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歩きスマホはいけません

 今月始め、栃木県真岡市歴史資料保存館の入り口付近に設置されていた二宮金次郎の銅像が何者かに盗まれ窃盗事件として捜査が行われています。転売目的なのか、それとも銅を溶かして売るのでしょうか?保存館は、2007年度に閉校した物部小高田分校を活用し開館。金次郎の銅像は高田分校時代の1978年1月に建立されました。真岡市には、小学校や市有施設に金次郎像が27カ所あるそうで、かつて建てられた像を今も大切にしているのでしょう。

 全国に金次郎像は1000体以上あると言われています。金次郎の名と業績が全国区になったのは、明治天皇が金次郎の徳行や言論を記録した「報徳記」を読み県知事などに推奨したこと。明治から昭和初期にかけて「修身」の教科書に取り上げられたこと。昭和初期の約10年間、全国の小学校で金次郎像を設置することが流行したことなど、いくつか理由があるようです。私もたまに買い物に行くスーパーマーケット近くの小学校に、金次郎像があることに気づいた時は少し驚きました。再開発に伴い移転してきた新しい小学校なので、前の敷地にあったものを持ってきたのでしょう。それにしても今も金次郎の名と業績に敬意が払われているのだと思います。

 薪を背負って歩きながら本を読む姿は、歩きスマホを肯定しかねないですし、子どもに労働を強いているようにも見えます。今どきの価値観とは一見、合わないようにも見えますが、学校に置かれているからには尊敬すべき対象と子どもたちは思うでしょう。先生は二宮金次郎のどんな姿を子どもたちに紹介し、何を学ぶべきと話しているのか。苦心しているだろうその内容、機会があれば聞いてみたいと思います。

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