対象となった。
「本店から特別監査が来る。接待を組んでおけ」
上司からの命だった。
「滞りなくな」
爽子は念を押されていた。
早速、日程に合わせて料亭・彩香(さいか)を予約した。その地区では、料亭・彩香は知る人ぞ知る料亭だった。母屋と離れがあり、要請すれば、どちらか一方だけ営業し