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登大遊さんの記事から話を広げてみた

以前こんな記事を書いていました。これに最近アクセスが増えていてなんでかと思うと、登さんの記事を発見しました。

登大遊さんの講演内容が面白い

で、これがめっぽう面白い。

情報科学若手の会での発表のログのようです。

情報科学若手の会とは、情報科学に携わる学生、若手研究者、エンジニアのディスカッションと交流の会です。NTT東日本特殊局員の登氏が政府に配布停止要請されたVPNソフトの話など、シン・テレワークシステムの開発のもととなった数々の経験を開発秘話として講演しました。
情報科学若手の会は次の3つを目的とした、情報科学に携わる学生、若手研究者、社会人のディスカッションと交流の会です。

特に、この中で面白かったのは、説教と予算は両方くるのがいい、とか、

やっぱり共通なのは説教と部屋ということで、片方だけではダメなんじゃないかと思います。説教とリソースの両方が来るのがいいんだと。

サイバー空間というと、なんなのかという話とか。

サイバー空間というのは、よくあるクラウドを使ってシステムを作るんですとか、政府のプログラムを何かデジタル化するとか、手続きを何かやるとか、ICTのユーザーとしてのサイバーが図の①です。だいたい日本でサイバーとかICTと言うときは、この①の中だけを言いますが、この若手の会に集まっているみなさんは、たぶん②のサイバー空間の空間のほうを作るということに興味があると思うんです。

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これは規定された空間で遊ぶのではなく、空間自体を作ってしまえという檄なのです。

遊び場で遊ぶより遊び場を作る方が面白い

でも、日本は、官庁をはじめ、どうも自分たちで遊び場を作るよりも、作られた遊び場で良い成績を上げる方に血道をあげがちです。

ところが、良い成績を上げていると、欧米にルールを変えられて焦る。

これは、冬季五輪のジャンプのルールで顕著ですが、欧米は自分たちの遊び場で自分たちのルールを作って、それを共有させることに長けているわけです。

日本人が、ちょっとクリエイティビティを発揮して、突破口を作ったり、新しい基準を生みそうな発明をしても、いつの間にか、ルールを欧米もしくは中国に握られていることが多いというのがこれまでの産業界でも見られた問題ではなかったでしょうか。

そこに、空間を作る側に回ろうという人が現れたことは、今後の日本に大きな影響を与えるのではないかと思うのです。

目利きの声を国の方向性に活かせているか

例えば、電池という製品においても、発明をした方がいるのに、ルールを欧米に握られていると産業としては発展しません。

数年先の市場の動きは、論理的に説明できるわけではない。だけど、時代が来るような予兆は感じていましたね。(なかなか売れないという)葛藤はあっても、数年間は我慢しようという気持ちでいました。

吉野さんが産んだリチウム電池の次に向けて、明らかに電池の時代が来ています。今はスマホやPCなどのコンパクト化に貢献していますが、次は自動車を核とした電池が街の中心に来る時代になると思われます。

これを吉野さんは「ET(Energy & Environment Technology)革命」と読んでいるそうです。

でも、そこでも現在の延長ではなく、次のルールメイキングが何によるものかを見通す目が必要です。

現在のカーシェアリングサービスはあくまでも人が運転するもの。それが、無人運転の世界に入ると必要な場所まで車で運んでくれ、人工知能がルートを判断してくれる。そうなると車の稼働率も上がりますよね。今までは電池に航続距離を求めていたけど、耐久性がより重視されるようになります。

今のルールならばテスラかもしれないけど、次のルールではアマゾンかもしれない。

今、アップルが開発している電池には「リン酸鉄系」の正極材が用いられているとされます。エネルギー密度はそれほど高くないものの、耐久性が抜群。つまり、無人自動運転の世界で必要とされるものを開発しているし、それに目をつけている時点でやはりアップルは要警戒ですね。

こうした目利きの声が、意思決定者に届いているのか、気になります。

 25年に分岐点が来るのは間違いない。そこで若い日本人技術者がどれだけ活躍できるかどうか。日本人はばかじゃないから、僕は大丈夫だと思っていますけどね。

こうした声を若手技術者に届ける役割を記事が果たしているといいのですが。

そして、こういう吉野さんのような目利きの長期的視点と登さんのような粘り強い実行者が結びついて、日本から新たなルールを備えた遊び場を作る動きが生まれることを夢想してしまうのです。


サポートの意味や意図がまだわかってない感じがありますが、サポートしていただくと、きっと、また次を頑張るだろうと思います。