「3」のマイクロノベル 他3篇 #82
「3」が落ちていた。つまり3の差分だけ、これまでとは世界は変わってしまったことになる。裏返しになった3を拾い上げると、3はとても軽かった。そして、小さく鳴いた。3と暮らすようになったのは、それからだ。
3と暮らすいっても、なんということはない。朝起きたら「おはよう」といい、「ただいま」と帰ってくれば、3はちょっと起き上がって応えてくれる。世界の差分が部屋にいるというだけで、外の世界と違う気分になる。
そこへ6が落ちてるのを見つけ、家に連れて帰ったところから様子が変わっ