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卒業制作を晒してみる

ディスカヴァー編集教室を修了したわけですが、最終回は、これまで学んだことを全て注ぎ込んで、出版企画を皆さんに提案するというものでした。

優秀賞をいただきました

受講生と干場校長だけではなく、早くからテレワークで在宅勤務されているディスカヴァー21の敏腕編集者の皆さんも、当日は、zoomの向こうで待機されているという緊迫した状況です。講義会場でなくてよかったかもしれません。藤田さん、原さん、千葉さん、三谷さん等々の前でプレゼンとか怖くてできないですわ。

結果は、最優秀賞1点、優秀賞7点のうち、優秀賞をいただきました。

ありがたい。

当日は、一人4分間の持ち時間でのプレゼンでしたので、考えていたこと全てを話すことはできませんでした。

なので、ここで企画案のプレゼンシートをベースに考えたことを説明していきたいと思います。

前提としてコロナが全てを変えた

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授業を受けている中で、自分のミッションと、思いついた企画が乖離したり、色々と紆余曲折していたのですが、3月になって、コロナウイルスの前に全てが吹っ飛んだ感じでした。

編集教室のFacebookページでもぼやいていたくらい、どうしていいのかわからない状況にありました。

コロナ前、コロナ後という言葉が出てきているようですが、社会に出ていく言説の全てが、前提となる社会のあり方の変容の前で、大きく揺らいでいるときに、どういう本を出すべきなのか。

そこが見えなかったのです。

突破するには言葉の力が必要だ

そこで思いついたのは、いうことを聞かない60代についてです。

ここで書いたように、コロナ自粛の中でも60代が最も活発に動いているという事実。この人たちに届く言葉が必要だと思ったのです。

そして、この人たちを止めるには、ニュースを見極めたり、自分の頭で考える癖をつけることが「楽しい」と思わせることではないかと。

今回の調査で、65歳以上のユーザーは支持政党に関わらず、最も若い年齢集団(18~29歳)の7倍近くもフェイクニュースサイトの記事をシェアしていた。
論文の共著者で、ニューヨーク大学ソーシャルメディア・政治参加ラボの共同ディレクターでもあるジョシュア・タッカー氏は、「年齢が高いほど嘘の情報を多くシェアする理由は、『デジタルリテラシー』の欠如だと考えるのが最も簡単な説だろう」と説明する。
「高齢者は他の世代のようには、SNS上の真実と嘘を見わけることができない可能性がある」というのが研究チームの見解だ。
虚偽ニュースを伝える人の特徴は以下のような驚くべきものなのです。
1.フォロワー数が少ない
2.フォロー数が少ない
3.ツイートの頻度が低い
4.認証ユーザーの割合は少ない
5.アカウントの保有期間が短い
6.高齢者
ここで高齢者がでてくるのが一つ特徴的かもしれません。研究によれば、65歳以上の高齢者層は、18歳から29歳の人よりも嘘の情報を7倍多くシェアしており、45歳から65歳の2倍以上、30歳から44歳の3倍以上のフェイクニュースをシェアしていたということも明らかになっています。

こうした状況から、企画意図を考えました。

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この言葉に行き着いた

そして、高齢者の文章教室に必要なのは何か。そこを考えている中で、この言葉に出会いました。

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正しい文章を書くだけでは物足りないのです。その先にあるのは世界を変える文章でした。

これならば、高齢者を説得できるのではないかと考えました。

若くないから楽しめる

企画内容をタイトルから考え直しました。

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「世界を変える文章教室」だけではなく、「60歳からの」をつけ、さらに「若くないから楽しめる」という副題もつけました。

文章は若者が自己主張をするためだけにあるのではないからです。

そして、「若くない」ことはネガティブなことでもないからです。

中高年からグングン伸びる「結晶知能」をご存じですか?記憶力低下=知能低下ではない。年齢につれて脳の「性能」は多少落ちても脳の「内容」である結晶知能は、磨けばどんどん高められる。人生を豊かにする結晶知能の伸ばし方。

言語能力は、この結晶性知能の一つです。

知能の最も大きな分類は、ホーンとキャッテル3)が提唱した、結晶性知能(crystallized intelligence)と流動性知能(fluid intelligence)である。結晶性知能は、個人が長年にわたる経験、教育や学習などから獲得していく知能であり、言語能力、理解力、洞察力などを含む。

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若くないからこそ、書けることがあり、語る事があるはずなのです。

企画意図でも書いたように、「自分史」とか「引退後の小説」のような老後の楽しみ然としたことではなく、今を生きる高齢者にふさわしい、今を切り取る文章術を伝えたいのです。

なぜ干場弓子なのか

それを干場弓子さんにお願いしたい。

それは編集教室の校長だからではなく、彼女でなければならない理由があるからです。

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高齢者に説得力がある著者でなければなりません。

作家たちは、人生相談は書いているようですが、文章教室は書いてくれなさそうです。今こそ、編集者の出番なのです。

ビジネスマンだった人のために

ビジネスマンとして有能な働き手だった人が、地域社会で持て余されたり、妻や家族に疎んじられるのはなぜなのでしょう。

ボランティアなど地域活動の中心を積極的に担っているのは、多くの場合、女性たちです。一方で、特に仕事一筋の会社人間だった男性たちの場合は、定年退職後もなかなか地域で人間関係を作れず、孤立してしまうことが少なくありません。長いあいだ時間を勤務先で過ごし、生活の場と切り離されてきた男性たちが、地域とつながり直して充実した生活を楽しむには? 

こんなページがあるくらいには、会社人間は社会人間になれてないようです。

それは、会社言葉しか持っていないから。

会社だけで通用するような上下関係を踏まえた仕事言葉、命令口調、業務用語、そうした言葉しか持たずに地域に出ても、理解されませんし、相手にされません。

ビジネスマンだった人にこそ、言葉術、文章術が必要なのです。

プロモーションはオフィス街で

今は、出版プロモーションもやりにくい時期ですが、発信力のあるメディアと組んで、投げかけていければいいなと考えています。

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ビジネスマン向けで干場さんと対談をお願いできるとすれば、やはり、小宮一慶さんでしょう。

ビジネスマンのための力シリーズでディスカヴァー21で12冊出版。

是非、ビジネスマンだった人向けに、言葉の力のお話をしていただきたいと考えています。

noteとディスカヴァー21共同の賞で年配のクリエイターを探すのもいいと思います。

全ては干場さん次第

実現は全て干場さん次第ですが、是非出したい本だなと思います。

今後どうなるかわかりませんが、編集教室があったからこそ生まれた本になれば幸いです。

サポートの意味や意図がまだわかってない感じがありますが、サポートしていただくと、きっと、また次を頑張るだろうと思います。