両手をうーんと伸ばして、両足も上げるんだよ。そうそうその調子、いい感じだ！　春先、眠っていた冬芽たちを機嫌よく起こして、葉を広げたり花を咲かせたりするのが、わたしの仕事。もう、春風になってしまったんだ。

　世が乱れたとき、空から降りてくると予言された救世主の瓶詰めを開けるため、いにしえに造られたという栓抜きが、これだ。栓抜きを使うための巨大ロボットはすでに完成しているのだが、救世主はまだ降りてこない。

　この店で影の灯りを見た人は、ここに時間のピンを立てることができる。そして旅立っていく。もし失敗することがあっても、この時間に戻ることができるんだ。でもまだ戻ってきた人はいない。実は誰でも見えるんだよ。

　これは、青空怪獣ソララが悪徳宇宙人に誘拐されたときに、最後に空につけた三本の爪痕。そのあと空は次第に青を失って、二度と青空を見ることは無くなってしまった。貴重な写真だ。本当に、昔は空は青かったんだよ。

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